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魔界奔走
そのまま流して欲しかった
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「あ、え、ありがとうございます……?」
あまりの俺の豹変っぷりに戸惑う少年。
だがしかし!
それでいいのだ!
だって、下心があるのは事実なのだから!
「ドゥ、トロワを呼んで来い」
「かしこまりました」
こんなこともあろうかと、というか、こんなことになっているのがわかっていたのでオーシリアと共に偵察に行かせていたのだ。
そのお姉ちゃん、察するに俺と話したあの女の子だが、行方はもちろん、相手の構成人数の情報や、アジトの構造まで把握済みである。
非人道的だと言いたければ言え。
結果俺たちが助けるのだからセーフ!
「で、行くのは早い方がいいよな」
「そう思われます。ああいう輩が女性を攫っておいてすることは1つしかありませんから」
自らのことを思い出すかのように少し震えるトロワの頭を撫でる。
「安心しろ。そうならないように今回は先に手を打ってるんだろうが」
「……はい!」
「トロワ! 抜け駆けはずるいですよ!」
「これがご主人様の優しさなのです!」
3人がポコポコと喧嘩を始めてしまった。
元から知っている俺はトロワだけ頭を撫でられたことに対してのものだとわかるが、そんなことを知る由もない少年はポカンとしている。
「あの、そんなことよりも、姉ちゃんを……」
「「「はい?」」」
「ひっ、あ、ごめんなさい……」
至極真っ当な訴えなのだが3人には通じない。
逆に「そんなこと」と言われたことに対する圧によって少年が謝ってしまっている。
「まぁ、そう焦るな。切り札の到着を待っているだけだから」
「切り札?」
「やぁ、お待たせー」
パタパタとリオンが駆け込んできた。
もちろん、彼女が切り札である。
「いけるか?」
「いつでもー。あいつじゃないのはわかってるけど、被害者としては加害者側に殴り込んでやらないとねー」
もうぱっと見でもわかるくらいにやる気に満ち溢れている。
これ、何人生き残れるだろうな……。
「え……?」
困惑している少年。
「どうした。いくぞ?」
「いや、待ってください! そ、そちらはバンフリオン様ですよね!? なぜ、そんな方が……」
引き留めてもごもご言い出す少年に俺は少し怒りを見せる。
「おい、その疑問は今現在、捕らわれている姉ちゃんとやらの安否より大事なことなのか」
口をつぐむ少年。
「優先順位をはき違えるな。頼ったなら頼った相手の考えには疑問を挟むな。行ってくるからお前は帰れ」
「……はい。でも、俺も一緒に……!」
「はっきり言わずともわかれ。足手まといだ。ついでに言えば、今本人を除いて一番不安なのは誰だ」
「?」
「お前のとこの年少組だろうが。恐らく、お前が2番目に大きいんだろうが、そいつまでいなくなったら年少組はどうするんだよ」
ハッとする少年。
「戻って相手してやれ」
そう言い残して家を出る。
4人ともついてくるが、視線が生温かい。
「なんだ?」
「いやー、やっぱりリブレは優しいなーって」
うんうんと頷いているメイドたち。
やめて!
かっこつけてたのを蒸し返さないで!
あまりの俺の豹変っぷりに戸惑う少年。
だがしかし!
それでいいのだ!
だって、下心があるのは事実なのだから!
「ドゥ、トロワを呼んで来い」
「かしこまりました」
こんなこともあろうかと、というか、こんなことになっているのがわかっていたのでオーシリアと共に偵察に行かせていたのだ。
そのお姉ちゃん、察するに俺と話したあの女の子だが、行方はもちろん、相手の構成人数の情報や、アジトの構造まで把握済みである。
非人道的だと言いたければ言え。
結果俺たちが助けるのだからセーフ!
「で、行くのは早い方がいいよな」
「そう思われます。ああいう輩が女性を攫っておいてすることは1つしかありませんから」
自らのことを思い出すかのように少し震えるトロワの頭を撫でる。
「安心しろ。そうならないように今回は先に手を打ってるんだろうが」
「……はい!」
「トロワ! 抜け駆けはずるいですよ!」
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3人がポコポコと喧嘩を始めてしまった。
元から知っている俺はトロワだけ頭を撫でられたことに対してのものだとわかるが、そんなことを知る由もない少年はポカンとしている。
「あの、そんなことよりも、姉ちゃんを……」
「「「はい?」」」
「ひっ、あ、ごめんなさい……」
至極真っ当な訴えなのだが3人には通じない。
逆に「そんなこと」と言われたことに対する圧によって少年が謝ってしまっている。
「まぁ、そう焦るな。切り札の到着を待っているだけだから」
「切り札?」
「やぁ、お待たせー」
パタパタとリオンが駆け込んできた。
もちろん、彼女が切り札である。
「いけるか?」
「いつでもー。あいつじゃないのはわかってるけど、被害者としては加害者側に殴り込んでやらないとねー」
もうぱっと見でもわかるくらいにやる気に満ち溢れている。
これ、何人生き残れるだろうな……。
「え……?」
困惑している少年。
「どうした。いくぞ?」
「いや、待ってください! そ、そちらはバンフリオン様ですよね!? なぜ、そんな方が……」
引き留めてもごもご言い出す少年に俺は少し怒りを見せる。
「おい、その疑問は今現在、捕らわれている姉ちゃんとやらの安否より大事なことなのか」
口をつぐむ少年。
「優先順位をはき違えるな。頼ったなら頼った相手の考えには疑問を挟むな。行ってくるからお前は帰れ」
「……はい。でも、俺も一緒に……!」
「はっきり言わずともわかれ。足手まといだ。ついでに言えば、今本人を除いて一番不安なのは誰だ」
「?」
「お前のとこの年少組だろうが。恐らく、お前が2番目に大きいんだろうが、そいつまでいなくなったら年少組はどうするんだよ」
ハッとする少年。
「戻って相手してやれ」
そう言い残して家を出る。
4人ともついてくるが、視線が生温かい。
「なんだ?」
「いやー、やっぱりリブレは優しいなーって」
うんうんと頷いているメイドたち。
やめて!
かっこつけてたのを蒸し返さないで!
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