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魔界奔走
あくまでもレインのため
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「お2人がレインを心配しているのはわかりましたが、いつまでもここにいるとまずいのでは?」
アンリさんに逆らっておいてお咎めなしとは思えない。
いくら実力があってもアンリさんが本気で潰そうと思えばひとたまりもないだろうからな。
俺がアンリさんを見やると、アンリさんが答える。
「そうだな、そろそろ潮時だろう。親としての同情心もあって放っておいてやったが、これまででも特例に特例を重ねているんだ。もうそろそろ嬢ちゃんも大丈夫だろうよ」
「そう、ですか……」
自分で言っといてなんだが、そんな急にリミットとか言われると凄い悪いことした気分になるな。
だけど。
「アンリさんに従っておいた方がいいと俺も思いますよ。お2人は第一界にいくんでしょうが、いずれレインがこちらに来た時に会えないような状況になるのが一番まずいと思いますから」
このままアンリさんに逆らい続けたら最悪第七界に留まるようにされることも考えられる。
正直、この考えはご両親に配慮してのものではなく、レインのことを考えた結果である。
小さいうちに両親が他界して、周りから迫害されていても強く生きていて、俺と出会ってくれた。
そんな彼女が人生を全うした後、両親に会えないというのは違うと思う。
「そうですね」
渋っていた様子の{苦悩}が浮かんでいたお父さんもそれで納得してくれたようだ。
静かに俺を見ていたお母さんはそんな俺の考えを見抜いたかのように穏やかに微笑む。
居心地が悪い。
ってか2人とも美形だな。
お父さんはなんというか、少し厳しそうな教師っぽい。
理知的で理不尽なことはしなさそうだ。
お母さんは、優しいお母さんを体現しているかのような雰囲気。
スラッとしていて常に微笑んでいる。
レインを生んでくれたことに感謝だ。
レインも今は「可愛い」が強いが、将来は「綺麗」になるんだろうな。
「私達はいかなければなりませんが、その前に。リブレさん」
「はい」
2人が改めて俺に向き直る。
俺もリオンの後ろから出てきて正座する。
「私達のレインを任せても大丈夫でしょうか」
「任せて下さい」
俺は最大限真面目な応対をする。
が。
「しかし、お言葉ですがレインは俺なんか必要ないくらいしっかりしていますよ。もう既に、お2人の庇護下を離れて大人に混ざって生きているんですから。しかし、そうですね」
俺は一拍置いて、感謝を込めて言う。
レインをあんないい子に育ててくれた感謝を込めて。
「周りに頼らなくてもいいレインが、もし支えが欲しくなった時に、何も言われずとも支えになってあげられる存在になりたいとは思っています。『娘さんを下さい』なんてベタなことは言いません。俺はレインに選んでもらうので」
お父さんは得心がいったように頷き、お母さんは微笑んだままお辞儀をする。
「娘の話は聞かなくていいかね?」
「本人から聞くんで。逆に、何か伝えたいことなどありませんか?」
「ないよ。本人から聞くからね」
まんまと返され、苦笑いする。
負けず嫌いだなぁ。
「お呼びでしょうか」
角を生やしたパーフェクトスタイルの女性が来て2人を案内していった。
聞けば、アンリさんの秘書らしい。
「こんの色魔閻魔大王がぁ!!」
「今の流れでそこに突っ込むかおい!?」
アンリさんに逆らっておいてお咎めなしとは思えない。
いくら実力があってもアンリさんが本気で潰そうと思えばひとたまりもないだろうからな。
俺がアンリさんを見やると、アンリさんが答える。
「そうだな、そろそろ潮時だろう。親としての同情心もあって放っておいてやったが、これまででも特例に特例を重ねているんだ。もうそろそろ嬢ちゃんも大丈夫だろうよ」
「そう、ですか……」
自分で言っといてなんだが、そんな急にリミットとか言われると凄い悪いことした気分になるな。
だけど。
「アンリさんに従っておいた方がいいと俺も思いますよ。お2人は第一界にいくんでしょうが、いずれレインがこちらに来た時に会えないような状況になるのが一番まずいと思いますから」
このままアンリさんに逆らい続けたら最悪第七界に留まるようにされることも考えられる。
正直、この考えはご両親に配慮してのものではなく、レインのことを考えた結果である。
小さいうちに両親が他界して、周りから迫害されていても強く生きていて、俺と出会ってくれた。
そんな彼女が人生を全うした後、両親に会えないというのは違うと思う。
「そうですね」
渋っていた様子の{苦悩}が浮かんでいたお父さんもそれで納得してくれたようだ。
静かに俺を見ていたお母さんはそんな俺の考えを見抜いたかのように穏やかに微笑む。
居心地が悪い。
ってか2人とも美形だな。
お父さんはなんというか、少し厳しそうな教師っぽい。
理知的で理不尽なことはしなさそうだ。
お母さんは、優しいお母さんを体現しているかのような雰囲気。
スラッとしていて常に微笑んでいる。
レインを生んでくれたことに感謝だ。
レインも今は「可愛い」が強いが、将来は「綺麗」になるんだろうな。
「私達はいかなければなりませんが、その前に。リブレさん」
「はい」
2人が改めて俺に向き直る。
俺もリオンの後ろから出てきて正座する。
「私達のレインを任せても大丈夫でしょうか」
「任せて下さい」
俺は最大限真面目な応対をする。
が。
「しかし、お言葉ですがレインは俺なんか必要ないくらいしっかりしていますよ。もう既に、お2人の庇護下を離れて大人に混ざって生きているんですから。しかし、そうですね」
俺は一拍置いて、感謝を込めて言う。
レインをあんないい子に育ててくれた感謝を込めて。
「周りに頼らなくてもいいレインが、もし支えが欲しくなった時に、何も言われずとも支えになってあげられる存在になりたいとは思っています。『娘さんを下さい』なんてベタなことは言いません。俺はレインに選んでもらうので」
お父さんは得心がいったように頷き、お母さんは微笑んだままお辞儀をする。
「娘の話は聞かなくていいかね?」
「本人から聞くんで。逆に、何か伝えたいことなどありませんか?」
「ないよ。本人から聞くからね」
まんまと返され、苦笑いする。
負けず嫌いだなぁ。
「お呼びでしょうか」
角を生やしたパーフェクトスタイルの女性が来て2人を案内していった。
聞けば、アンリさんの秘書らしい。
「こんの色魔閻魔大王がぁ!!」
「今の流れでそこに突っ込むかおい!?」
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