210 / 566
レイン捜索作戦
理性は突然帰還する
しおりを挟む
「どういう意味です?」
「どういうってそのまんまだよ」
小首をかしげるレインに俺は説明する。
「レインを助けられた今、俺には戦う理由が無いんだよ」
レインがエルフとしてあのままあそこに残されているか、生贄になるという場合俺には戦う理由があった。
俺が戦うことでレインを守れたからだ。
しかし、レインを救出した今はレインごと逃げてしまえばいい。
俺にはエルフを守ろうなんて意識はないからな。
もちろん、王様たちは国を守るために戦うのだろうが、それも撤退を視野に入れているだろう。
つまり、俺は撤退を最優先にして良くなる。
「でも、レインが残るなら話は別だ」
何も俺も命を無駄にしたいわけじゃない。
だが、守りたい相手が最前線に出るって言ってる中逃げることは出来ないだろう。
まぁ、よっぽど勝ち目がなかったら強制的に逃げるけどな。
「そんなこと……」
「あぁ、すぐには決められないだろうな。だから3日間だけ待つよ。その間に決めてくれ。俺が戦闘に関わるにしろ関わらないにしろそこがリミットだ」
正直、これは嘘だ。
どうせマレイユさんとかに参謀だけはしろとか言われるんだろう。
それ自体を拒否するつもりはないが、まぁ、心構えの問題だな。
「……わかりました。考えておきます」
「あぁ、頼むよ」
「お話終わった?」
こちらの様子を伺っていたプリンセがキッチンから顔を出す。
俺たちがどうも大事な話をしているようだったので声をかけないようにしていたらしい。
偉い。
「あぁ、終わったよ」
「じゃあ、ご飯だね」
プリンセが自分よりも大きいサイズのお盆を頭の上に持ち上げながら料理を運んでくる。
そんなお盆あった?
てか量多くないですか?
「今日はレインさんが戻ってきたお祝いの日だから……。ちょっと作りすぎちゃった……。ダメ?」
「ダメじゃないよ!」
上目遣いやめて!
抗えないから!
「ありがとうございます、プリンセさん」
「むー……。敬語ダメだよ」
「あ、そっか。ありがとう、プリンセちゃん」
「ん」
どうやら俺がいない間に2人の仲はかなり良くなっていたらしい。
虎のケモ耳とその娘を撫でるエルフっ娘。
尊い。
食事後、ナチュラルにプリンセと一緒にお風呂に入ろうとしてたら怒られた。
「何してるんですか!」って。
確かに。
よく考えたらこれが普通なことがマジでおかしい。
何かレインが戻ってきていきなり現実に引き戻された感ある。
プリンセは不満そうだったが。
だがしかし、レインとプリンセが一緒に寝るだろうからどうしたもんかと3階の寝室を彷徨っていると、プリンセとレインが呼びに来た。
「何してるんですか?」
「いや、寝床の確保をと……」
「? 一緒に寝ればいい……」
それはありなの?
レインの顔を伺うが、そこに疑問を持ってる風ではない。
そういやこいつはそっちはありな人だった。
結局、俺、レイン、プリンセにオーシリアを加えた面子で同じベッドに寝転がる。
いや、寝れるかぁ!
