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魔界迷走
餅は何で食べる派が多いんだろうか
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「これ本気で戻れなかったらどうすりゃいいんだろ…」
拝啓どなたか。今、倉庫で迷ってます。
「あ、そういやレベル17になった時になんか新しいの覚えてたな」
全く気にする暇なかったから忘れてたわ。
「でもそう簡単に迷子から抜け出す方法なんてないもんなー」
迷子というのは実はかなり面倒なものである。ショッピングモールで一度親と離れたら最後、よほどの幸運が無い限り自力で親ともう一度合流するのは至難の業である。
ほんとに。けっこううろちょろしてたから何度も迷っては怒られたものだ。今回は怒られるようなことがない代わりに、見つけてもらうということや迷子放送のお助けもないのでシンプルに命の危機である。
「お」
スルー・アイ。対象物を無視して内部構造を把握する魔法…。横に[ユ]って書いてるけど、これなんだ?
というかこんな魔法が存在してていいのか?覗き放題じゃねーか。しかもなになに?熟練度を上げると効果の反映される対象物が増えるだって?けしからんな。こっそり練習してその実態を確かめる必要がありそうだな!
そう心に決めて、なにはともあれとりあえず発動してみる。
「スルー・アイ」
なるほど。熟練度が低いから棚一個分しか見通せないな。
ぐるーっと周りを見渡すと、運のいいことに台車の位置と杵と臼があった位置がわかった。
まぁ道順はわかんないから台車を回収して杵と臼があったとこに戻るまでかなりの時間くったけどな。
「えっと、確かこっちで…」
杵と臼を発見したところまでの道のりは覚えてたので、台車をよろよろ押しながら進む。
「出れた…」
危なかった。折角あんなとこから落ちて生き延びたのにいらん死に方するところだった。
「おー、早かったねぇー」
「そうか?」
2時間くらいは迷ってた印象なんだが。
「お姉さんが入ったら4時間は出てこれないからねー」
いや、持ち主!迷いすぎだろ!しかも『4時間は』ってことはそこが最低ラインだろ?最大で何時間出てこれなかったんだよ…。
もち米はとっくの昔に炊けていたが、リオンが作ってくれたご飯をいただく。
「うん、おいしい…」
おいしいんだ。それは間違いない。だが、一つ欠点をあげるとすれば、一つの食材を使ったものしかないということだ。例えば、野菜炒めらしきものは玉葱炒めであり、みそ汁にはネギが浮かんでいるのみである。むしろみそがあったことは驚きである。
しかし!これだけでは味気ないものである。どうにかしてご飯はもっとバリエーションに富んだ素晴らしいものだということを広めていかねば。
そう心に決めた俺はさしあたって餅をつく。
臼にもち米を入れ、杵でこねていく。
これ一人でやると、かなり重労働だな…。
ちなみにリオンはご飯をモグモグ食べながらこっちを見ている。
べちゃっ。べたっ。
一人で2回ほどついて自分でひっくり返してを繰り返してこねていく。
あーこの作業懐かしいなぁ。
「出来た…!」
渾身の作品だ。さて、これをどうしよう。砂糖醤油でいただくか…。あ、そもそもあんことかきなことかなかったわ。
ゴゴォン!!
「なんだ!?」
表に回ってみると家の周りのバリアみたいなのに矢が刺さっている。
「そこにいるのはわかっている!諦めてでてこい!」
なに?なにがばれたの?餅作ってるのが悪かった?
「お姉さんを追ってきた人たちだねー」
あ、やっぱそんなわけなかったわ。てか追われてるヒトだったのか。
そんなことより、
「俺の餅タイムを邪魔しやがって…!」
拝啓どなたか。今、倉庫で迷ってます。
「あ、そういやレベル17になった時になんか新しいの覚えてたな」
全く気にする暇なかったから忘れてたわ。
「でもそう簡単に迷子から抜け出す方法なんてないもんなー」
迷子というのは実はかなり面倒なものである。ショッピングモールで一度親と離れたら最後、よほどの幸運が無い限り自力で親ともう一度合流するのは至難の業である。
ほんとに。けっこううろちょろしてたから何度も迷っては怒られたものだ。今回は怒られるようなことがない代わりに、見つけてもらうということや迷子放送のお助けもないのでシンプルに命の危機である。
「お」
スルー・アイ。対象物を無視して内部構造を把握する魔法…。横に[ユ]って書いてるけど、これなんだ?
というかこんな魔法が存在してていいのか?覗き放題じゃねーか。しかもなになに?熟練度を上げると効果の反映される対象物が増えるだって?けしからんな。こっそり練習してその実態を確かめる必要がありそうだな!
そう心に決めて、なにはともあれとりあえず発動してみる。
「スルー・アイ」
なるほど。熟練度が低いから棚一個分しか見通せないな。
ぐるーっと周りを見渡すと、運のいいことに台車の位置と杵と臼があった位置がわかった。
まぁ道順はわかんないから台車を回収して杵と臼があったとこに戻るまでかなりの時間くったけどな。
「えっと、確かこっちで…」
杵と臼を発見したところまでの道のりは覚えてたので、台車をよろよろ押しながら進む。
「出れた…」
危なかった。折角あんなとこから落ちて生き延びたのにいらん死に方するところだった。
「おー、早かったねぇー」
「そうか?」
2時間くらいは迷ってた印象なんだが。
「お姉さんが入ったら4時間は出てこれないからねー」
いや、持ち主!迷いすぎだろ!しかも『4時間は』ってことはそこが最低ラインだろ?最大で何時間出てこれなかったんだよ…。
もち米はとっくの昔に炊けていたが、リオンが作ってくれたご飯をいただく。
「うん、おいしい…」
おいしいんだ。それは間違いない。だが、一つ欠点をあげるとすれば、一つの食材を使ったものしかないということだ。例えば、野菜炒めらしきものは玉葱炒めであり、みそ汁にはネギが浮かんでいるのみである。むしろみそがあったことは驚きである。
しかし!これだけでは味気ないものである。どうにかしてご飯はもっとバリエーションに富んだ素晴らしいものだということを広めていかねば。
そう心に決めた俺はさしあたって餅をつく。
臼にもち米を入れ、杵でこねていく。
これ一人でやると、かなり重労働だな…。
ちなみにリオンはご飯をモグモグ食べながらこっちを見ている。
べちゃっ。べたっ。
一人で2回ほどついて自分でひっくり返してを繰り返してこねていく。
あーこの作業懐かしいなぁ。
「出来た…!」
渾身の作品だ。さて、これをどうしよう。砂糖醤油でいただくか…。あ、そもそもあんことかきなことかなかったわ。
ゴゴォン!!
「なんだ!?」
表に回ってみると家の周りのバリアみたいなのに矢が刺さっている。
「そこにいるのはわかっている!諦めてでてこい!」
なに?なにがばれたの?餅作ってるのが悪かった?
「お姉さんを追ってきた人たちだねー」
あ、やっぱそんなわけなかったわ。てか追われてるヒトだったのか。
そんなことより、
「俺の餅タイムを邪魔しやがって…!」
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