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国家戦争
国力って結局なんの和なんだろうね
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「攻めてきたぁ!?」
どういうことだ?
「キラさん、リブレさんはこの国のことほとんど知りませんし、ちゃんと説明しないと……」
「あ、そうか。僕も相当動転してるみたいだね」
走りながら事情を聞く。
「この国は元々、小国と言われる程度の大きさだ。隣国からいつ侵略されてもおかしくないような状況だったんだ。そのころ先代が崩御されてね」
あ、この世界では王族に使うのか。
「そして現国王であるエルランド様が即位なされたわけなんだけど……」
「ちなみにその時何歳?」
「18とか聞いた気がするよ」
俺と1歳しか変わんないじゃん!
俺こんな感じで17歳だぞ!
「そのときの立ち回りがそれはもう凄かったらしくてね。自分が先陣に立ちはしなかったものの軍を引き連れて各方面を走り回り、各戦場で順々に敵を撃破していったんだ」
あのおっさんやっぱりすごいやつだったのか。
「こちらもかなり苦しい状況だったらしいけど、それは向こうも同じらしくてね。休戦協定を結ぶことができたんだ」
休戦かー。
向こうでもあったなー、国家間の休戦協定。
あれどうなったんだろ。
「で? なんで今になってまた攻めてきたんだ?」
「たぶん王が年を召されるのを待っていたんだと思うよ。彼らは僕らと西の砂漠を通して隣り合っているんだけど、資源が乏しいんだよ。その点僕らは森も草原もあるしね。規模もそれほど大きくない国だし……」
「侵略にもってこいってことか……」
「その通り」
「だったらよっぽど資源が困窮しているんだろうな」
「どうしてそう思うんだい?」
「だってさ、前は王様一人を恐れて停戦したんだろ? なら王様が亡くなった後にこちらを襲うのが理想的だ。恐れる対象がいなくなったんだから。でも今わざわざ攻めてきてる。年老いたっていってもあのおっさんはまだまだ戦えるだろ。困窮してないなら今仕掛ける必要がない。まぁ、世代が変わって恐れが薄れたってのもあるかもだけどな」
そこまで一気にまくしたてると、二人はポカンとした顔をしている。
「おい、どうした」
「リブレさんってこういう話題になると急に頭良くなりますよね」
「いつもぼんやりしてるのにね」
なんで二人してディスってきてんの!?
「ともかくだ。そういう裏事情があると推測されるからにはこちらは全力で迎え撃たなくちゃいけない」
「どうしてだい?」
「今まで我慢してきた侵略を決断したってことは、もう後には引けないほど追い詰められてるってことだ。つまり、負けたら確実に未来はない。よって、彼らはすべてを投げうってでもこちらを潰しにかかるだろうからな」
「なるほど。じゃあその話をもう一回みんなにしてくれるかな?」
そう言ってキラが謁見の間の扉を開く。
中には王様やルーリアを含め、この国の重鎮が一堂に会しているようだ。
初めて見るお后様までいる。
「ひぃっ!?やだやだやだやだ!お前がやれよキラ!」
俺は!
引きこもりの!
ニートなの!
大勢の前に!
出たくないの!
「僕は他の人の手柄をとるのは好きじゃないんだ」
爽やかな笑顔でキラが言う。
前も聞いたけど!
手柄とか思わないから!
結局俺が説明することになった。
「……。以上が俺がキラから聞いて考えた現状です」
王様やルーリア、ハンネやヤリガなど、俺のことを知っている人達は納得して、現状を厳しいものと捉えてるようだった。
しかし、周りは……。
「は! その程度余裕であろう! こちらにはエルランド王がいらっしゃるのだ! 万に一つも負けはない!」
「そうだ! そもそもその男の素性はわからぬではないか!」
「こちらの不安を煽って、国内を混乱させようという魂胆だろう!」
あ! お前エルドラ! なんで俺のこと知ってるのにそんなこと言うんだ!?
慌ててそっちをみるとこいつの表層感情は{色欲}だった。
あぁ、レイン目的か……。
レインはその視線に気づいて嫌悪感で固まってしまっている。
「このスパイを牢屋にぶち込め!」
はっ!
いらんこと考えてる間に事態が悪いほう悪いほうにいってる!
「こ、これ待たんか! そやつは先の石の件について功労のあった者じゃぞ! 見た目こそ怪しいが、我が国はその者に恩があるのじゃ!」
「国王ともあろうものが何をおっしゃいます。その件はキラの迅速な対応により解決をみたはず! このような輩が関わっていたなど、どこの記録にもありませぬ!」
俺が記録に残さないでって言ったからだねそれ!
こんな形で裏目にでるとは!
「とにかく、我々が信を置けぬ者の言葉を鵜呑みにしてもらっては我々の立つ瀬もない!」
「王が客人と言うのであれば出来る限りの配慮は致しますが、スパイの可能性のある者を我々としても野放しにしておくわけにはいかないのですよ」
「衛兵! 連れていけ! くれぐれも扱いは丁寧にな」
そこへの配慮よりまず牢にいれないで欲しいんだけど!?
そして俺とレインは二人仲良く牢屋に入れられましたとさ。
いや、ちょっと待って!?
これやばくね!?
レインがエルドラに連れていかれなかったのは良かったけども!
