戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
315 / 566
幻想級迎撃

2人の帰宅

しおりを挟む
「……ただいまー」
「ただいま帰りました。……なにしてるんですか」
「え?」

一仕事終えて帰ってきたレインとプリンセが目にしたのは絶望して床に転がっている俺とオーシリアの姿だった。
トランプタワーは三段が出来たからといって満足するものではない。
三段出来たなら四段を目指すものなのだ。
もちろん、やらかして今に至るわけだが。

本当に問題なのは三段が崩れたことに絶望したオーシリアが放り投げたカードが俺の九段のトランプタワーにぶち当たり、見事に根本から崩れ落ちたのだ。
俺も流石にこの一瞬の出来事には怒る気力も湧かず、怒られると思ってペトッと倒れたオーシリアと共に倒れたのだった。
で、今に至る。

「なるほど、それでこのカードの散らばりようですか」
「……わたしもやりたい」
「やり方は教えるからやってみたらどうだ」

倒れたまま二段のタワーを作る。

「これをどんどん高くするってだけだ。下から順番に高くしていってもいいし、一段ずつ横に大きくして高くしていってもいい。自分がやり易いと思うやり方でやってみてくれ」
「……わかった」

プリンセはそこら辺に散らばっていたカードを拾い集めて一気に集中してやりはじめた。
もうカードにしか意識がいっていないようだ。


「僕たちが頑張ってる間になんて意味のないことしてたんですか」
「いや、意外と楽しいんだぞ? 特にどんどん高くなっていったときの緊張感は凄いぞ」
「いえ、そういうことではないです」

ですよね!

「まぁ、そんなことはさておいて。どんな感じだったんだ?」
「そうですね。概ね予想通りというか。自分がやったと認めたのはいいものの、俺は悪くないの一点張りでしたよ。被害者の方たちはあくまでも対話を目指してたんですけど。長の息子である俺に指図するのか、としか言わなくて」
「まぁ、確かに予想通りだな」
「途中でエルメさんがキレまして」
「それも予想通りだな」

俺はあくまでエルメのやりすぎを止めるように言っただけで、制裁を加えることに対しては止めていない。
だってあの長の息子クズじゃん。
絶対どうしようもない状態になるのはわかりきっていたからな。
被害者の女の子達もそんな怒れないだろうし、親もそんな実力行使に出れるような人たちではなさそうだったからな。
エルメにボッコボコにされていい気味だくらいに思っていてくれるといいな。

「ちなみに、話しかけられたりしたか?」
「話しかけられたような気もしますけど、覚えてないですね。『助けてくれたら妻にしてやってすべて許してやる』とか言われてないです」

めちゃくちゃ覚えてんじゃん。
改めてあいつの思考回路どうなってんだよ。
なんであっち側についていってるのに助けてもらえると思うんだよ。

「まぁ、それ以外は特になにもなかったですね。長が言うには、息子さんは謹慎処分で、指定した人としか会えないようにするらしいです」

誘拐教唆とかしてるのにとは思うが、それは他国の法に口を出すようなものだからな。
やめとこう。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...