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魔界迷走
もち米をつこうと思った人は天才だよね
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「この辺り全部に影響でてんの!?」
「そうだよー。そのくらいしないと生きていけるだけの食料が確保できないしねー」
一人暮らしには十分すぎる気がするけど。
「お!」
米がある!さすが和式住宅!
「食料はここからすべて賄ってるのか?」
「そうだよー?お肉はあんまり食べれないけど、川をひいてきたからお魚が食べられるし、困ることはないからねー」
いや、一人で川をひいたの?なんでこの世界で会うヒト会うヒト全員おかしいやつしかいないの?
「お、もち米もある」
乱雑に植えられてるけど、これって…。
「なぁ、これって二種類が混ざってるの知ってる?」
「えー?おんなじじゃないのー?」
なんてことを!うるち米ともち米では炊く際のベストな水の量が違ってくる!敢えて混ぜて炊いたりすることもあるようだが、俺は断然別々がいいと思う。
「ご飯あったりする?」
考えてたらお腹すいてきた。
「あるよー。お姉さんが腕によりをかけて作っちゃう」
ありがたい。そういえばだいぶなにも食べてないな。レインの料理が懐かしい…。まだ落ちてきて一日と経っていないが、元気にしているだろうか。
リオンがご飯を作ってくれてる間に俺はもち米だけを選別して、炊く作業に入る。
聞けば、米は単純に炊いたことしかないらしく、餅というものを知らないらしいのだ。これはいけない。あの素晴らしき食べ物を広めなければ! そう思って始めた作業だったのだが、
「あ、杵と臼がない」
もち米が炊けても杵と臼がなければつくことができず、餅は完成しない。
「どうしよう…」
「なになにー?なんか困ったことあったー?」
リオンが俺がおろおろしてるのに気づいて声をかけてきた。
「ご飯はできたのか?」
「ううん。今火を通してる真っ最中だよ?」
いや、火を扱ってる時に離れるなよ!ここ木造住宅だぞ!一発燃え移ったら全焼までいってしまうわ!
「大丈夫だよー。見てくれてるのがいるし。で、どうしたのー?」
あれ?一人暮らしって言ってなかったっけ。
「えっとな、この家になんかでかい器みたいなのと木の棒みたいなやつないか?」
「んー。知らないなぁ。倉庫に行ったらなにかあるかもだけど…」
あのちょっと離れてる小屋だな。
「了解。ちょっと探してみる」
「迷子にならないでねー?」
どういうことだ?
「あぁ、こういうことか…」
小屋に入ってみると、リオンが言っていた意味がわかった。外観での大きさと中の広さが全く違うのだ。わかりやすく言えば四次元ポケット状態だった。
外からだと普通の小屋なのに、中に入ると運送業者の倉庫かな?ってくらいには広かった。
確かにこれはミスったら迷うな…。
迷った。
ちゃんと道を覚えながら来ていたのだが、杵と臼を発見して狂喜乱舞し、運ぶための台車的なのを探しているうちに迷ってしまったのだ。
我ながらアホである。
「倉庫で餓死とか笑えないぞ…」
「そうだよー。そのくらいしないと生きていけるだけの食料が確保できないしねー」
一人暮らしには十分すぎる気がするけど。
「お!」
米がある!さすが和式住宅!
「食料はここからすべて賄ってるのか?」
「そうだよー?お肉はあんまり食べれないけど、川をひいてきたからお魚が食べられるし、困ることはないからねー」
いや、一人で川をひいたの?なんでこの世界で会うヒト会うヒト全員おかしいやつしかいないの?
「お、もち米もある」
乱雑に植えられてるけど、これって…。
「なぁ、これって二種類が混ざってるの知ってる?」
「えー?おんなじじゃないのー?」
なんてことを!うるち米ともち米では炊く際のベストな水の量が違ってくる!敢えて混ぜて炊いたりすることもあるようだが、俺は断然別々がいいと思う。
「ご飯あったりする?」
考えてたらお腹すいてきた。
「あるよー。お姉さんが腕によりをかけて作っちゃう」
ありがたい。そういえばだいぶなにも食べてないな。レインの料理が懐かしい…。まだ落ちてきて一日と経っていないが、元気にしているだろうか。
リオンがご飯を作ってくれてる間に俺はもち米だけを選別して、炊く作業に入る。
聞けば、米は単純に炊いたことしかないらしく、餅というものを知らないらしいのだ。これはいけない。あの素晴らしき食べ物を広めなければ! そう思って始めた作業だったのだが、
「あ、杵と臼がない」
もち米が炊けても杵と臼がなければつくことができず、餅は完成しない。
「どうしよう…」
「なになにー?なんか困ったことあったー?」
リオンが俺がおろおろしてるのに気づいて声をかけてきた。
「ご飯はできたのか?」
「ううん。今火を通してる真っ最中だよ?」
いや、火を扱ってる時に離れるなよ!ここ木造住宅だぞ!一発燃え移ったら全焼までいってしまうわ!
「大丈夫だよー。見てくれてるのがいるし。で、どうしたのー?」
あれ?一人暮らしって言ってなかったっけ。
「えっとな、この家になんかでかい器みたいなのと木の棒みたいなやつないか?」
「んー。知らないなぁ。倉庫に行ったらなにかあるかもだけど…」
あのちょっと離れてる小屋だな。
「了解。ちょっと探してみる」
「迷子にならないでねー?」
どういうことだ?
「あぁ、こういうことか…」
小屋に入ってみると、リオンが言っていた意味がわかった。外観での大きさと中の広さが全く違うのだ。わかりやすく言えば四次元ポケット状態だった。
外からだと普通の小屋なのに、中に入ると運送業者の倉庫かな?ってくらいには広かった。
確かにこれはミスったら迷うな…。
迷った。
ちゃんと道を覚えながら来ていたのだが、杵と臼を発見して狂喜乱舞し、運ぶための台車的なのを探しているうちに迷ってしまったのだ。
我ながらアホである。
「倉庫で餓死とか笑えないぞ…」
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