328 / 566
決戦
回復役も時には……
しおりを挟む
「どちらの魔法も元々かなり希少なほうじゃからのう……」
「そうだよなぁ」
王様に相談しに行ってみたものの、こういう回答が帰ってくる。
全員の能力を把握したときにわかったいたことなのだが、けっこうこの2つは希少なのだ。
「確か、回復魔法ってさ」
「いや、わかっておるぞ。回復魔法は光魔法、水魔法、風魔法に適性がないとできん。しかしな。回復魔法をメインとしている者たちは元々戦闘が苦手なものが多いのじゃ。それを遠くから魔法を撃つだけとはいえ、前線に出すのはのう……」
「いきます!」
近くで話を聞いていたあの気の弱い回復役のお姉さんが大きな声を出す。
「ここで役に立たなくてどうするんですか! あ、ただ……、やっぱり得意じゃないので、守ってもらえると助かります……」
急に弱気になるやん。
「そこは任せろ。攻撃が出来ない俺が防御は引き受ける」
というかもはや防御全般俺の仕事だわ。
「引き受けてくれると助かるが、いいのか?」
「はい! 皆さんのしごきのおかげで大抵のことではへこたれないメンタルが鍛えられましたから!」
「……お主ら、わしは見ておらんかったが、どんなことをしておったのじゃ?」
「いやー……」
俺はけっこう良心的だったと思うんだけどな?
なにぶんキラがな……。
ボッコボコのメッタメタにしていたからな……。
回復するにしろあれで1人も逃げ出さなかったのは本当に尊敬する。
「よし、では回復班から半数を前線に出す。その旨を伝えて来てくれんか?」
「はい!」
指示を受けたお姉さんが走っていく。
「今のところ被害はないか?」
「そうじゃな。多少怪我をした者はおるようじゃが、順次手当てを受けておるし、交代も滞りなく出来ておる」
「そうか、とりあえず心配しなくて良さそうだな」
幻想級に集中できる。
「何かあったら言ってくれよ? 防御なら多分俺が最適だからな」
「わかっておるよ。さぁ、とっとと行かんか」
半ば追い出されるようにして戻される。
少し進むと、回復役の方々が待っていた。
「行きましょう!」
「あぁ」
やる気十分なようだ。
「基本的に、俺たちが一番前に立つから、その後ろから撃ってくれ」
「はい!」
俺たちが小走りで駆けつけると、先ほどより前線は下がったものの、奮闘している皆がいた。
一部、ちょっとヤバそうなところだけ背中にのせているオーシリアからステッド・ファストで援護が行われる。
「レイン! どうだ!?」
「リブレさん!」
ケインと2人で幻想級と戦っているレインはこちらを振り向くことなく答える。
「恐らく削れてはいるんでしょうけど、なにぶん傷が残らないですから、メンタル的にきついですね!」
相手に自分の攻撃が通っているかわからないというのは本当にメンタルにくる。
いつまで続ければいいのだろうと考えてしまうからな。
「援軍だ! レインとケインの後ろから撃ってくれ!」
「「はい!」」
ほとんどが女性の回復班も戦闘に加わる。
単純に数が増えるのでこれで2人の負担も減るし、削れるようになるはずだ。
「そうだよなぁ」
王様に相談しに行ってみたものの、こういう回答が帰ってくる。
全員の能力を把握したときにわかったいたことなのだが、けっこうこの2つは希少なのだ。
「確か、回復魔法ってさ」
「いや、わかっておるぞ。回復魔法は光魔法、水魔法、風魔法に適性がないとできん。しかしな。回復魔法をメインとしている者たちは元々戦闘が苦手なものが多いのじゃ。それを遠くから魔法を撃つだけとはいえ、前線に出すのはのう……」
「いきます!」
近くで話を聞いていたあの気の弱い回復役のお姉さんが大きな声を出す。
「ここで役に立たなくてどうするんですか! あ、ただ……、やっぱり得意じゃないので、守ってもらえると助かります……」
急に弱気になるやん。
「そこは任せろ。攻撃が出来ない俺が防御は引き受ける」
というかもはや防御全般俺の仕事だわ。
「引き受けてくれると助かるが、いいのか?」
「はい! 皆さんのしごきのおかげで大抵のことではへこたれないメンタルが鍛えられましたから!」
「……お主ら、わしは見ておらんかったが、どんなことをしておったのじゃ?」
「いやー……」
俺はけっこう良心的だったと思うんだけどな?
なにぶんキラがな……。
ボッコボコのメッタメタにしていたからな……。
回復するにしろあれで1人も逃げ出さなかったのは本当に尊敬する。
「よし、では回復班から半数を前線に出す。その旨を伝えて来てくれんか?」
「はい!」
指示を受けたお姉さんが走っていく。
「今のところ被害はないか?」
「そうじゃな。多少怪我をした者はおるようじゃが、順次手当てを受けておるし、交代も滞りなく出来ておる」
「そうか、とりあえず心配しなくて良さそうだな」
幻想級に集中できる。
「何かあったら言ってくれよ? 防御なら多分俺が最適だからな」
「わかっておるよ。さぁ、とっとと行かんか」
半ば追い出されるようにして戻される。
少し進むと、回復役の方々が待っていた。
「行きましょう!」
「あぁ」
やる気十分なようだ。
「基本的に、俺たちが一番前に立つから、その後ろから撃ってくれ」
「はい!」
俺たちが小走りで駆けつけると、先ほどより前線は下がったものの、奮闘している皆がいた。
一部、ちょっとヤバそうなところだけ背中にのせているオーシリアからステッド・ファストで援護が行われる。
「レイン! どうだ!?」
「リブレさん!」
ケインと2人で幻想級と戦っているレインはこちらを振り向くことなく答える。
「恐らく削れてはいるんでしょうけど、なにぶん傷が残らないですから、メンタル的にきついですね!」
相手に自分の攻撃が通っているかわからないというのは本当にメンタルにくる。
いつまで続ければいいのだろうと考えてしまうからな。
「援軍だ! レインとケインの後ろから撃ってくれ!」
「「はい!」」
ほとんどが女性の回復班も戦闘に加わる。
単純に数が増えるのでこれで2人の負担も減るし、削れるようになるはずだ。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる