400 / 566
魔界奔走
薬はあの手この手で
しおりを挟む
結局、俺がまともに動けるようになったのは事が終わってから1週間後だった。
自分で言うのもなんだが、メンタルやられ過ぎだ。
いつかあるかもとは思っていたが、本当に人を殺したとなるときついな。
「「「本当にご迷惑をおかけしました……」」」
「まぁ、しょうがない部分もあるとは思うけどな。せめて簡単に捕まらないようにしてくれ」
「「「承知いたしました……」」」
アンリさんが最初に訪れた領主の研究室に薬品を持ち込んだ結果、割と簡単に解毒剤は作れたらしい。
まぁ、こういうのは作り方が杜撰だからな。
こういうやつの厄介なのは1つの解毒剤を作っても少しだけ構成成分を変えた同じようなものがすぐに出回りだすことだ。
ただ、これに限って言えばゲス男しか製法知らなかったっぽいから大丈夫か。
まぁ、そこらへんはアンリさんとかがどうにかするだろう。
考えれば、この世界は俺のいた世界2つとはかなり違うな。
どこかがと言えば、神様が日常に介入しているところだ。
この世界の神様であるアンリさんは同時に一領主でもある。
そりゃ、権限は遥かに他の領主を上回るだろうが、基本傍観主義の他2世界の神様とはえらい違いだ。
というか、神様と日常的に話してる自分に震えるな。
異世界転移なんてものをしてから面白いことばっかりだ。
ほんと、退屈しないな。
「リオンも、大丈夫か?」
「う、うん。薬もらったよー」
「そうか、リオンも今度からは気を付けてくれよ?」
「大丈夫。次からは油断しないよ」
うん、なんかリオンが大人になってくな。
いや、リオンの方が大人なんだけど。
なんか精神的に。
「しかし、ご主人様。これだけは言わせてください」
「おう、なんだ」
至極真面目な顔でアンが代表して言ってくるので普通に対処する。
「口走っていたことは私たちの偽りない真実ですのでご安心ください」
「あれでどう安心しろと!?」
「つまりですね。薬に浮かされていても、私たちを捧げる相手はご主人様だけだということです」
「お、おぅ、そうか」
安心していいのか……?
「よお、起きたのか」
「おかげさまで」
アンリさんが部屋に入ってきた。
「もちろん、次にも行くんだろ?」
「俺としてはもう無理はしたくないんだが……」
小動物のような目で見つめてくるリオン。
「ついていくしかないよなぁ」
「……そうか、実力的には申し分ないし、許可してやろう」
なんだ今の間は。
「実力と言えば、お前があそこまでやるとは思わなかったぞ。俺とやった時はもっと無力じゃなかったか?」
「神様とそこらのを一緒にするなよ」
「それにしてもだ。あれも一応領主だぞ? 遥かに格上だったはずだ」
「だからこそだろうな」
俺に負けるなんて万に一つも思っていない。
だからこそ、俺の初撃は入ると踏んでいた。
「あんな隙しかない奴そうはいない。俺は俺のままだ」
「……まぁ、本人がそう言うなら強くは言わないでおくか」
そうしてくれ。
期待なんてものを向けられるのは苦手なんだ。
自分で言うのもなんだが、メンタルやられ過ぎだ。
いつかあるかもとは思っていたが、本当に人を殺したとなるときついな。
「「「本当にご迷惑をおかけしました……」」」
「まぁ、しょうがない部分もあるとは思うけどな。せめて簡単に捕まらないようにしてくれ」
「「「承知いたしました……」」」
アンリさんが最初に訪れた領主の研究室に薬品を持ち込んだ結果、割と簡単に解毒剤は作れたらしい。
まぁ、こういうのは作り方が杜撰だからな。
こういうやつの厄介なのは1つの解毒剤を作っても少しだけ構成成分を変えた同じようなものがすぐに出回りだすことだ。
ただ、これに限って言えばゲス男しか製法知らなかったっぽいから大丈夫か。
まぁ、そこらへんはアンリさんとかがどうにかするだろう。
考えれば、この世界は俺のいた世界2つとはかなり違うな。
どこかがと言えば、神様が日常に介入しているところだ。
この世界の神様であるアンリさんは同時に一領主でもある。
そりゃ、権限は遥かに他の領主を上回るだろうが、基本傍観主義の他2世界の神様とはえらい違いだ。
というか、神様と日常的に話してる自分に震えるな。
異世界転移なんてものをしてから面白いことばっかりだ。
ほんと、退屈しないな。
「リオンも、大丈夫か?」
「う、うん。薬もらったよー」
「そうか、リオンも今度からは気を付けてくれよ?」
「大丈夫。次からは油断しないよ」
うん、なんかリオンが大人になってくな。
いや、リオンの方が大人なんだけど。
なんか精神的に。
「しかし、ご主人様。これだけは言わせてください」
「おう、なんだ」
至極真面目な顔でアンが代表して言ってくるので普通に対処する。
「口走っていたことは私たちの偽りない真実ですのでご安心ください」
「あれでどう安心しろと!?」
「つまりですね。薬に浮かされていても、私たちを捧げる相手はご主人様だけだということです」
「お、おぅ、そうか」
安心していいのか……?
「よお、起きたのか」
「おかげさまで」
アンリさんが部屋に入ってきた。
「もちろん、次にも行くんだろ?」
「俺としてはもう無理はしたくないんだが……」
小動物のような目で見つめてくるリオン。
「ついていくしかないよなぁ」
「……そうか、実力的には申し分ないし、許可してやろう」
なんだ今の間は。
「実力と言えば、お前があそこまでやるとは思わなかったぞ。俺とやった時はもっと無力じゃなかったか?」
「神様とそこらのを一緒にするなよ」
「それにしてもだ。あれも一応領主だぞ? 遥かに格上だったはずだ」
「だからこそだろうな」
俺に負けるなんて万に一つも思っていない。
だからこそ、俺の初撃は入ると踏んでいた。
「あんな隙しかない奴そうはいない。俺は俺のままだ」
「……まぁ、本人がそう言うなら強くは言わないでおくか」
そうしてくれ。
期待なんてものを向けられるのは苦手なんだ。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生幼女アイリスと虹の女神
紺野たくみ
ファンタジー
地球末期。パーソナルデータとなって仮想空間で暮らす人類を管理するAI、システム・イリスは、21世紀の女子高生アイドル『月宮アリス』及びニューヨークの営業ウーマン『イリス・マクギリス』としての前世の記憶を持っていた。地球が滅びた後、彼女は『虹の女神』に異世界転生へと誘われる。
エルレーン公国首都シ・イル・リリヤに豪商ラゼル家の一人娘として生まれたアイリスは虹の女神『スゥエ』のお気に入りで『先祖還り』と呼ばれる前世の記憶持ち。優しい父母、叔父エステリオ・アウル、妖精たちに守られている。
三歳の『魔力診』で保有魔力が規格外に大きいと判明。魔導師協会の長『漆黒の魔法使いカルナック』や『深緑のコマラパ』老師に見込まれる。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる