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幻想級迎撃
負けず嫌いに終わりはありません
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「もう1回です!」
「……受けて立つ」
「まだやるのか」
「……あたりまえ」
驚くほど長引いております。
通算成績は俺58勝、プリンセ32勝、レイン27勝である。
途中から要領を掴んだレインが怒涛の追い上げでプリンセに追い付きつつあるのだ。
それにより対抗心を燃やしたプリンセもやる気が止まらないといった感じである。
現在、午前6時。
まさかここまでUNOだけでもつとは。
ありがたいことなのだが。流石に俺は疲れた。
手を抜けば楽なのだろうが、そういう空気はすぐに嗅ぎつけられてしまうからな。
ゲームで手を抜くのは許されない。
それで「本気じゃなかったし」とか言ってもなら本気出せよという話だ。
いつでも勝とうとするメンタルであるべし。
俺も良く勝ってると思うよ。
本来なら手つきとか顔つきとかで心理戦が行われるものなのだろうが、そんな情報は1つもないからな。
シンプルに出したカードからどうにか推測して勝ちを拾っている。
だから、外れている時は大いに大敗するのだが、ここまでくると研ぎ澄まされてきてそれでも何とかなりつつある。
俺を褒めてあげたい。
「あとは2人で決着つけるのじゃダメなのか?」
「ダメです」
「……勝ち逃げ、ダメ」
「リブレさんも抜くんですから、参加していてくれないと困ります」
コクリと頷くプリンセ。
あ、俺まで見据えていたのか。
志めちゃくちゃ高いやん。
「む、なにをしておるのじゃ?」
頑張って起きてる俺たちなんて目もくれず、普通に寝ていたオーシリアが起きてきた。
「わしもやるのじゃ。ルールはどういうものかの?」
「レイン、説明しといてくれ。俺はご飯作ってくるから」
「……わたしも」
説明はレインに任せ、プリンセと一緒に本日(?)3食目のご飯を作る。
「……なに、作るの?」
「そこはプリンセに任せるよ。俺はお手伝いくらいに思っててくれ」
そもそも俺には料理のバリエーションなんてないのだ。
どう作るのかは知っているものもあるが、知っているだけで作ったこともないのでどうなるかもわからない。
そういうのは得意な人に任せるのが一番だ。
一通りのことは出来るので、アシスタントにはなれるだろう。
「……じゃあ、ここに出したやつ、切っててね」
「了解しました」
指示されたとおりに調理していく。
あまり俺はキッチンに出入りしないので初めてこんな間近で見たのだが、プリンセの手際が凄い。
1年前には何もできなかったとは思えない。
というか、まだ6歳で合ってるよな?
そこらの主婦より洗練されてるまである包丁さばきなんだが。
「……こっちのお魚おねがい」
「了解です」
ただ、魚を捌くのだけは俺だ。
ちゃんと役立つ技能があって良かった……。
コンコン!
玄関をノックする音が聞こえて、俺が玄関に向かう。
「はい?」
「やぁ」
キラだった。
「お前も休みじゃないのか?」
「そうだね。だから、今日僕がここに来たのは私用だよ」
「ふーん?」
含んだ言い方するなぁ。
「本題は?」
「ちょっとね」
声のトーンを落とすキラ。
「リブレ君、レイン君、プリンセ君に関するうわさがまことしやかに囁かれていてね。耳に入れておくべきだと思ったんだ」
「詳しく聞こうか。ご飯でも食ってけよ」
今度はなんだよ……。
「……受けて立つ」
「まだやるのか」
「……あたりまえ」
驚くほど長引いております。
通算成績は俺58勝、プリンセ32勝、レイン27勝である。
途中から要領を掴んだレインが怒涛の追い上げでプリンセに追い付きつつあるのだ。
それにより対抗心を燃やしたプリンセもやる気が止まらないといった感じである。
現在、午前6時。
まさかここまでUNOだけでもつとは。
ありがたいことなのだが。流石に俺は疲れた。
手を抜けば楽なのだろうが、そういう空気はすぐに嗅ぎつけられてしまうからな。
ゲームで手を抜くのは許されない。
それで「本気じゃなかったし」とか言ってもなら本気出せよという話だ。
いつでも勝とうとするメンタルであるべし。
俺も良く勝ってると思うよ。
本来なら手つきとか顔つきとかで心理戦が行われるものなのだろうが、そんな情報は1つもないからな。
シンプルに出したカードからどうにか推測して勝ちを拾っている。
だから、外れている時は大いに大敗するのだが、ここまでくると研ぎ澄まされてきてそれでも何とかなりつつある。
俺を褒めてあげたい。
「あとは2人で決着つけるのじゃダメなのか?」
「ダメです」
「……勝ち逃げ、ダメ」
「リブレさんも抜くんですから、参加していてくれないと困ります」
コクリと頷くプリンセ。
あ、俺まで見据えていたのか。
志めちゃくちゃ高いやん。
「む、なにをしておるのじゃ?」
頑張って起きてる俺たちなんて目もくれず、普通に寝ていたオーシリアが起きてきた。
「わしもやるのじゃ。ルールはどういうものかの?」
「レイン、説明しといてくれ。俺はご飯作ってくるから」
「……わたしも」
説明はレインに任せ、プリンセと一緒に本日(?)3食目のご飯を作る。
「……なに、作るの?」
「そこはプリンセに任せるよ。俺はお手伝いくらいに思っててくれ」
そもそも俺には料理のバリエーションなんてないのだ。
どう作るのかは知っているものもあるが、知っているだけで作ったこともないのでどうなるかもわからない。
そういうのは得意な人に任せるのが一番だ。
一通りのことは出来るので、アシスタントにはなれるだろう。
「……じゃあ、ここに出したやつ、切っててね」
「了解しました」
指示されたとおりに調理していく。
あまり俺はキッチンに出入りしないので初めてこんな間近で見たのだが、プリンセの手際が凄い。
1年前には何もできなかったとは思えない。
というか、まだ6歳で合ってるよな?
そこらの主婦より洗練されてるまである包丁さばきなんだが。
「……こっちのお魚おねがい」
「了解です」
ただ、魚を捌くのだけは俺だ。
ちゃんと役立つ技能があって良かった……。
コンコン!
玄関をノックする音が聞こえて、俺が玄関に向かう。
「はい?」
「やぁ」
キラだった。
「お前も休みじゃないのか?」
「そうだね。だから、今日僕がここに来たのは私用だよ」
「ふーん?」
含んだ言い方するなぁ。
「本題は?」
「ちょっとね」
声のトーンを落とすキラ。
「リブレ君、レイン君、プリンセ君に関するうわさがまことしやかに囁かれていてね。耳に入れておくべきだと思ったんだ」
「詳しく聞こうか。ご飯でも食ってけよ」
今度はなんだよ……。
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