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幻想級迎撃
出演料はしっかり請求しましょう
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「そう言ってくれると思ってたぞ! 我が国の興行のために頑張ってくれ!」
「思いっきり商業利用するんじゃねぇよ!」
「何割がいい?」
「……詳しく聞こうか」
「これが買収ですか……」
失敬な!
俺たちはゲスト出演だぞ。
しかも戦わなきゃならん。
出演料と手数料くらいもらってもばちは当たらんだろう。
「通貨は共通だったよな」
「あぁ、ルベルだな」
「で、今回ので得られる儲けの見込みは?」
「これくらいか?」
カイルさんが指を5本立てる。
薄々思ってたけどこの興行を牛耳ってるのこの人だな。
詳しすぎるだろ。
「……5000万ってとこか?」
「そのくらいになるだろうな」
「経費とかも差し引いてるんだよな」
「当然だ」
国家事業なだけあるな。
諸々差し引いて5000万か……。
確か、日本より少し物価が高いっていうのを差し引いてもえらい金額だ。
「カイルさんとしては、どのくらいが妥当だと思う?」
「そうだな。1000万くらいか?」
「嘘だろ!? それで!」
「即決ですか!?」
儲けの2割貰えるんだぞ?
十分すぎるだろ!
「いえ、リブレさんならもっと吹っ掛けると思ってました」
「よぎりはしたけどな。だけど、2人で500万ずつっていうのも既に貰いすぎな気がしないか?」
「それはそうなんですけど……」
「過ぎたるは猶及ばざるが如しってやつだな。欲張りすぎても怖いしな」
「よし、話は決まったな。じゃあ、行ってこい!」
俺とレイン、ライオン族の長殿はそれぞれ反対のゲートから闘技場の舞台(?)へと姿を現す。
オオォォォーー!!!
凄い歓声に包まれながら俺たちは中央へと進む。
「リブレさん、思ってたより堂々としてますね」
「そう、見えてるなら、頑張ってる、甲斐が、あるな」
「あ、頑張ってるんですね。声は震えてますし」
「レインは、普通、っぽいな」
「そりゃ僕はどこに出ても珍しがられてきましたから。流石に慣れますよ」
「……悪いな。慣れてないものにはきついだろう」
「そ、そんなこと、ないですし?」
「リブレさん……。虚勢張り切れてないですよ」
「しょ、しょうが、ないだろ。この会話さえ、聞こえづらい、くらい、なんだぞ」
「……無様な姿だけはさらすなよ」
長殿はそう言って俺たちと距離をとる。
「親愛なる国民よ! ここに決闘を行えることを俺は誇りに思う! 今回はランガルから客が来ている! 両者ともに確かな実力の持ち主だ! 存分に楽しんでいってほしい!」
カイルさんが上の方の偉い人席から声を響かせると、歓声が一層大きくなる。
「ふうぅぅーー……」
「落ち着きました?」
「落ち着いてはいるさ。いつも通り動けるためのおまじないみたいなもんかな」
深呼吸は緊張をほぐしたり、ストレス解消に効くっていうのが実証されてるらしいからな。
おまじないっていうのもちょっと違うか。
「両者、準備はよいか!」
長殿は5メートルほどある獅子へと姿を変えることで、俺は手をあげることでその返事に変える。
「其の意気や、よし! では、始め!」
俺とレイン、長殿はいっそう沸き立つ観客に囲まれて向き合うのだった。
「思いっきり商業利用するんじゃねぇよ!」
「何割がいい?」
「……詳しく聞こうか」
「これが買収ですか……」
失敬な!
俺たちはゲスト出演だぞ。
しかも戦わなきゃならん。
出演料と手数料くらいもらってもばちは当たらんだろう。
「通貨は共通だったよな」
「あぁ、ルベルだな」
「で、今回ので得られる儲けの見込みは?」
「これくらいか?」
カイルさんが指を5本立てる。
薄々思ってたけどこの興行を牛耳ってるのこの人だな。
詳しすぎるだろ。
「……5000万ってとこか?」
「そのくらいになるだろうな」
「経費とかも差し引いてるんだよな」
「当然だ」
国家事業なだけあるな。
諸々差し引いて5000万か……。
確か、日本より少し物価が高いっていうのを差し引いてもえらい金額だ。
「カイルさんとしては、どのくらいが妥当だと思う?」
「そうだな。1000万くらいか?」
「嘘だろ!? それで!」
「即決ですか!?」
儲けの2割貰えるんだぞ?
十分すぎるだろ!
「いえ、リブレさんならもっと吹っ掛けると思ってました」
「よぎりはしたけどな。だけど、2人で500万ずつっていうのも既に貰いすぎな気がしないか?」
「それはそうなんですけど……」
「過ぎたるは猶及ばざるが如しってやつだな。欲張りすぎても怖いしな」
「よし、話は決まったな。じゃあ、行ってこい!」
俺とレイン、ライオン族の長殿はそれぞれ反対のゲートから闘技場の舞台(?)へと姿を現す。
オオォォォーー!!!
凄い歓声に包まれながら俺たちは中央へと進む。
「リブレさん、思ってたより堂々としてますね」
「そう、見えてるなら、頑張ってる、甲斐が、あるな」
「あ、頑張ってるんですね。声は震えてますし」
「レインは、普通、っぽいな」
「そりゃ僕はどこに出ても珍しがられてきましたから。流石に慣れますよ」
「……悪いな。慣れてないものにはきついだろう」
「そ、そんなこと、ないですし?」
「リブレさん……。虚勢張り切れてないですよ」
「しょ、しょうが、ないだろ。この会話さえ、聞こえづらい、くらい、なんだぞ」
「……無様な姿だけはさらすなよ」
長殿はそう言って俺たちと距離をとる。
「親愛なる国民よ! ここに決闘を行えることを俺は誇りに思う! 今回はランガルから客が来ている! 両者ともに確かな実力の持ち主だ! 存分に楽しんでいってほしい!」
カイルさんが上の方の偉い人席から声を響かせると、歓声が一層大きくなる。
「ふうぅぅーー……」
「落ち着きました?」
「落ち着いてはいるさ。いつも通り動けるためのおまじないみたいなもんかな」
深呼吸は緊張をほぐしたり、ストレス解消に効くっていうのが実証されてるらしいからな。
おまじないっていうのもちょっと違うか。
「両者、準備はよいか!」
長殿は5メートルほどある獅子へと姿を変えることで、俺は手をあげることでその返事に変える。
「其の意気や、よし! では、始め!」
俺とレイン、長殿はいっそう沸き立つ観客に囲まれて向き合うのだった。
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