戦力より戦略。

haruhi8128

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レイン捜索作戦

理性は突然帰還する

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「どういう意味です?」
「どういうってそのまんまだよ」

小首をかしげるレインに俺は説明する。

「レインを助けられた今、俺には戦う理由が無いんだよ」

レインがエルフとしてあのままあそこに残されているか、生贄になるという場合俺には戦う理由があった。
俺が戦うことでレインを守れたからだ。
しかし、レインを救出した今はレインごと逃げてしまえばいい。
俺にはエルフを守ろうなんて意識はないからな。
もちろん、王様たちは国を守るために戦うのだろうが、それも撤退を視野に入れているだろう。
つまり、俺は撤退を最優先にして良くなる。

「でも、レインが残るなら話は別だ」

何も俺も命を無駄にしたいわけじゃない。
だが、守りたい相手が最前線に出るって言ってる中逃げることは出来ないだろう。
まぁ、よっぽど勝ち目がなかったら強制的に逃げるけどな。

「そんなこと……」
「あぁ、すぐには決められないだろうな。だから3日間だけ待つよ。その間に決めてくれ。俺が戦闘に関わるにしろ関わらないにしろそこがリミットだ」

正直、これは嘘だ。
どうせマレイユさんとかに参謀だけはしろとか言われるんだろう。
それ自体を拒否するつもりはないが、まぁ、心構えの問題だな。


「……わかりました。考えておきます」
「あぁ、頼むよ」
「お話終わった?」

こちらの様子を伺っていたプリンセがキッチンから顔を出す。
俺たちがどうも大事な話をしているようだったので声をかけないようにしていたらしい。
偉い。

「あぁ、終わったよ」
「じゃあ、ご飯だね」

プリンセが自分よりも大きいサイズのお盆を頭の上に持ち上げながら料理を運んでくる。
そんなお盆あった?
てか量多くないですか?

「今日はレインさんが戻ってきたお祝いの日だから……。ちょっと作りすぎちゃった……。ダメ?」
「ダメじゃないよ!」

上目遣いやめて!
抗えないから!

「ありがとうございます、プリンセさん」
「むー……。敬語ダメだよ」
「あ、そっか。ありがとう、プリンセちゃん」
「ん」

どうやら俺がいない間に2人の仲はかなり良くなっていたらしい。
虎のケモ耳とその娘を撫でるエルフっ娘。
尊い。


食事後、ナチュラルにプリンセと一緒にお風呂に入ろうとしてたら怒られた。
「何してるんですか!」って。
確かに。
よく考えたらこれが普通なことがマジでおかしい。
何かレインが戻ってきていきなり現実に引き戻された感ある。
プリンセは不満そうだったが。

だがしかし、レインとプリンセが一緒に寝るだろうからどうしたもんかと3階の寝室を彷徨っていると、プリンセとレインが呼びに来た。

「何してるんですか?」
「いや、寝床の確保をと……」
「? 一緒に寝ればいい……」

それはありなの?
レインの顔を伺うが、そこに疑問を持ってる風ではない。
そういやこいつはそっちはありな人だった。

結局、俺、レイン、プリンセにオーシリアを加えた面子で同じベッドに寝転がる。
いや、寝れるかぁ!
今まで慣れてたけどレインにより理性が戻ってきた。
なんか寝れない。
オーシリアは睡眠に落ちようと思えば一瞬だし、プリンセも普通に寝てる。
こいつら神経図太すぎる。

「リブレさん、少しいいですか」

レインはと言うと、このタイミングを狙ってたらしい。
2人だけで話せるタイミングを探していたようだ。

「あぁ、少し話そうか」
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