戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
上 下
165 / 566
レイン捜索作戦

俺的ニート論

しおりを挟む
結局鎧の上からローブ? マント? みたいなのを羽織ることになった。
金属の艶消しはどうかと考えたのだが、さすがに成分なんて知らないし、効果もよくわからないので却下。
プラモデルなんかでやる、いわゆる「汚し」も考えたが、プラモデルはそもそもプラスチックなのであり、金属でやるとか少なくとも俺にはできないので却下。

「まぁ、要するに目立たなけりゃいいんだからな。これでいいってことにしよう」

というかこれ以上どうしようもない。
誰なんだよこの西洋感あふれる世界でこんな某赤と黄色が大好きな国の衣装みたいなのを作ったやつは。
ここで埃被っていたところから察するに誰にもウケなかったんだろうな。


「リブレさん、隠しちゃうの? 折角かっこよかったのに……」
「そうじゃぞ、主。なんというか、こう……、今にも『俺は〇〇の化身!』とか言い出しそうじゃったぞ」
「だいぶこじらせてる中二病じゃねーか! ってか化身はお前だろうが!」

杖の化身ほんものがなに言ってやがる。
このローブが邪魔にならないかと言えば邪魔にはなるのだが、中二病ふめいよな姿を見られるよりは幾分かましだろう。


「まぁ、オーシリアはそのままでいいから装備はこれでいいとしてもだ。問題は決行をいつにするかだな」
「そうだね。ハンネ君に調べてもらうことも考えるとあまり遅くなってもいけないとは思うけど」
「確かにな。そういえば、潜入は夜でいいよな?」
「そうなるだろうね。どこから行くにしてもわざわざ姿が見えやすい日中に行くのはおかしいからね」

となると明かりも必要か……。

「よし、じゃあ明日の夜でどうだ? それまでに明かりも確保しておこう」
「了解したよ。明かりはエルメさんに頼めばどうにかなるんじゃないかな?」
「? ハンネではないのか?」
「まぁ、見ればわかると思うよ」


鎧をもって歩くのも面倒なので着たまま謁見の間に戻るが、軽鎧と言っても10キロ程度はあるので、自分の歩みが遅くなっているのがわかる。
というか俺の体重が確か60キロくらいだったから自分の6分の1の重りを持ってるんだ。
普通通りに動けるわけがないか。

「もし太ったらこんな重りをつけて毎日を過ごすわけか……。俺には無理だな……」

俺は自分で言うのもなんだが、健康的な自宅警備員ニートだった。
まぁ、食生活などがどうだったかと言われれば不健康だったのだが、運動はしっかりとしていたのだ。
俺の中で、ニートとは自分が快適に生きるために全力を尽くすものだと思っている。
例えば、ゲームをするのはそれをしている時間が何よりも楽しいからである。
そのためにはどんな労力もいとわない。

その結果俺はあの生活を続けるためには健康であることが大前提であるという結論に達し、体も太らない程度には鍛えていたのである。
その甲斐あって太らず、もやしにならずな体になっている。

「はぁ、ふぅ……」

しかし別に自分が最低限必要な筋肉しか付けていなかったため、こっちに来てからというもの苦労しかなく、今も階段に疲弊しているわけである。

「決めた……。俺絶対もっと体鍛える……」

今言ってても2日後くらいには「やっぱいいや」ってなるんだけどな!

しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

転生調理令嬢は諦めることを知らない

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。  主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。  追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。  2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

処理中です...