国家よりも今の俺たちの状況のほうがよっぽど火急のことだぞ!?
どういうことだ?
「キラさん、リブレさんはこの国のことほとんど知りませんし、ちゃんと説明しないと……」
「あ、そうか。僕も相当動転してるみたいだね」
走りながら事情を聞く。
「この国は元々、小国と言われる程度の大きさだ。隣国からいつ侵略されてもおかしくないような状況だったんだ。そのころ先代が崩御されてね」
あ、この世界では王族に使うのか。
「そして現国王であるエルランド様が即位なされたわけなんだけど……」
「ちなみにその時何歳?」
「18とか聞いた気がするよ」
俺と1歳しか変わんないじゃん!
俺こんな感じで17歳だぞ!
「そのときの立ち回りがそれはもう凄かったらしくてね。自分が先陣に立ちはしなかったものの軍を引き連れて各方面を走り回り、各戦場で順々に敵を撃破していったんだ」
あのおっさんやっぱりすごいやつだったのか。
「こちらもかなり苦しい状況だったらしいけど、それは向こうも同じらしくてね。休戦協定を結ぶことができたんだ」
休戦かー。
向こうでもあったなー、国家間の休戦協定。
あれどうなったんだろ。
「で? なんで今になってまた攻めてきたんだ?」
「たぶん王が年を召されるのを待っていたんだと思うよ。彼らは僕らと西の砂漠を通して隣り合っているんだけど、資源が乏しいんだよ。その点僕らは森も草原もあるしね。規模もそれほど大きくない国だし……」
「侵略にもってこいってことか……」
「その通り」
「だったらよっぽど資源が困窮しているんだろうな」
「どうしてそう思うんだい?」
「だってさ、前は王様一人を恐れて停戦したんだろ? なら王様が亡くなった後にこちらを襲うのが理想的だ。恐れる対象がいなくなったんだから。でも今わざわざ攻めてきてる。年老いたっていってもあのおっさんはまだまだ戦えるだろ。困窮してないなら今仕掛ける必要がない。まぁ、世代が変わって恐れが薄れたってのもあるかもだけどな」
そこまで一気にまくしたてると、二人はポカンとした顔をしている。
「おい、どうした」
「リブレさんってこういう話題になると急に頭良くなりますよね」
「いつもぼんやりしてるのにね」
なんで二人してディスってきてんの!?
「ともかくだ。そういう裏事情があると推測されるからにはこちらは全力で迎え撃たなくちゃいけない」
「どうしてだい?」
「今まで我慢してきた侵略を決断したってことは、もう後には引けないほど追い詰められてるってことだ。つまり、負けたら確実に未来はない。よって、彼らはすべてを投げうってでもこちらを潰しにかかるだろうからな」
「なるほど。じゃあその話をもう一回みんなにしてくれるかな?」
そう言ってキラが謁見の間の扉を開く。
中には王様やルーリアを含め、この国の重鎮が一堂に会しているようだ。
初めて見るお后様までいる。
「ひぃっ!?やだやだやだやだ!お前がやれよキラ!」
俺は!
引きこもりの!
ニートなの!
大勢の前に!
出たくないの!
「僕は他の人の手柄をとるのは好きじゃないんだ」
爽やかな笑顔でキラが言う。
前も聞いたけど!
手柄とか思わないから!
結局俺が説明することになった。
「……。以上が俺がキラから聞いて考えた現状です」
王様やルーリア、ハンネやヤリガなど、俺のことを知っている人達は納得して、現状を厳しいものと捉えてるようだった。
しかし、周りは……。
「は! その程度余裕であろう! こちらにはエルランド王がいらっしゃるのだ! 万に一つも負けはない!」
「そうだ! そもそもその男の素性はわからぬではないか!」
「こちらの不安を煽って、国内を混乱させようという魂胆だろう!」
あ! お前エルドラ! なんで俺のこと知ってるのにそんなこと言うんだ!?
慌ててそっちをみるとこいつの表層感情は{色欲}だった。
あぁ、レイン目的か……。
レインはその視線に気づいて嫌悪感で固まってしまっている。
「このスパイを牢屋にぶち込め!」
はっ!
いらんこと考えてる間に事態が悪いほう悪いほうにいってる!
「こ、これ待たんか! そやつは先の石の件について功労のあった者じゃぞ! 見た目こそ怪しいが、我が国はその者に恩があるのじゃ!」
「国王ともあろうものが何をおっしゃいます。その件はキラの迅速な対応により解決をみたはず! このような輩が関わっていたなど、どこの記録にもありませぬ!」
俺が記録に残さないでって言ったからだねそれ!
こんな形で裏目にでるとは!
「とにかく、我々が信を置けぬ者の言葉を鵜呑みにしてもらっては我々の立つ瀬もない!」
「王が客人と言うのであれば出来る限りの配慮は致しますが、スパイの可能性のある者を我々としても野放しにしておくわけにはいかないのですよ」
「衛兵! 連れていけ! くれぐれも扱いは丁寧にな」
そこへの配慮よりまず牢にいれないで欲しいんだけど!?
そして俺とレインは二人仲良く牢屋に入れられましたとさ。
いや、ちょっと待って!?
これやばくね!?
レインがエルドラに連れていかれなかったのは良かったけども!
国家よりも今の俺たちの状況のほうがよっぽど火急のことだぞ!?
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