戦力より戦略。

haruhi8128

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幻想級迎撃

見えないことも抑止力です

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「フレイム・ヴェール!」
「うん、1つの正解だな」

相手と自分との間に広がるタイプの魔法であれば、相手の行動を阻害しながら自分の姿を隠すことも出来る。
こちらの足を止めることにもつながる。
突破できずに他の道から回ろうとすればその間に逃げられる。
相手が道を律儀に通ればな。

「オーシリア!」
「うむ!」

オーシリアが空中に階段を作るのと同時にそこを駆け上がる。
俺が足を置く場所にオーシリアが足場を作っていると言った方が正しいか。
この移動方法も板についてきたな。

「そう来るのは、わかってました!」

予想していたらしく、再度俺とエイグの間に炎の壁が現れる。
俺は足場から飛び降りながら炎の壁を小太刀で斬りはらい、内部に侵入する。
次の魔法の詠唱をしていたエイグはそれに反応できない。

「はい、タッチ」

エイグの首のあたりに出来た足場に乗った俺は手を伸ばしてエイグの肩にタッチする。

「まずは1人じゃな」
「じゃな、じゃねーよ!? 俺が思ってたより数十センチ落ちたんだけど!?」

もう一段挟むと思ってたのに見たらかなり下に足場があるから内心めちゃくちゃ焦った。
足をくじくか、腰をやるかくらいはするかと思ったぞ。

「あぁ、もう! もうちょっとは頑張れるかと思ったのに!」
「いや、いい線はいってたと思うぞ。あと一工夫で俺も対処が難しくなってた」
「そうなの?」
「あぁ、街の中心までは自分の足で戻ってくれよ」

俺はそう言い残して別の奴が走っていった方向に足を向ける。


誰が捕まったとかいう情報は一応流れないようになってはいるが、どの方向から音が聞こえたかである程度はばれてるだろうな。
えっと、こっちに逃げてたのはチーム決めの時に質問してきた人のお仲間の回復役ヒーラーか。
確か全員引っ込み思案で、戦闘が怖いから回復系統の魔法を覚えたんだっけ。
回復系は風魔法と光魔法に適性があれば使えるらしいからな。
2系統なら正直そんなに敷居は高くない。
俺は使えないけどな!

とにかく、性格からしてエイグのように俺に見つかってからがスタートというような考え方はしていないだろう。
どちらかと言えば鬼ごっこよりもかくれんぼをしているのに近いだろうか。

これも、キラには通用しないが俺には通る手段の1つだろう。
キラは万能の気配察知を持っているから意味はないが、俺の気配察知は視覚に頼っているからな。
スルー・アイも併用して発見できる範囲は広がってはいるが、それも俺の視力で見える範囲まで。
建物の多い街中ではそれも制限されるしな。

ただ、今回の場合は建物の中はダメだってことになってるから、そこは一安心だな。
仮にありだったとしたら全ての家をしらみつぶしに探していくしかなかっただろう。
それはあまりにも効率が悪いからな。
となると。

「上かな」
「じゃな」

もう最初から上にいた方がいいのではないかという気すらしてくるが、それだと他の逃亡者から見えてしまうからな。
鬼の位置を把握していれば逃亡者はいくらでも自分の位置を移動できるし。
鬼は姿を見せないことが抑止力になる。
迂闊に動いたら見つかってしまうリスクを逃亡者は負うんだからな。

「見つけた」

樽の中に女性の姿を見つけた俺はそこめがけて段々と飛び降りていった。

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