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幻想級迎撃
たまには正攻法でも
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「やぁ」
「あぁ、おはよう」
「おはようというのも微妙な時間だけどね」
午後10時。
目を覚まして1階に降りるとキラがダイニングのイスに座って待っていた。
しっかり鍵はしていたはずなのだが、どこから入ったのだろうか。
今更その程度のことで驚きはしないけど。
「エルフの長から回答があったからね。それを伝えに来たよ」
「随分と早かったな」
3日くらいはかかると思っていた。
出発の直前に長の息子をシメることになるだろうと予想していたのだが、この予想外はありがたい。
「長さんも君が絡んでいなければ普通にいい方だからね。こっちの事情も汲んでくれて、すぐに返事を送ってくれたらしいよ」
やっぱり俺が絡まなくて正解だったじゃん。
「で、その感じだと長は絡んでなかったんだろ?」
「少なくとも本人はそう言っているみたいだね。そんな噂は初めて聞いたと」
そう、本来ならばそれが正しい。
エルフがいくらちょっと外に出だしたからと言って、人間との交流がないのは間違いがないのだから。
人間内の噂がエルフに届くなんてことはまずない。
国民がちゃんといて、取引が行われている状況ならともかく。
この環境下で交流もないのに知るすべなんてあるわけがない。
「よし」
長の対処が早いなら、そっちから圧力をかけてもらえばいい。
「王様に、次は息子さんに疑いがかかってるって伝えるように言ってくれ」
「そんなことして大丈夫なのかい?」
「余計な反発を生まないかってことだろ? そこは大丈夫だろ。長はかなり理性的な人物だ。レインを生贄にするという考えは、間違っているとしても、ない考えではないからな」
今回はたまたま俺の身内で。
俺が抵抗できるだけの気概とそれなりの実力を持っていたから抵抗しただけであって。
何も関係ないものからすれば1人の犠牲で全員が生き残れるんだからその方がいいに決まっている。
まぁ、この論争はよく心理テストにあるやつだし、正当なんかないんだけども。
大衆心理的に自分が良ければそれでいいってところはある。
「商人たちから聞き出した情報を出来るだけ細かく伝えるんだ。より論拠があるほど理性的なタイプは自分で考えて結論を出してくれる」
長の息子なんて知性のかけらも感じられなかったからな。
どうせ何か聞かれたらボロを出してくれるだろう。
そうすればあの攫われた少女たちもしっかりとあいつを糾弾することが出来るだろう。
俺に出来るのはそこまでだな。
よく考えたら俺あんまり関係なかったし。
普通に許せないから手伝ってたけど、あとは当人たちでお願いします。
「まぁ、そんなところじゃないか?」
「了解。そうお伝えしておくよ。それじゃ」
家のドアの鍵をしっかりと内側から開けてキラは去っていった。
本当にどこから入ったんだろうね?
こいつやりたい放題だな。
悪人側にいたら手がつけられないどころか、国乗っ取られてるわ。
「あぁ、おはよう」
「おはようというのも微妙な時間だけどね」
午後10時。
目を覚まして1階に降りるとキラがダイニングのイスに座って待っていた。
しっかり鍵はしていたはずなのだが、どこから入ったのだろうか。
今更その程度のことで驚きはしないけど。
「エルフの長から回答があったからね。それを伝えに来たよ」
「随分と早かったな」
3日くらいはかかると思っていた。
出発の直前に長の息子をシメることになるだろうと予想していたのだが、この予想外はありがたい。
「長さんも君が絡んでいなければ普通にいい方だからね。こっちの事情も汲んでくれて、すぐに返事を送ってくれたらしいよ」
やっぱり俺が絡まなくて正解だったじゃん。
「で、その感じだと長は絡んでなかったんだろ?」
「少なくとも本人はそう言っているみたいだね。そんな噂は初めて聞いたと」
そう、本来ならばそれが正しい。
エルフがいくらちょっと外に出だしたからと言って、人間との交流がないのは間違いがないのだから。
人間内の噂がエルフに届くなんてことはまずない。
国民がちゃんといて、取引が行われている状況ならともかく。
この環境下で交流もないのに知るすべなんてあるわけがない。
「よし」
長の対処が早いなら、そっちから圧力をかけてもらえばいい。
「王様に、次は息子さんに疑いがかかってるって伝えるように言ってくれ」
「そんなことして大丈夫なのかい?」
「余計な反発を生まないかってことだろ? そこは大丈夫だろ。長はかなり理性的な人物だ。レインを生贄にするという考えは、間違っているとしても、ない考えではないからな」
今回はたまたま俺の身内で。
俺が抵抗できるだけの気概とそれなりの実力を持っていたから抵抗しただけであって。
何も関係ないものからすれば1人の犠牲で全員が生き残れるんだからその方がいいに決まっている。
まぁ、この論争はよく心理テストにあるやつだし、正当なんかないんだけども。
大衆心理的に自分が良ければそれでいいってところはある。
「商人たちから聞き出した情報を出来るだけ細かく伝えるんだ。より論拠があるほど理性的なタイプは自分で考えて結論を出してくれる」
長の息子なんて知性のかけらも感じられなかったからな。
どうせ何か聞かれたらボロを出してくれるだろう。
そうすればあの攫われた少女たちもしっかりとあいつを糾弾することが出来るだろう。
俺に出来るのはそこまでだな。
よく考えたら俺あんまり関係なかったし。
普通に許せないから手伝ってたけど、あとは当人たちでお願いします。
「まぁ、そんなところじゃないか?」
「了解。そうお伝えしておくよ。それじゃ」
家のドアの鍵をしっかりと内側から開けてキラは去っていった。
本当にどこから入ったんだろうね?
こいつやりたい放題だな。
悪人側にいたら手がつけられないどころか、国乗っ取られてるわ。
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