266 / 566
幻想級迎撃
虎はけっこう万能です
しおりを挟む
「……行くよ」
「来い」
脚力では人間の姿でもアミラの方が上回っているはず。
さて、どうするのか。
ダンッ!
プリンセの一瞬の早さも中々のものなのだが、チーター族のアミラには及ぶべくもない。
チーターが優れているのはその一瞬の早さである。
普通のチーターなら時速90キロにもなる。
動き始めておよそ2秒で時速70キロだ。
ただ、欠点となるのは持続力がないこと。
トップスピードで走れるのは、10秒から20秒程度だし、距離的には300から400メートル程しか走れない。
そこを上手くつければいいと思うんだけど……。
プリンセがポンポン突っ込むのをアミラがするする避けている感じだ。
この感じではどうにも捕まえられそうにない。
「プリンセ、直線じゃダメだ。もうちょっと頭を使え」
「……ん」
そもそもプリンセはスペックが高いのだ。
俺みたいに工夫を凝らしまくってやっと対等というわけではない。
ほんとにちょっとの工夫でいいはずなのだ。
鬼ごっこって鬼が有利なわけだし。
逃げる側は何もできず、逃げるだけなのに対し、鬼はどこかに触れるだけで勝利なのだ。
まぁ、この世界では魔法による妨害があるから一概に有利とは言えないけど。
トンッ。
トンッ。
プリンセが周りの家を使って三次元的に動き始める。
チーターは平面で圧倒的な強さを誇る。
虎はそういった得意不得意はない。
木の上に登ることも出来るし、海を泳いで島と島の間を渡ることも出来る。
後半部分は蛇足だが、要するに三次元的な動きなら虎の方が上手なのだ。
家から家へ壁を渡ってアミラを翻弄する。
アミラはとりあえず距離をとろうとするが、行きたい場所に人間の冒険者がいて、思うように動けない。
そうこうするうちに追い詰められ、プリンセにタッチされてしまった。
「くそ……」
「……やったー」
「よしよし、よくやったぞー」
プリンセを撫でながらアミラにアドバイスをする。
「身体能力に頼りすぎだな。獣人族の身体能力が凄いのは否定しないどころか大きなアドバンテージだとは思うが、魔法も使えばもっとその優位は拡大するだろ? プリンセはまだ練習中だからともかく、アミラならある程度は使えるはずだ」
「そうだな、自分の方が速いと高をくくっていたのかもしれん」
いくら速くても序盤は自由に動けないからな。
互いの実力がわかっている状態では速い奴から捕まえていくのが定石だ。
小学校のクラスでする鬼ごっことかが典型的だな。
ちなみにプリンセとアミラが追いかけっこしていた間の俺もサボっていたわけではない。
2人が動き回ることによって動きを阻害された人たちを捕まえていた。
えっと、冒険者と兵士が84人で、獣人族が大体200くらいだから……。
で、俺たちが17人捕まえていて、キラとレインも同じくらい捕まえてるとすると……。
あと250?
エグイ。
そりゃそうか。
前まで俺は1:4だったのに、今は4:300くらいなわけだからな。
4人になったからまぁいけるかなとか思ってた俺はアホだな。
「来い」
脚力では人間の姿でもアミラの方が上回っているはず。
さて、どうするのか。
ダンッ!
プリンセの一瞬の早さも中々のものなのだが、チーター族のアミラには及ぶべくもない。
チーターが優れているのはその一瞬の早さである。
普通のチーターなら時速90キロにもなる。
動き始めておよそ2秒で時速70キロだ。
ただ、欠点となるのは持続力がないこと。
トップスピードで走れるのは、10秒から20秒程度だし、距離的には300から400メートル程しか走れない。
そこを上手くつければいいと思うんだけど……。
プリンセがポンポン突っ込むのをアミラがするする避けている感じだ。
この感じではどうにも捕まえられそうにない。
「プリンセ、直線じゃダメだ。もうちょっと頭を使え」
「……ん」
そもそもプリンセはスペックが高いのだ。
俺みたいに工夫を凝らしまくってやっと対等というわけではない。
ほんとにちょっとの工夫でいいはずなのだ。
鬼ごっこって鬼が有利なわけだし。
逃げる側は何もできず、逃げるだけなのに対し、鬼はどこかに触れるだけで勝利なのだ。
まぁ、この世界では魔法による妨害があるから一概に有利とは言えないけど。
トンッ。
トンッ。
プリンセが周りの家を使って三次元的に動き始める。
チーターは平面で圧倒的な強さを誇る。
虎はそういった得意不得意はない。
木の上に登ることも出来るし、海を泳いで島と島の間を渡ることも出来る。
後半部分は蛇足だが、要するに三次元的な動きなら虎の方が上手なのだ。
家から家へ壁を渡ってアミラを翻弄する。
アミラはとりあえず距離をとろうとするが、行きたい場所に人間の冒険者がいて、思うように動けない。
そうこうするうちに追い詰められ、プリンセにタッチされてしまった。
「くそ……」
「……やったー」
「よしよし、よくやったぞー」
プリンセを撫でながらアミラにアドバイスをする。
「身体能力に頼りすぎだな。獣人族の身体能力が凄いのは否定しないどころか大きなアドバンテージだとは思うが、魔法も使えばもっとその優位は拡大するだろ? プリンセはまだ練習中だからともかく、アミラならある程度は使えるはずだ」
「そうだな、自分の方が速いと高をくくっていたのかもしれん」
いくら速くても序盤は自由に動けないからな。
互いの実力がわかっている状態では速い奴から捕まえていくのが定石だ。
小学校のクラスでする鬼ごっことかが典型的だな。
ちなみにプリンセとアミラが追いかけっこしていた間の俺もサボっていたわけではない。
2人が動き回ることによって動きを阻害された人たちを捕まえていた。
えっと、冒険者と兵士が84人で、獣人族が大体200くらいだから……。
で、俺たちが17人捕まえていて、キラとレインも同じくらい捕まえてるとすると……。
あと250?
エグイ。
そりゃそうか。
前まで俺は1:4だったのに、今は4:300くらいなわけだからな。
4人になったからまぁいけるかなとか思ってた俺はアホだな。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。


異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。


大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる