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魔界迷走
街頭調査って実は重労働だよね
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「すみませーん、ちょっとお聞きしたいんですけどー…」
「あ、ちょっと急いでるんで…」
「あ、ごめんなさい…」
基本的にニート生活を送ってきた俺は断られると「そこをなんとか…!」とか「ちょっとだけなんで…!」とか押すことはできないんだ。コミュ障となり果てた俺の悲しい現実である。
「あ、ちょっといいですかー」
「すみません無理でーす」
「あ、生まれてきてごめんなさい…」
っておーい!断り方がひどくね!?なんか一瞬生まれてきたことまで懺悔しちゃったんだけども!?「無理で
す」はダメでしょ!
街頭調査の人たちはこんな苦行をこなして調査してたのかなぁ…。俺には絶対に無理だ。雇って貰えても2日目には精神病んでニートに戻るだけだ。
「すみません、道をお尋ねしたいんですけど…」
「ごめんなさい、急いでますんで…」
そう言って、ゆーっくりと歩いていくお母様。
絶対急いでないじゃん!面倒だっただけじゃん!
もう無理だ。人間不信だ。こんなにも世間は困った人に手を差し伸べてはくれないのか…。
とぼとぼと路地へ歩いていき、これからのことを考える。
「そもそも話が聞けないとはなぁ…」
「ほんとに見ていて可哀想だったよー。なんて言うのかなー。一人の人間が人に不親切にされ続けたらこうなるっていうドキュメンタリーを見ている気分だったよー」
ドキュメンタリーっていう文化あるんだ…。っていうか実際に見てたわけだからドキュメンタリーですらないけどな?
「最後にあのでかい寺だけ行ってみよう。そうしよう」
で、すげなくあしらわれてこの街とはおさらばってことで。
「あのー、少しお伺いしたいんですが…」
「おぉ、よく来なさったな。大したお構いも出来ませんで恐縮じゃが、どうぞあがってゆっくりしていってくだされ」
物腰の低いお婆さんがスルッと入れてくれた。
入れるんかい!めちゃくちゃ帰る心の準備してたんだけど!
「して、お客様はここの住人ではないようじゃが、今回はどういった用件でここへ?」
「えーと、俺、いや私はここから遠くの集落から来たんですけど、異世界人というのに興味がありまして…」
「ほほ、ご冗談を。ここの住人ではないのじゃろう?」
「わかるのか!?」
「昔にもお一人お会いしたことがありましてな。その時もお客様のように肌を偽装されておったのでな」
偽装がばれてる…。
ということは多分…。
「お姉さんも見つかってるよねー」
リオンが偽装を解いてでてくる。
「大変失礼いたしました。わけあって姿を隠していたこと、ご容赦ください」
「ほほ。よろしいですよ。そちらの事情もわかっておるつもりじゃから」
「感謝致します」
すげ。この婆さん只者じゃないな。
てかリオン!ちゃんとしゃべれるじゃん!ずっとそっちでいてくれよ…。
「済まない。ちょっと事情がわからないから聞いておきたい。あんたは何者なんだ?」
「おぉ、申し遅れましたな。私はジャメと申します。昔のことになりますが、先代の魔王様のもとで仕えていたことも御座いました」
「あ、ちょっと急いでるんで…」
「あ、ごめんなさい…」
基本的にニート生活を送ってきた俺は断られると「そこをなんとか…!」とか「ちょっとだけなんで…!」とか押すことはできないんだ。コミュ障となり果てた俺の悲しい現実である。
「あ、ちょっといいですかー」
「すみません無理でーす」
「あ、生まれてきてごめんなさい…」
っておーい!断り方がひどくね!?なんか一瞬生まれてきたことまで懺悔しちゃったんだけども!?「無理で
す」はダメでしょ!
街頭調査の人たちはこんな苦行をこなして調査してたのかなぁ…。俺には絶対に無理だ。雇って貰えても2日目には精神病んでニートに戻るだけだ。
「すみません、道をお尋ねしたいんですけど…」
「ごめんなさい、急いでますんで…」
そう言って、ゆーっくりと歩いていくお母様。
絶対急いでないじゃん!面倒だっただけじゃん!
もう無理だ。人間不信だ。こんなにも世間は困った人に手を差し伸べてはくれないのか…。
とぼとぼと路地へ歩いていき、これからのことを考える。
「そもそも話が聞けないとはなぁ…」
「ほんとに見ていて可哀想だったよー。なんて言うのかなー。一人の人間が人に不親切にされ続けたらこうなるっていうドキュメンタリーを見ている気分だったよー」
ドキュメンタリーっていう文化あるんだ…。っていうか実際に見てたわけだからドキュメンタリーですらないけどな?
「最後にあのでかい寺だけ行ってみよう。そうしよう」
で、すげなくあしらわれてこの街とはおさらばってことで。
「あのー、少しお伺いしたいんですが…」
「おぉ、よく来なさったな。大したお構いも出来ませんで恐縮じゃが、どうぞあがってゆっくりしていってくだされ」
物腰の低いお婆さんがスルッと入れてくれた。
入れるんかい!めちゃくちゃ帰る心の準備してたんだけど!
「して、お客様はここの住人ではないようじゃが、今回はどういった用件でここへ?」
「えーと、俺、いや私はここから遠くの集落から来たんですけど、異世界人というのに興味がありまして…」
「ほほ、ご冗談を。ここの住人ではないのじゃろう?」
「わかるのか!?」
「昔にもお一人お会いしたことがありましてな。その時もお客様のように肌を偽装されておったのでな」
偽装がばれてる…。
ということは多分…。
「お姉さんも見つかってるよねー」
リオンが偽装を解いてでてくる。
「大変失礼いたしました。わけあって姿を隠していたこと、ご容赦ください」
「ほほ。よろしいですよ。そちらの事情もわかっておるつもりじゃから」
「感謝致します」
すげ。この婆さん只者じゃないな。
てかリオン!ちゃんとしゃべれるじゃん!ずっとそっちでいてくれよ…。
「済まない。ちょっと事情がわからないから聞いておきたい。あんたは何者なんだ?」
「おぉ、申し遅れましたな。私はジャメと申します。昔のことになりますが、先代の魔王様のもとで仕えていたことも御座いました」
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