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幻想級迎撃
年相応でいいんです
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「……んー」
俺たちがこんな話をしている間に五段まで完成させたプリンセは集中力が切れたのか、大きく伸びをする。
そこを俺が脇の下をもって抱えあげる。
「……?」
尻尾がふるりと揺れ、こちらを見上げるプリンセ。
「いいところだけどな。そろそろ寝なきゃだろ」
今日はしっかり昼に活動しているエルフに合わせて行動していたのでもう昼過ぎなのだ。
夜型に慣れようとしている今としては早く寝なくてはならない。
「……むー」
「このタワーはそのまま残しといていいから。また明日やればいいだろ?」
「……むー……」
不満げだが頷くプリンセ。
「僕はもう眠たいんですけど……。なんでプリンセちゃんはそんなに元気なんですか……」
「あれだろ。集中しててアドレナリンが出てるんだろ。切れたらすぐに眠たくなるって。動きたくなくなる前にお風呂とか済ませておいた方がいいぞ」
一度眠気がきたらもういいやって気になっちゃうからな。
やれることはやれるうちに。
「……ん」
2階をピッと指差すプリンセ。
「なんだ?」
「……お風呂」
「あぁ、連れてってってことか。了解です」
プリンセを運んでいって、脱衣場に降ろす。
「あれ?」
レインもついてくるものだと思ってたが、来てない。
どうした?
1階に戻ると、レインは自分の椅子でスヤスヤ寝ていた。
おぉ。
珍しいな。
レインは眠たくてもけっこう頑張る方だ。
やることをすべて終わらせてから寝ようと我慢する節がある。
今回はそんな抵抗の余地なく眠りに落ちたみたいだな。
なんだかんだ言ってやっぱり長の息子に会うのは重労働だったか。
面倒なことをさせてしまったな。
明日また労ってやろう。
「プリンセ、今日は一人で入ってくれるか? レインを少しだけでも休ませてやりたいんだ」
「……ん、わかった」
脱衣場まで戻ってプリンセにそう伝えると、素直に一人で風呂に入ってくれた。
その場で服を脱ぎ始めたが。
見ちゃダメだ!
この頃理性が帰還した俺は脱衣場からマッハで外に出る。
危ない……。
油断大敵だ。
居間に戻ると、レインの首が横向きにコックリコックリなっていた。
普段なら俺とレインは机を挟んで向かい側に座っているのだが、今日は俺がレインのとなりに座り、椅子を近づけて肩にもたれかけさせる。
あのままだと深い眠りにならないからな。
という建前半分。
レインの近くにいたいというの半分だ。
本当にレインは頑張ってくれている。
もちろん、戦うというのはレインの意思だから、そこはいいとしても12歳かそこら、小学6年生くらいの少女が担うようなものではないものを背負っているのも事実だ。
俺はレインより弱いし、あんまり力になれないかもしれないが。
彼氏として、一番身近にいる人間としてレインが弱音を吐きたくなったときに言ってもらえる存在でありたいと思う。
柄にもなくセンチメンタルになり、そんなことを考えながらレインの寝顔を見ていた俺は、そのままレインのとなりで眠りに落ちていった。
俺たちがこんな話をしている間に五段まで完成させたプリンセは集中力が切れたのか、大きく伸びをする。
そこを俺が脇の下をもって抱えあげる。
「……?」
尻尾がふるりと揺れ、こちらを見上げるプリンセ。
「いいところだけどな。そろそろ寝なきゃだろ」
今日はしっかり昼に活動しているエルフに合わせて行動していたのでもう昼過ぎなのだ。
夜型に慣れようとしている今としては早く寝なくてはならない。
「……むー」
「このタワーはそのまま残しといていいから。また明日やればいいだろ?」
「……むー……」
不満げだが頷くプリンセ。
「僕はもう眠たいんですけど……。なんでプリンセちゃんはそんなに元気なんですか……」
「あれだろ。集中しててアドレナリンが出てるんだろ。切れたらすぐに眠たくなるって。動きたくなくなる前にお風呂とか済ませておいた方がいいぞ」
一度眠気がきたらもういいやって気になっちゃうからな。
やれることはやれるうちに。
「……ん」
2階をピッと指差すプリンセ。
「なんだ?」
「……お風呂」
「あぁ、連れてってってことか。了解です」
プリンセを運んでいって、脱衣場に降ろす。
「あれ?」
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どうした?
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おぉ。
珍しいな。
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やることをすべて終わらせてから寝ようと我慢する節がある。
今回はそんな抵抗の余地なく眠りに落ちたみたいだな。
なんだかんだ言ってやっぱり長の息子に会うのは重労働だったか。
面倒なことをさせてしまったな。
明日また労ってやろう。
「プリンセ、今日は一人で入ってくれるか? レインを少しだけでも休ませてやりたいんだ」
「……ん、わかった」
脱衣場まで戻ってプリンセにそう伝えると、素直に一人で風呂に入ってくれた。
その場で服を脱ぎ始めたが。
見ちゃダメだ!
この頃理性が帰還した俺は脱衣場からマッハで外に出る。
危ない……。
油断大敵だ。
居間に戻ると、レインの首が横向きにコックリコックリなっていた。
普段なら俺とレインは机を挟んで向かい側に座っているのだが、今日は俺がレインのとなりに座り、椅子を近づけて肩にもたれかけさせる。
あのままだと深い眠りにならないからな。
という建前半分。
レインの近くにいたいというの半分だ。
本当にレインは頑張ってくれている。
もちろん、戦うというのはレインの意思だから、そこはいいとしても12歳かそこら、小学6年生くらいの少女が担うようなものではないものを背負っているのも事実だ。
俺はレインより弱いし、あんまり力になれないかもしれないが。
彼氏として、一番身近にいる人間としてレインが弱音を吐きたくなったときに言ってもらえる存在でありたいと思う。
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