クレハンの涙

藤枝ゆみ太

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【クレハンの涙】第二章

116話

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 たっぷりの食事と情報で、二人は久々に生気のある顔つきに戻っていた。

「は~、もう入らないわ~。良い情報も聞けたし、言うこと無しって感じ?」

「全くだ~」

 遺跡調査隊は確実にカムール王国に入ったと言う情報を仕入れ、尚かつその国の城はとてつもなく大きく立派な造りなのだそうだ。

「もうじきお母さんに会えるんだ……。まぁ、その前に祭りよねぇ。少しは楽しまなくちゃっ」

「……」

「……ちょっと?聞いてる?」

「……」

「おーい」

「……ぐぅ」

「って、寝てるし」

 よほど疲れていたのだろう、あれだけ口うるさく文句を言っていたのに、床に横たわるなり彼の意識は夢の世界に旅立っていた。

「はぁー……私も寝よぅ」

 ため息をつきつつ、ラビも髪を下ろして毛布にくるまると、思いの外早く睡魔に意識がさらわれる。

 心地良い睡魔の中、二人は深く深く意識を落として行った。




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