57 / 566
国家戦争
自室って何個もあってうれしいのかな?
しおりを挟む
「おぉ……」
さすがに中心にした位置はここから見えない位置だったとはいえ、マレイユさんのMPを利用した魔法なだけあって霧自体はここからでも見える位置まで拡がっている。
「お疲れさまだ、レイン、っておぉ!?」
振り向きざまにレインを労おうと思ったら、レインが倒れかかっている!?
「危ねぇ!!」
身体を滑り込ませてぎりぎり倒れる前にキャッチすることに成功する。
「ぁ……、リブレさん。すみません。ちょっとばてちゃったみたいで……」
「気にするな。一番いい仕事をしてくれた。あとは俺に任せてゆっくり休め」
「そうさせて……もらいます……」
あ、寝た。
気絶か?
「キラ、とりあえずこいつをどっかで休ませてきてくれるか? お前なら安心だし、たぶん一番早いからな」
てかレインの寝息に擬音語つけるとしたらこれ「スピー」だな。
漫画とかでよくみる謎の擬音語という認識だったが、初めて生でお目にかかった。
「了解。じゃ、いってくるよ」
キラがレインをすっと抱えて、揺らして起こさないように気を付けながらすいすい歩いていく。
「キラ、わたくしの部屋のベッドを使いなさい。どれを使っても構いません」
「御意」
ルーリアが自室のベッドを貸してくれるようだ。
良かった。
レインのことを心配する必要はなさそうだ。
王家の部屋に入る奴なんていないだろ。
……。
だめだ!
流せない!
「おい! ルーリア! お前の部屋にはベッドが何個もあるのか!?」
「いえ? ありませんよ?」
「え? でもさっきどれを使っても構わないって……」
「あぁ、そのことでしたらあるのはベッドではなく部屋ですわ。わたくしの自室は複数ありまして、それぞれの部屋にはベッドは1つしかありませんよ?」
いやそこじゃねーよ!
なに?
自室を複数持ってるっていうのは普通なわけ?
それとも王家クオリティ?
レインの家が無駄に広かったのもそういうこと?
誰か!
この問題を解決してくれるやつはいないのか!?
エルランドとマレイユさんは論外だし、ケインはさっき「暇だから稽古でもしてくるか!」とか言ってどっか行ったし。
これからなんかあるかもだからやめとけって言ったのに聞かずに。
残るはハンネしかいない!
「あんた今あたしを一番後回しにしたよね?」
「め、滅相もございませんよ?」
焦りすぎて生まれて初めて滅相もないっていう単語使ったわ。
「あたしは普通の人間だからな? ちょっと好奇心旺盛なだけで」
いやその好奇心が化け物なんだって!
「ってことはあれはおかしいのか?」
「当たり前だろ? なんで自室が何個もいるんだよ。普通に考えたら1つをもっとでかくすればいいでしょ。すでにあのでかさだけど。なんの利用用途があるのかわかったもんじゃない」
そりゃそうか。
ということはレインの家は単純に設計が頭おかしかったってことになるな。
なにしてんだか。
「で、これからどうするのじゃ?」
王様が聞いてくるので、とりあえずの目標を伝える。
「時間が稼げてるうちにルーリアの能力の使いどころを考えておきたい」
さすがに中心にした位置はここから見えない位置だったとはいえ、マレイユさんのMPを利用した魔法なだけあって霧自体はここからでも見える位置まで拡がっている。
「お疲れさまだ、レイン、っておぉ!?」
振り向きざまにレインを労おうと思ったら、レインが倒れかかっている!?
「危ねぇ!!」
身体を滑り込ませてぎりぎり倒れる前にキャッチすることに成功する。
「ぁ……、リブレさん。すみません。ちょっとばてちゃったみたいで……」
「気にするな。一番いい仕事をしてくれた。あとは俺に任せてゆっくり休め」
「そうさせて……もらいます……」
あ、寝た。
気絶か?
「キラ、とりあえずこいつをどっかで休ませてきてくれるか? お前なら安心だし、たぶん一番早いからな」
てかレインの寝息に擬音語つけるとしたらこれ「スピー」だな。
漫画とかでよくみる謎の擬音語という認識だったが、初めて生でお目にかかった。
「了解。じゃ、いってくるよ」
キラがレインをすっと抱えて、揺らして起こさないように気を付けながらすいすい歩いていく。
「キラ、わたくしの部屋のベッドを使いなさい。どれを使っても構いません」
「御意」
ルーリアが自室のベッドを貸してくれるようだ。
良かった。
レインのことを心配する必要はなさそうだ。
王家の部屋に入る奴なんていないだろ。
……。
だめだ!
流せない!
「おい! ルーリア! お前の部屋にはベッドが何個もあるのか!?」
「いえ? ありませんよ?」
「え? でもさっきどれを使っても構わないって……」
「あぁ、そのことでしたらあるのはベッドではなく部屋ですわ。わたくしの自室は複数ありまして、それぞれの部屋にはベッドは1つしかありませんよ?」
いやそこじゃねーよ!
なに?
自室を複数持ってるっていうのは普通なわけ?
それとも王家クオリティ?
レインの家が無駄に広かったのもそういうこと?
誰か!
この問題を解決してくれるやつはいないのか!?
エルランドとマレイユさんは論外だし、ケインはさっき「暇だから稽古でもしてくるか!」とか言ってどっか行ったし。
これからなんかあるかもだからやめとけって言ったのに聞かずに。
残るはハンネしかいない!
「あんた今あたしを一番後回しにしたよね?」
「め、滅相もございませんよ?」
焦りすぎて生まれて初めて滅相もないっていう単語使ったわ。
「あたしは普通の人間だからな? ちょっと好奇心旺盛なだけで」
いやその好奇心が化け物なんだって!
「ってことはあれはおかしいのか?」
「当たり前だろ? なんで自室が何個もいるんだよ。普通に考えたら1つをもっとでかくすればいいでしょ。すでにあのでかさだけど。なんの利用用途があるのかわかったもんじゃない」
そりゃそうか。
ということはレインの家は単純に設計が頭おかしかったってことになるな。
なにしてんだか。
「で、これからどうするのじゃ?」
王様が聞いてくるので、とりあえずの目標を伝える。
「時間が稼げてるうちにルーリアの能力の使いどころを考えておきたい」
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる