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幻想級迎撃
エルフの耳についての考察
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洗ってもらって、プリンセが、その、俺の大事なところを無邪気に洗おうとするのを必死に留め、自分で洗ってから再度湯船に浸かる。
ふー。
「……んー」
プリンセの虎耳はペタンってなってる。
レインの耳は立ったままだけど。
ん?
俺はレインの耳に手を伸ばす。
「ひゃう!?」
「うお!? ごめん!」
思っていたより反応が大きくて思わす謝る。
「いえ、ごめんなさい。あの、耳はちょっと、敏感なので……。出来れば触るときは一言言ってください……」
湯船で上気した顔をさらに恥ずかしそうにしながら言うレイン。
可愛すぎる。
いや、待て。
今はそこじゃないんだ。
「じゃあ、ちょっと失礼して……」
「はい……」
「おぉ……」
エルフの耳ってとんがってるけど、あんまり固いわけではないんだな。
フニフニしてるし、曲がるは曲がる。
ピンッてもとに戻るけど。
「はぅー……。もういいですか……?」
「あ、すまん」
敏感というのは本当らしく、ちょっと涙目だ。
うーん。
なにしてもかわいいっていうのは顔がいいと得なんだなっていうのを実感するな。
羨ましい。
今でこそ可愛いっていう表現だが、大人になったらどうなるのだろうか。
可愛いなのか綺麗なのか、はたまた華麗なのか、明媚なのか。
将来が楽しみである。
「……もう、あがっていーい?」
「あ、うん。そうだな」
プリンセはネコ科という点を考えれば、かなりお風呂好きな方だと思うが、子供は体温が高いので長い間は入っていられない。
しかし、入ったり上がったりすることなく、しっかり座っているので偉い。
お風呂から上がり、前に思いついたことをやってもらう。
「レイン、そよ風よりちょっと強いくらいの温風を出すことってできるか?」
「えらく具体的なお願いですね。出来ると思いますけど」
「じゃあ、それで髪を乾かしてくれよ」
「……なるほど。確かにタオルで拭いた後は自然乾燥ってするのよりは早そうですね」
「まぁな」
だが、本題はそこではない。
その副次効果こそが俺の目的だ。
「とりあえず、リブレさんで試していいですか?」
「あぁ」
「えっと、火魔法と風魔法をこのくらいで……」
レインがごちゃごちゃやったら、すぐにちょっと弱いドライヤーくらいの温風が出た。
そこらへんの微調整は流石だな。
「おぉー」
「どうです?」
「これだよ、これ!」
仕組みは知らないけど、放置よりはこっちの方が髪が痛まないしな。
キューティクルのためにもこっちの方がいいだろ。
「俺はだいたいいいから、あとは自分とプリンセをやってくれ」
「了解です」
これでレインの髪は今よりもっとさらさらに。
プリンセの毛皮は今よりもっとモフモフになるはずだ。
どうだこの完璧な計画は!
誰にも非の打ちどころがないだろう!
「……リブレさーん、たすけてー」
「はいはい、どうした!?」
簡単に言えば、プリンセの毛皮が爆発していた。
擬音で表すと、ボワッとしていた。
あ、そうなるのか。
「わ、わかった。今とかしてやるから」
これが治った時こそ!
モフモフになってるはずだ!
ふー。
「……んー」
プリンセの虎耳はペタンってなってる。
レインの耳は立ったままだけど。
ん?
俺はレインの耳に手を伸ばす。
「ひゃう!?」
「うお!? ごめん!」
思っていたより反応が大きくて思わす謝る。
「いえ、ごめんなさい。あの、耳はちょっと、敏感なので……。出来れば触るときは一言言ってください……」
湯船で上気した顔をさらに恥ずかしそうにしながら言うレイン。
可愛すぎる。
いや、待て。
今はそこじゃないんだ。
「じゃあ、ちょっと失礼して……」
「はい……」
「おぉ……」
エルフの耳ってとんがってるけど、あんまり固いわけではないんだな。
フニフニしてるし、曲がるは曲がる。
ピンッてもとに戻るけど。
「はぅー……。もういいですか……?」
「あ、すまん」
敏感というのは本当らしく、ちょっと涙目だ。
うーん。
なにしてもかわいいっていうのは顔がいいと得なんだなっていうのを実感するな。
羨ましい。
今でこそ可愛いっていう表現だが、大人になったらどうなるのだろうか。
可愛いなのか綺麗なのか、はたまた華麗なのか、明媚なのか。
将来が楽しみである。
「……もう、あがっていーい?」
「あ、うん。そうだな」
プリンセはネコ科という点を考えれば、かなりお風呂好きな方だと思うが、子供は体温が高いので長い間は入っていられない。
しかし、入ったり上がったりすることなく、しっかり座っているので偉い。
お風呂から上がり、前に思いついたことをやってもらう。
「レイン、そよ風よりちょっと強いくらいの温風を出すことってできるか?」
「えらく具体的なお願いですね。出来ると思いますけど」
「じゃあ、それで髪を乾かしてくれよ」
「……なるほど。確かにタオルで拭いた後は自然乾燥ってするのよりは早そうですね」
「まぁな」
だが、本題はそこではない。
その副次効果こそが俺の目的だ。
「とりあえず、リブレさんで試していいですか?」
「あぁ」
「えっと、火魔法と風魔法をこのくらいで……」
レインがごちゃごちゃやったら、すぐにちょっと弱いドライヤーくらいの温風が出た。
そこらへんの微調整は流石だな。
「おぉー」
「どうです?」
「これだよ、これ!」
仕組みは知らないけど、放置よりはこっちの方が髪が痛まないしな。
キューティクルのためにもこっちの方がいいだろ。
「俺はだいたいいいから、あとは自分とプリンセをやってくれ」
「了解です」
これでレインの髪は今よりもっとさらさらに。
プリンセの毛皮は今よりもっとモフモフになるはずだ。
どうだこの完璧な計画は!
誰にも非の打ちどころがないだろう!
「……リブレさーん、たすけてー」
「はいはい、どうした!?」
簡単に言えば、プリンセの毛皮が爆発していた。
擬音で表すと、ボワッとしていた。
あ、そうなるのか。
「わ、わかった。今とかしてやるから」
これが治った時こそ!
モフモフになってるはずだ!
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