453 / 566
魔界奔走
コミュ障でごめん
しおりを挟む
「まずは」
リアーネさん以外の9人が一斉に土下座する。
「お姉ちゃんを助けていただき、ありがとうございました!」
「え、えっ!」
リアーネさんも一瞬のラグののち土下座する。
「あ、ありがとうございましたっ!」
「あ、うん」
いや、俺の反応軽っ!
自分でびっくりしたわ。
「本当にどうお礼を申し上げていいか……!」
うちに駆け込んできていた弟君がうるうるとした目でこちらを見上げてくるが、いやそれが許されるのは美少女だけだから。
需要ないから。
「もうその話は終わってるから。とりあえず全員立ってくれ」
ぞろぞろともう一度並ぶ10人。
男女比は4:6か。
まぁ、特に力仕事があるわけでもないし、そこはいいか。
「お礼と言うなら、俺が今から説明することを一考してもらえると助かる」
「なんでも言ってください!」
「いや、それじゃ困る」
キラキラした顔を一蹴する。
「今でこそ恩義に感じてもらってるが、助けられた本人以外は現場も見ていないからな。実際はたぶんそうでもないんだ。後から実はそこまで恩を感じてなかったけど流れで言っちゃいましたみたいなことを言われてもこっちが困るからな。これから少なくとも何年かは働く条件として考えて欲しい」
「ご主人様の代わりに私が説明いたします」
ドゥとトロワが俺を抱えて下がり、アンが前に出る。
「おいっ?」
「ご主人様は、例え恩人だからと言って考えることを放棄するなと言っておられます。もちろん、恩義は感じていただいてけっこうですが、それと相手の言う事を鵜呑みにするのとは話が違います。ご主人様は、私たちの会社を皆様を社会に送り出すためのステップアップの場と考えておられるのでこう言われているのです」
きつめの言葉でごまかしていた内心を暴露され、黙りこくる俺。
いや、こういう場合に俺はどうすればいいんだ?
「申し訳ありません、ご主人様。ご主人様も心証を悪くしたいわけではないようですので代弁させていただきました。ご主人様は、こう、言葉少なというか……」
「コミュ障のフォローありがとうな!」
逆に困るわ!
「まぁ、そういう訳だから、真剣に聞いてくれ」
「その仕事は、年長が難しい方だと決まっていますか?」
「? いや? 特に決めてるわけではないけど」
「なら、俺は外にしてくれませんか」
「僕もです」
説明後、なぜか男子4人がそろって外の仕事を希望した。
「その心は?」
「強くなりたいんです」
?
あぁー。
「屋台の護衛みたいな形でやりたいってことか」
「そうなります」
なるほど。
姉が攫われ、何も出来なかった少年たちがそう思うのもわかる。
いや、俺も精神年齢同じくらいだろうけど。
「にしては線が細いな」
細マッチョとかいう次元ではなく、シンプルにひょろい。
仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「とりあえず、鍛えてから考えろ。働きに来ている間は食事保証するから」
「はい……」
俺の実体験だが、何はともあれ筋肉が無ければ体は動かないのだ。
無理に膨らませる意味はないが、ある程度なければ話にならない。
とりあえず、一通り筋トレだけ教えることにするか。
リアーネさん以外の9人が一斉に土下座する。
「お姉ちゃんを助けていただき、ありがとうございました!」
「え、えっ!」
リアーネさんも一瞬のラグののち土下座する。
「あ、ありがとうございましたっ!」
「あ、うん」
いや、俺の反応軽っ!
自分でびっくりしたわ。
「本当にどうお礼を申し上げていいか……!」
うちに駆け込んできていた弟君がうるうるとした目でこちらを見上げてくるが、いやそれが許されるのは美少女だけだから。
需要ないから。
「もうその話は終わってるから。とりあえず全員立ってくれ」
ぞろぞろともう一度並ぶ10人。
男女比は4:6か。
まぁ、特に力仕事があるわけでもないし、そこはいいか。
「お礼と言うなら、俺が今から説明することを一考してもらえると助かる」
「なんでも言ってください!」
「いや、それじゃ困る」
キラキラした顔を一蹴する。
「今でこそ恩義に感じてもらってるが、助けられた本人以外は現場も見ていないからな。実際はたぶんそうでもないんだ。後から実はそこまで恩を感じてなかったけど流れで言っちゃいましたみたいなことを言われてもこっちが困るからな。これから少なくとも何年かは働く条件として考えて欲しい」
「ご主人様の代わりに私が説明いたします」
ドゥとトロワが俺を抱えて下がり、アンが前に出る。
「おいっ?」
「ご主人様は、例え恩人だからと言って考えることを放棄するなと言っておられます。もちろん、恩義は感じていただいてけっこうですが、それと相手の言う事を鵜呑みにするのとは話が違います。ご主人様は、私たちの会社を皆様を社会に送り出すためのステップアップの場と考えておられるのでこう言われているのです」
きつめの言葉でごまかしていた内心を暴露され、黙りこくる俺。
いや、こういう場合に俺はどうすればいいんだ?
「申し訳ありません、ご主人様。ご主人様も心証を悪くしたいわけではないようですので代弁させていただきました。ご主人様は、こう、言葉少なというか……」
「コミュ障のフォローありがとうな!」
逆に困るわ!
「まぁ、そういう訳だから、真剣に聞いてくれ」
「その仕事は、年長が難しい方だと決まっていますか?」
「? いや? 特に決めてるわけではないけど」
「なら、俺は外にしてくれませんか」
「僕もです」
説明後、なぜか男子4人がそろって外の仕事を希望した。
「その心は?」
「強くなりたいんです」
?
あぁー。
「屋台の護衛みたいな形でやりたいってことか」
「そうなります」
なるほど。
姉が攫われ、何も出来なかった少年たちがそう思うのもわかる。
いや、俺も精神年齢同じくらいだろうけど。
「にしては線が細いな」
細マッチョとかいう次元ではなく、シンプルにひょろい。
仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「とりあえず、鍛えてから考えろ。働きに来ている間は食事保証するから」
「はい……」
俺の実体験だが、何はともあれ筋肉が無ければ体は動かないのだ。
無理に膨らませる意味はないが、ある程度なければ話にならない。
とりあえず、一通り筋トレだけ教えることにするか。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる