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教師2年目
対照的な二組
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「よし、やりましょうか」
S・F級の範囲に集まった生徒たちはウィルを中心として円陣を組む。
「目標は優勝。そのためにできるだけ負傷も減らすこと。人員が減ることは優勝から遠ざかることを意味しますからね。無理な時は無理という事」
「素直にライヤ先生の仕事を増やしたくないって言えばいいじゃないか」
「もちろん、それもありますが。私はやっぱり優勝したいんですよ。今年に関しては私たち以上に努力したクラスもないでしょう?」
「それもそうだ」
皆の士気は高い。
「勝ちましょう!」
「「おぉ!!」」
「ライヤ先生、ちゃんと数えていてくださいね?」
「それは俺以外の軍の兵士たちには言うなよ?」
「やだなぁ、そこまで馬鹿じゃないですよ」
「なんで俺には言っていいってなってるんだ……?」
ライヤが審判を担当するのはC級。
彼らは対となるクラスがなく、人数も他の合同クラスに対して半分ほどなので討伐数を2倍した数が得点となる。
「先生は貴族になったと言っても元は平民じゃないですか」
「その理論だとそもそも先生にはありなのか?」
「冗談です。先生の性格を知っているからこそじゃないですか」
なぜライヤとC級の生徒たちに面識があるのかと言うと。
C級の生徒たちはほとんどが親と共に王都に住んでいる。
親の職業こそまちまちだが、接客業が多い。
そして、彼らは小さい頃から親の手伝いをしていることが多い。
結果として、街にアンに連れて行かれていたライヤと会ったことのある生徒も少なくないのだ。
生徒となった後にアンとライヤが訪れて知り合ったパターンもいくつかある。
「怪我だけはないようにな」
「それはちょっと……。俺たちは連覇狙ってるんで」
去年優勝したクラスでもある。
「ヤバそうだったら止めるから。俺が止めない程度にしてくれ」
「了解です!」
「本当にここからですか?」
「ルール上問題はないだろう?」
A・E級は指定された範囲の中心からスタートしていた。
他のクラスは範囲の端っこからスタートする。
取りこぼしをなくすためであったり、後ろから襲われるのを防ぐためであったりなど理由は様々だが、端からの方がいいだろうという結論に至っていた。
その考えに逆行する開始位置だ。
「お前らはお行儀よくそこらの魔物を狩っておけ。俺たちが優勝させてやるから」
「……」
審判役として来ている教師に聞こえないくらいの声量でリーダー格の男子がE級と一部のA級をまとめている女子に声をかける。
「ふん。体育祭が終わってから媚を売ってきても遅いからな」
そんな捨て台詞を吐いて少し離れた場所に固まる男子たち。
「(むしろ失敗してくれた方がいいんじゃないかしら……)」
まともなことを考えていないことは確定している。
男子たちが死なないようにとだけ思いながら、彼女は前を向いた。
S・F級の範囲に集まった生徒たちはウィルを中心として円陣を組む。
「目標は優勝。そのためにできるだけ負傷も減らすこと。人員が減ることは優勝から遠ざかることを意味しますからね。無理な時は無理という事」
「素直にライヤ先生の仕事を増やしたくないって言えばいいじゃないか」
「もちろん、それもありますが。私はやっぱり優勝したいんですよ。今年に関しては私たち以上に努力したクラスもないでしょう?」
「それもそうだ」
皆の士気は高い。
「勝ちましょう!」
「「おぉ!!」」
「ライヤ先生、ちゃんと数えていてくださいね?」
「それは俺以外の軍の兵士たちには言うなよ?」
「やだなぁ、そこまで馬鹿じゃないですよ」
「なんで俺には言っていいってなってるんだ……?」
ライヤが審判を担当するのはC級。
彼らは対となるクラスがなく、人数も他の合同クラスに対して半分ほどなので討伐数を2倍した数が得点となる。
「先生は貴族になったと言っても元は平民じゃないですか」
「その理論だとそもそも先生にはありなのか?」
「冗談です。先生の性格を知っているからこそじゃないですか」
なぜライヤとC級の生徒たちに面識があるのかと言うと。
C級の生徒たちはほとんどが親と共に王都に住んでいる。
親の職業こそまちまちだが、接客業が多い。
そして、彼らは小さい頃から親の手伝いをしていることが多い。
結果として、街にアンに連れて行かれていたライヤと会ったことのある生徒も少なくないのだ。
生徒となった後にアンとライヤが訪れて知り合ったパターンもいくつかある。
「怪我だけはないようにな」
「それはちょっと……。俺たちは連覇狙ってるんで」
去年優勝したクラスでもある。
「ヤバそうだったら止めるから。俺が止めない程度にしてくれ」
「了解です!」
「本当にここからですか?」
「ルール上問題はないだろう?」
A・E級は指定された範囲の中心からスタートしていた。
他のクラスは範囲の端っこからスタートする。
取りこぼしをなくすためであったり、後ろから襲われるのを防ぐためであったりなど理由は様々だが、端からの方がいいだろうという結論に至っていた。
その考えに逆行する開始位置だ。
「お前らはお行儀よくそこらの魔物を狩っておけ。俺たちが優勝させてやるから」
「……」
審判役として来ている教師に聞こえないくらいの声量でリーダー格の男子がE級と一部のA級をまとめている女子に声をかける。
「ふん。体育祭が終わってから媚を売ってきても遅いからな」
そんな捨て台詞を吐いて少し離れた場所に固まる男子たち。
「(むしろ失敗してくれた方がいいんじゃないかしら……)」
まともなことを考えていないことは確定している。
男子たちが死なないようにとだけ思いながら、彼女は前を向いた。
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