562 / 566
帰還
煽りは任せろ
しおりを挟む
それから3日後……。
「おい、聞いたか! レイン嬢とプリンセ嬢が結婚相手を発表するってよ!」
「お前は情報がおせぇなぁ! もうその話題でもちっきりだって!」
「誰だと思う!?」
「いやぁ、誰かって言われても今まで全員にべもなく断ってきてるからなぁ!」
「そう! そこなんだよなぁ!」
「よしよし、いい感じだ」
街の皆が話題に挙げていることを空から確認しながら俺は嗤う。
ちなみに体の方はここ3日動きまくってたら全盛期の8割7分くらいまでは復活した。
「わざわざ話題にする必要はあったのかのう」
「ん、ちなみに必要はない。ただ、俺がしたかった」
「主はこっちでも相変わらずじゃな」
「そういえば聞いてなかったが、お前の感覚だとどんな感じだったんだ」
「特に変わりはなかったのじゃ。そもそも、わしにとって1日も1年も変わらんのじゃから」
「そうか、お前はそうだったな」
そして、武器つながりで腰の短刀を見やる。
「『黒紅』も劣化はしてなかったしな」
元々愛用していた真っ黒な短刀は俺が帰ってきて抜いて見ると、黒の中に赤が混じっているような色合いになっていた。
幻想級をまともに斬っておいて刃こぼれとかの類が無いのはおかしいと思うが。
何でも、皆が手入れをしようと抜こうとしていたらしいのだが、頑として抜けなかったらしい。
しかも、俺は倒れた時黒紅を握ったままか、倒れた時に手放したくらいだったから鞘になんて入れる暇なかったと思うんだが。
真相は闇の中である。
で、あの戦いが終わったら名前を付けるって約束してたからな。
昔の人はなんで刀とかに名前つけてたんだろうって思ってたけど、そもそも名前つけてたのは刀作る側の人間だから、創作物に名前付けるのは当然か。
で、使う側がつける場合も命預けるんだからいいだろ。
よって、俺は中二病ではない。
Q.E.D.。
「で、これからどうするのじゃ?」
「決まってるだろ? 期待を煽りに煽る」
2人からそれぞれ自分にアタックをかけてきたときに有望株と言われていたやつらは聞き出しておいた。
まぁ、あくまで世間からの評価ではあるが。
「で、そいつらが候補じゃないかといううわさを流すだけ流す」
7年前には悪目立ちしていた俺だが、今となっては姿も多少変わってるし、そもそも覚えてもいないだろう。
どんなに悪人でもその人の姿によほどのインパクトがない限り7年後なんか覚えてないだろう。
つまり、俺が酒場やらに行って騒ぐだけ騒げばいいという簡単なお仕事だ。
「主、目立つのが苦手じゃなかったかの?」
「そう、そこなんだよな、ネックは」
一般人なら簡単かもねっていうことだな。
コミュ障には辛い。
「じゃが、主は向こうでは社長もやっておったくらいじゃし、いけるんじゃなかろうか」
「……確かに。俺社長やってたんじゃん」
なんか行ける気がしてきた。
「おい、聞いたか! レイン嬢とプリンセ嬢が結婚相手を発表するってよ!」
「お前は情報がおせぇなぁ! もうその話題でもちっきりだって!」
「誰だと思う!?」
「いやぁ、誰かって言われても今まで全員にべもなく断ってきてるからなぁ!」
「そう! そこなんだよなぁ!」
「よしよし、いい感じだ」
街の皆が話題に挙げていることを空から確認しながら俺は嗤う。
ちなみに体の方はここ3日動きまくってたら全盛期の8割7分くらいまでは復活した。
「わざわざ話題にする必要はあったのかのう」
「ん、ちなみに必要はない。ただ、俺がしたかった」
「主はこっちでも相変わらずじゃな」
「そういえば聞いてなかったが、お前の感覚だとどんな感じだったんだ」
「特に変わりはなかったのじゃ。そもそも、わしにとって1日も1年も変わらんのじゃから」
「そうか、お前はそうだったな」
そして、武器つながりで腰の短刀を見やる。
「『黒紅』も劣化はしてなかったしな」
元々愛用していた真っ黒な短刀は俺が帰ってきて抜いて見ると、黒の中に赤が混じっているような色合いになっていた。
幻想級をまともに斬っておいて刃こぼれとかの類が無いのはおかしいと思うが。
何でも、皆が手入れをしようと抜こうとしていたらしいのだが、頑として抜けなかったらしい。
しかも、俺は倒れた時黒紅を握ったままか、倒れた時に手放したくらいだったから鞘になんて入れる暇なかったと思うんだが。
真相は闇の中である。
で、あの戦いが終わったら名前を付けるって約束してたからな。
昔の人はなんで刀とかに名前つけてたんだろうって思ってたけど、そもそも名前つけてたのは刀作る側の人間だから、創作物に名前付けるのは当然か。
で、使う側がつける場合も命預けるんだからいいだろ。
よって、俺は中二病ではない。
Q.E.D.。
「で、これからどうするのじゃ?」
「決まってるだろ? 期待を煽りに煽る」
2人からそれぞれ自分にアタックをかけてきたときに有望株と言われていたやつらは聞き出しておいた。
まぁ、あくまで世間からの評価ではあるが。
「で、そいつらが候補じゃないかといううわさを流すだけ流す」
7年前には悪目立ちしていた俺だが、今となっては姿も多少変わってるし、そもそも覚えてもいないだろう。
どんなに悪人でもその人の姿によほどのインパクトがない限り7年後なんか覚えてないだろう。
つまり、俺が酒場やらに行って騒ぐだけ騒げばいいという簡単なお仕事だ。
「主、目立つのが苦手じゃなかったかの?」
「そう、そこなんだよな、ネックは」
一般人なら簡単かもねっていうことだな。
コミュ障には辛い。
「じゃが、主は向こうでは社長もやっておったくらいじゃし、いけるんじゃなかろうか」
「……確かに。俺社長やってたんじゃん」
なんか行ける気がしてきた。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる