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☆5話:GWは現場へGO!!
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「わぁ~っ!! 見て見てっ、スカイツリー大きいねぇ!? さっぽろテレビ塔の何倍の大きさなんだろうね?」と、目をキラキラ輝かせているうらら。
東京都墨田区に広がる青空に、飛行機雲が伸びているかのように真っすぐに伸びた白いタワー。東京を代表するランドマークとなっている東京スカイツリーは、ドバイの『ブルジュ・ハリファ』、マレーシアの『ムルデカ118』に次ぐ世界第3位の高さを誇る建築物だ。東京スカイツリーの足元に立ち、空を仰ぎ見ているうらら、海巳、セリナ、志帆。うららの問いに、セリナと海巳が答える。
「たしか、スカイツリーの高さって634(ムサシ)メートルなんですよね。さっぽろテレビ塔って何メートルでしたっけ?」
「さっぽろテレビ塔は147.2メートルだよ。昔、課外授業でテレビ塔行ったとき『いよ(14)!夏(72)が来たねぇ~』で高さ覚えよーって思ってさ。未だちゃーんと覚えてた」
《――若干オッサンくさい覚え方だけど、確かに覚えやすいっっっ!!!!!》
志帆が空中で、計算式を書くように指を動かしている。ガリ〇オシリーズの某教授を彷彿させる姿を見た3人の脳裏には、某教授が推理しているときのテーマソングが流れていた。何度も空中で文字を書いては消し、頭をブンブンッと振って、書いては消す。最終的には、携帯電話の電卓機能で「634÷147.2」と打ち込み始めた。そして、3人に視線を向けた志帆は、真っ赤に染めた顔で自信満々に言い放った。
「さっぽろテレビ塔はスカイツリーの4.3倍でしたぁ~」
《―― テレビ塔がブルジュ・ハリファ越えたーーーっっ!!! しほぉん、答え、逆っっっ!!!!》
4人の笑い声、そして子供たちの笑い声で溢れているゴールデンウィーク初日。なぜ4人が東京スカイツリーのふもとにいるのか、その経緯は1週間前の放課後まで遡ることになる。
◇
「みなさん! ゴールデンウィークにもしよろしければ、現場見学に行きませんか?」
アップルティーを口に含んだセリナは、レモンケーキに舌鼓を打っている3人に視線を送った。レモンケーキはもちろん、志帆が週末に試作してみたという逸品だ。
「もっちろん行きたい~!! ミーちゃんとしほぉんは、ゴールデンウィーク予定ある? うち、今年は父ちゃんがゴールデンウィークも仕事っぽくて、どこにも連れて行ってもらえなさそうなんだよねぇ~」
「私も今のところ前半は大丈夫。後半は東京のイトコが札幌来るから、ゲーム対決と花見行く約束してるんだけどねー」
「私も前半はOKだよ~。後半は家族で、函館の湯の川温泉行くことになってるんだぁ」
3人の返答を聞いて、両手をパチンッと鳴らしたセリナ。
「それならみなさんで! 東京でウチのグループが建設している、ビルやマンションの現場を見に行きませんか? もちろん『ご招待』という形なので、白石グループが全ておもてなしいたします!」
《――O・MO・TE・NA・SHI……おもてなしーーーーっっっ!!!!》
ブルジュ・ハリファ
ムルデカ118
東京都墨田区に広がる青空に、飛行機雲が伸びているかのように真っすぐに伸びた白いタワー。東京を代表するランドマークとなっている東京スカイツリーは、ドバイの『ブルジュ・ハリファ』、マレーシアの『ムルデカ118』に次ぐ世界第3位の高さを誇る建築物だ。東京スカイツリーの足元に立ち、空を仰ぎ見ているうらら、海巳、セリナ、志帆。うららの問いに、セリナと海巳が答える。
「たしか、スカイツリーの高さって634(ムサシ)メートルなんですよね。さっぽろテレビ塔って何メートルでしたっけ?」
「さっぽろテレビ塔は147.2メートルだよ。昔、課外授業でテレビ塔行ったとき『いよ(14)!夏(72)が来たねぇ~』で高さ覚えよーって思ってさ。未だちゃーんと覚えてた」
《――若干オッサンくさい覚え方だけど、確かに覚えやすいっっっ!!!!!》
志帆が空中で、計算式を書くように指を動かしている。ガリ〇オシリーズの某教授を彷彿させる姿を見た3人の脳裏には、某教授が推理しているときのテーマソングが流れていた。何度も空中で文字を書いては消し、頭をブンブンッと振って、書いては消す。最終的には、携帯電話の電卓機能で「634÷147.2」と打ち込み始めた。そして、3人に視線を向けた志帆は、真っ赤に染めた顔で自信満々に言い放った。
「さっぽろテレビ塔はスカイツリーの4.3倍でしたぁ~」
《―― テレビ塔がブルジュ・ハリファ越えたーーーっっ!!! しほぉん、答え、逆っっっ!!!!》
4人の笑い声、そして子供たちの笑い声で溢れているゴールデンウィーク初日。なぜ4人が東京スカイツリーのふもとにいるのか、その経緯は1週間前の放課後まで遡ることになる。
◇
「みなさん! ゴールデンウィークにもしよろしければ、現場見学に行きませんか?」
アップルティーを口に含んだセリナは、レモンケーキに舌鼓を打っている3人に視線を送った。レモンケーキはもちろん、志帆が週末に試作してみたという逸品だ。
「もっちろん行きたい~!! ミーちゃんとしほぉんは、ゴールデンウィーク予定ある? うち、今年は父ちゃんがゴールデンウィークも仕事っぽくて、どこにも連れて行ってもらえなさそうなんだよねぇ~」
「私も今のところ前半は大丈夫。後半は東京のイトコが札幌来るから、ゲーム対決と花見行く約束してるんだけどねー」
「私も前半はOKだよ~。後半は家族で、函館の湯の川温泉行くことになってるんだぁ」
3人の返答を聞いて、両手をパチンッと鳴らしたセリナ。
「それならみなさんで! 東京でウチのグループが建設している、ビルやマンションの現場を見に行きませんか? もちろん『ご招待』という形なので、白石グループが全ておもてなしいたします!」
《――O・MO・TE・NA・SHI……おもてなしーーーーっっっ!!!!》
ブルジュ・ハリファ
ムルデカ118
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