今まで慣れてたけどレインにより理性が戻ってきた。
なんか寝れない。
オーシリアは睡眠に落ちようと思えば一瞬だし、プリンセも普通に寝てる。
こいつら神経図太すぎる。
「リブレさん、少しいいですか」
レインはと言うと、このタイミングを狙ってたらしい。
2人だけで話せるタイミングを探していたようだ。
「あぁ、少し話そうか」
「どういうってそのまんまだよ」
小首をかしげるレインに俺は説明する。
「レインを助けられた今、俺には戦う理由が無いんだよ」
レインがエルフとしてあのままあそこに残されているか、生贄になるという場合俺には戦う理由があった。
俺が戦うことでレインを守れたからだ。
しかし、レインを救出した今はレインごと逃げてしまえばいい。
俺にはエルフを守ろうなんて意識はないからな。
もちろん、王様たちは国を守るために戦うのだろうが、それも撤退を視野に入れているだろう。
つまり、俺は撤退を最優先にして良くなる。
「でも、レインが残るなら話は別だ」
何も俺も命を無駄にしたいわけじゃない。
だが、守りたい相手が最前線に出るって言ってる中逃げることは出来ないだろう。
まぁ、よっぽど勝ち目がなかったら強制的に逃げるけどな。
「そんなこと……」
「あぁ、すぐには決められないだろうな。だから3日間だけ待つよ。その間に決めてくれ。俺が戦闘に関わるにしろ関わらないにしろそこがリミットだ」
正直、これは嘘だ。
どうせマレイユさんとかに参謀だけはしろとか言われるんだろう。
それ自体を拒否するつもりはないが、まぁ、心構えの問題だな。
「……わかりました。考えておきます」
「あぁ、頼むよ」
「お話終わった?」
こちらの様子を伺っていたプリンセがキッチンから顔を出す。
俺たちがどうも大事な話をしているようだったので声をかけないようにしていたらしい。
偉い。
「あぁ、終わったよ」
「じゃあ、ご飯だね」
プリンセが自分よりも大きいサイズのお盆を頭の上に持ち上げながら料理を運んでくる。
そんなお盆あった?
てか量多くないですか?
「今日はレインさんが戻ってきたお祝いの日だから……。ちょっと作りすぎちゃった……。ダメ?」
「ダメじゃないよ!」
上目遣いやめて!
抗えないから!
「ありがとうございます、プリンセさん」
「むー……。敬語ダメだよ」
「あ、そっか。ありがとう、プリンセちゃん」
「ん」
どうやら俺がいない間に2人の仲はかなり良くなっていたらしい。
虎のケモ耳とその娘を撫でるエルフっ娘。
尊い。
食事後、ナチュラルにプリンセと一緒にお風呂に入ろうとしてたら怒られた。
「何してるんですか!」って。
確かに。
よく考えたらこれが普通なことがマジでおかしい。
何かレインが戻ってきていきなり現実に引き戻された感ある。
プリンセは不満そうだったが。
だがしかし、レインとプリンセが一緒に寝るだろうからどうしたもんかと3階の寝室を彷徨っていると、プリンセとレインが呼びに来た。
「何してるんですか?」
「いや、寝床の確保をと……」
「? 一緒に寝ればいい……」
それはありなの?
レインの顔を伺うが、そこに疑問を持ってる風ではない。
そういやこいつはそっちはありな人だった。
結局、俺、レイン、プリンセにオーシリアを加えた面子で同じベッドに寝転がる。
いや、寝れるかぁ!
今まで慣れてたけどレインにより理性が戻ってきた。
なんか寝れない。
オーシリアは睡眠に落ちようと思えば一瞬だし、プリンセも普通に寝てる。
こいつら神経図太すぎる。
「リブレさん、少しいいですか」
レインはと言うと、このタイミングを狙ってたらしい。
2人だけで話せるタイミングを探していたようだ。
「あぁ、少し話そうか」
1
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生幼女アイリスと虹の女神
紺野たくみ
ファンタジー
地球末期。パーソナルデータとなって仮想空間で暮らす人類を管理するAI、システム・イリスは、21世紀の女子高生アイドル『月宮アリス』及びニューヨークの営業ウーマン『イリス・マクギリス』としての前世の記憶を持っていた。地球が滅びた後、彼女は『虹の女神』に異世界転生へと誘われる。
エルレーン公国首都シ・イル・リリヤに豪商ラゼル家の一人娘として生まれたアイリスは虹の女神『スゥエ』のお気に入りで『先祖還り』と呼ばれる前世の記憶持ち。優しい父母、叔父エステリオ・アウル、妖精たちに守られている。
三歳の『魔力診』で保有魔力が規格外に大きいと判明。魔導師協会の長『漆黒の魔法使いカルナック』や『深緑のコマラパ』老師に見込まれる。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる