戦力より戦略。

haruhi8128

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幻想級迎撃

ゲームは正しく遊びましょう

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「スピード!」

新たにスピードを教えたのだが、結論から言おう。
やってられん。
プリンセの反応速度が尋常じゃないのだ。
俺ではとてもじゃないがついていけない。
むしろなぜレインが互角に戦えているのか知りたい。

手が空を切る音が鳴る中、俺はもう一つのカードゲームの製作にいそしむ。
これなら色々なゲームがあるわけじゃないし。
むしろ俺の得意分野だからな。

「えーと、あとなんだっけ?」

ただ、カードの種類が多い。

「こんなもんか」

そう、俺が作っていたのはUNO。
ちなみにUNOというのはスペイン語で1だ。
残り1枚を宣言するときに使う。
地域によって違いはあるだろうが、俺はUNOを忘れていて他の人に言われたらプラス2枚というのを採用している。
いや、まぁ、俺がそのルールに慣れ親しんでいるというだけの話なんだけれども。

「……ウノ」
「え、あれ? 言ってなかったですか!?」
「言ってなかったな」

渋々2枚ひいて満面の笑みになるレイン。
ババ抜きの時も思ったけど、こいつ賭け事とかむいてないんだろうな。
素直すぎる。

「レイン、今ドロ4引いただろ」
「え、な、何のことですか?」

ほらな。
もはや自白だ。
俺じゃなくてもわかる動揺っぷり。
そこが可愛いんだけど。

「こうです! UNO!」

再度高らかにUNOを宣言するレイン。

「……わたしも」
「俺もだ」
「えっ!?」

2人ともしっかりとドロ4で返す。
俺ルールではドロー系カードは重ねられる。
ドロ4の次に色があっていればドロ2を出すことも可能だ。

よって返されやすく、中々上がることは出来ない。
絶望的な顔になって12枚カードを引くレイン。
ここにきて12枚はきつい……。

「ところで、俺は上がりだ」
「……!」

残り2枚のプリンセを尻目に俺が先に上がる。
俺ルールでは、上がる際のカード枚数に制限がない。
つまり、同じ数字であれば同時に出すことで一気に上がれるのだ。
数字が被っているものを積極的に使っていく派と、あとに残しておく派がいると思うが、俺は断然後者だ。
1枚の使い勝手の悪いものから消していき、同じ数字で別々の色を持っておいて上がりやすくするのだ。
このルール以外でやったことがないからわからないが、これが鉄板なのではないだろうか。

残るは2枚のプリンセと13枚のレイン。
このゲーム、よく考えられているもので、多くのカードを持っていればいるほど減りやすい。
しかも、少ない側が上がれるかどうかは運だし、多い側との駆け引きによってどうにでもなり得る。
手番はプリンセ。
さぁ、どうなる……?

「……あがり」
「そんなぁー!?」

一瞬だった。
まじで一瞬。
プリンセも2枚組で持っていて、ちょうど俺が最後に出した赤が被っていたのだ。
崩れ落ちるレイン。
見事なまでの完敗。

「リブレさんが赤にしなかったら大丈夫でしたよ!?」
「そこまで含めてのゲームだから」

決してチーミングはしていない。
チーミング、ダメ、絶対。
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