戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
上 下
467 / 566
魔界奔走

未知の恐怖って何倍にもなります

しおりを挟む
「わざわざ外に出てくるとはいい度胸じゃねぇか!」
「大事な家を壊させるわけにはいかないからな」

のこのこと出てきた俺に対して前の方にいたチンピラっぽい奴が喧嘩売ってきたので正面から買う。
ステッド・ファストの中からだけどな。

「はっ! お前らが出てきたところでその家は壊れるがな!」
「は? 勘違いするなよ。お前らに壊されるのが怖いわけじゃないぞ。アン、ドゥ」
「「はい」」

俺の指示で2人が爆弾のようなものが周りに集まっている奴らに投げられる。
爆弾はこの世界にもあるので、全員が身構えるが、空中でステッド・ファストによりカプセルを留める。

「は、なんだ? こけおどしか?」
「悪いこと言わんから、下がった方がいいと思うぞ?」
「そんな脅しで下がると思うか!?」
「思ってねぇよ」

俺が空中で留めている爆弾にアンとドゥから弓が飛ぶ。
爆弾がはじけ、中から液体が周りの奴らに降り注ぐ。

「ギャアアァァァ!!」

もちろん、ただの水なわけはなく。
温泉があることから火山のようなものがあるのはわかっていた。
ということは、二酸化硫黄があるはず。
慎重に捜索を進め、見つけてからも科学実験の末に辿り着いた。
そう、硫酸である。
それも特濃の。

爆弾のような一瞬の殺傷能力はない。
ただ、触れたところから火傷というのもはばかられるようなただれ方をしていく。
そして、その苦痛が周りの者にも恐怖を与える。
もちろん、死も痛みも覚悟しているだろうが、それはそれとして痛いのは本能的に恐怖するものなのだ。

「折角買った家を侵食させるわけにはいかないからな。うぷっ……」

敵とはいえ、人がただれていく様子は怖すぎるし、グロすぎる。
普通に吐きそう。
{苦痛}の感情もごっつい。

「大丈夫ですか、ご主人様?」
「まぁ、予想してた通りくらいのグロさで良かった。これはやっぱり見せられないな……」

R18とかいう括りじゃない。
シンプルに誰が見てもトラウマになるレベルだ。

「お前らはよく平気だな」
「「メイドですので」」

万能かよ。
なんか普通の女の子っぽい反応したり、明らかにおかしい反応したり。
なんか人としてというより、生物としてなんかおかしな部分があると思う。

周りは騒然としている。
前に出てた奴らは腕に自信がある奴らのはずだからな。
そいつらが謎の液体にやられたんだ。
そりゃ動揺もするだろう。

「まぁ、効果は見てもらった通りだ」

酷い奴は顔にまともに受けたりして死んでるな。

「で、今の間に仕込みも終わった」

上空には無数の硫酸のカプセル。
いつの間にか家の屋上に登っていたトロワが弓をもって周りに目を光らせている。

「テンプレではあるが、言わせてもらうか」

自らも小太刀を抜きながら、宣告する。

「死にたくなかったら、帰れ」
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...