戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
上 下
54 / 566
国家戦争

数によるごり押しって強力だよね

しおりを挟む
「これは、本気か?」
「うん、そうだったと思う」

プリンセが言ってくれた情報をもとに地図に戦力を出してみる。

「ほんとにこんな形でくるのか……」

その情報というのは、ライオンやチーターなどの肉食獣の部隊が砂漠を横切って一直線に攻めてくるというものだった。
しかし、その作戦の無謀さを打ち消すかのような数!
ライオン、チーター、ヒョウ、鷹、熊族のそれぞれ500名程度が襲ってくるらしい。

さしあたって、

「鷹族って飛べるの?」
「うん。わたしたちと同じように変身して飛べるよ」
「そうか」

そうだった。


「鳥って手足はどうなってんの?」
「? 爪、みたいなのがあるとおもう」

あー。
かぎ爪か。
ん?
ってことはだ。

「プリンセ。手を見せてくれ」
「え? はい」

おぉ!

「肉球だ!」

おぉ……。
ぷにぷにしてる……。

「くすぐったいよー」

なぜ!?
なぜこの事実にもっと早く気が付かなかったのか!?

「リブレさん、怖いですよ……」

はっ!
危ない。
理性が……。


「して、この状況をどう打開していくかじゃが……」

無理やり王様が話を戻す。

「なにか策はあるのか?」
「いやー、戦争の話を聞いてから考えてたことはあるんだけどなー」
「ほう? 素晴らしいではないか」
「でもさー、この作戦はだめだな多分。また新しいの考えるしかないな」

多分多大な犠牲が出るし。


「報告します!」

近衛兵のような方が走りこんでくる。
あー、こういう時って大抵……。

「偵察隊が敵国の動き出しを確認! これより出兵し、こちらへ攻めてくる模様!」

そういうことなんだよなー。


「リブレ、四の五の言ってる場合ではなくなったぞ! すぐにその作戦とやらを皆に共有せい!」
「そうするしかなさそうだな…」

早くしないとほんとに犠牲が出そうだし。


「王様、あんたの二つ名ダブルは確か、【水王】だったよな」
「そうじゃが?」
「なら水の扱いに長けてるっていう認識でいいんだよな。更にルーリアの親なくらいだから魔力量はそうとうなもんだよな?」
「その通り!」

エルランドが胸を張る。


「じゃあ、広範囲に霧を張ることってできるか?」

作戦の根幹となる部分を聞いてみる。

「あー、そういうこととなるとのぉ……」

ん?
歯切れが悪いな……。

「たぶん無理なんじゃないかのぉ……」

なんでだよ!
【水王】だろ!?
水くらい自由に操って見せろよ!!

「役立たずか!」
「わしは細かい魔力のコントロールが苦手なんじゃよ!」

役に立たねーな!


「あのー」
「レイン?」
「多分僕なら霧作れると思いますけど……」

おぉ。
救世主が!

「どこに作るんですか?」
「えっとな、あの砂漠の上」
「馬鹿じゃないんですか!? あんな日照りが凄いところに霧!? できるわけないじゃないですか!!」

そこは魔力で……。

「圧倒的に足りません!!」

あー。
いきなりこの作戦頓挫したな。

しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう
ファンタジー
 小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。  しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。  士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。  領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。 異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル! ☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

処理中です...