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教師3年目
初手って意外に気づかない
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「それじゃ、行きましょうか」
生徒たちと荷物を載せた馬車が続々とズンバを離れる。
ライヤとアンは上空から偵察がてらの護衛だ。
御者に扮したイプシロンたちもいるし、街道から離れたところを別動隊も移動している。
もし族がいたとしても馬車にたどり着く前にとりあえずどこかに引っかかるだろう。
「あいつ、大丈夫かな?」
「まぁ、生きられるくらいの狭さは確保してあげたんだから感謝してほしいくらいだわ」
ミリアリアはというと、馬車を増やすのは不自然だということで荷物を載せた馬車に押し込まれている。
当初は生徒と一緒に乗るなどと言っていたものだから、男子生徒の貞操の危機だということでこういった結論になってしまった。
ミリアリアを覆うように荷物を載せたことによって、防護性能は高い。
ミリアリアにとっても、生徒たちにとっても。
「あの子のうわさ、聞いた?」
「まぁ……、ありえなくはないかな、と」
「むしろ、今まで違ったんだって感じたわ」
風のうわさでは、ミリアリアの毒牙は最近女性にも及ぶようになったと。
ミリアリアが男受けがいいのはもちろんなのだが、女性からしても魅力的な体であるらしく、そのテクニックで骨抜きにしているとかいないとか。
「まともな倫理観は期待できないから、こっちで警戒するしかないわよ」
アンの警戒は杞憂だったのか、特に何も起こらず王国へと到着した。
もちろん、ミリアリアの問題だけでなく、襲撃などについてもである。
本来はそちらがメインなのだが。
「じゃあ、一週間くらいお世話になる部屋に荷物を下ろしに行こう。部屋割りは出発前に決めておいた通りだからな」
「「はーい」」
三々五々、各部屋に散っていく生徒たち。
もちろん誰もいなかった職員寮を使わせてもらえることになった。
久しぶりの光景にライヤは周りを見渡す。
「ほら、今のうちに行くわよ!」
「あまりにも扱いが雑じゃない!? ……でも、アリね」
「きもっ……」
ミリアリアがアンにおしりをたたかれながら馬車から降りてくる。
何か良からぬものに目覚めつつあるようだが、気にしないことにしよう。
あれは、わしらには救えぬものじゃ。
「……ヤ! なにボーっとしているの? いくわよ!」
「あ、そうだな」
生徒たちはともかく、ミリアリアを連れてきたことは王様に直接伝えに行かなくてはならない。
立場がある分、面倒な存在である。
「ほら、ちゃんとフード被って!」
「お前もだよ!」
ミリアリアのフードを引っ張るアンのフードをライヤが引っ張る。
ミリアリアは以前の訪問で顔が知られているし、アンは言わずもがな。
アンがばれること自体はたいつものことだが、それに付随してミリアリアに探りを入れられたくはない。
「……痩せたか?」
「そう見えます?」
王城につく頃にはライヤは満身創痍であった。
「なぜ馬車で来なかった?」
「あ」
連れられるままに徒歩で出発したのがミスか!
生徒たちと荷物を載せた馬車が続々とズンバを離れる。
ライヤとアンは上空から偵察がてらの護衛だ。
御者に扮したイプシロンたちもいるし、街道から離れたところを別動隊も移動している。
もし族がいたとしても馬車にたどり着く前にとりあえずどこかに引っかかるだろう。
「あいつ、大丈夫かな?」
「まぁ、生きられるくらいの狭さは確保してあげたんだから感謝してほしいくらいだわ」
ミリアリアはというと、馬車を増やすのは不自然だということで荷物を載せた馬車に押し込まれている。
当初は生徒と一緒に乗るなどと言っていたものだから、男子生徒の貞操の危機だということでこういった結論になってしまった。
ミリアリアを覆うように荷物を載せたことによって、防護性能は高い。
ミリアリアにとっても、生徒たちにとっても。
「あの子のうわさ、聞いた?」
「まぁ……、ありえなくはないかな、と」
「むしろ、今まで違ったんだって感じたわ」
風のうわさでは、ミリアリアの毒牙は最近女性にも及ぶようになったと。
ミリアリアが男受けがいいのはもちろんなのだが、女性からしても魅力的な体であるらしく、そのテクニックで骨抜きにしているとかいないとか。
「まともな倫理観は期待できないから、こっちで警戒するしかないわよ」
アンの警戒は杞憂だったのか、特に何も起こらず王国へと到着した。
もちろん、ミリアリアの問題だけでなく、襲撃などについてもである。
本来はそちらがメインなのだが。
「じゃあ、一週間くらいお世話になる部屋に荷物を下ろしに行こう。部屋割りは出発前に決めておいた通りだからな」
「「はーい」」
三々五々、各部屋に散っていく生徒たち。
もちろん誰もいなかった職員寮を使わせてもらえることになった。
久しぶりの光景にライヤは周りを見渡す。
「ほら、今のうちに行くわよ!」
「あまりにも扱いが雑じゃない!? ……でも、アリね」
「きもっ……」
ミリアリアがアンにおしりをたたかれながら馬車から降りてくる。
何か良からぬものに目覚めつつあるようだが、気にしないことにしよう。
あれは、わしらには救えぬものじゃ。
「……ヤ! なにボーっとしているの? いくわよ!」
「あ、そうだな」
生徒たちはともかく、ミリアリアを連れてきたことは王様に直接伝えに行かなくてはならない。
立場がある分、面倒な存在である。
「ほら、ちゃんとフード被って!」
「お前もだよ!」
ミリアリアのフードを引っ張るアンのフードをライヤが引っ張る。
ミリアリアは以前の訪問で顔が知られているし、アンは言わずもがな。
アンがばれること自体はたいつものことだが、それに付随してミリアリアに探りを入れられたくはない。
「……痩せたか?」
「そう見えます?」
王城につく頃にはライヤは満身創痍であった。
「なぜ馬車で来なかった?」
「あ」
連れられるままに徒歩で出発したのがミスか!
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