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四章
夜の行く先
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「確かに俺はお前らと協力関係になることは渋々承諾した、渋々だ。だがそれはあくまで仕事上の付き合いでだな、あくまでビジネスライクな関係なんだよ、わかるか? それなのにてめぇらはだな……人の事務所をカフェ代わりに……しやがって……聞いてんのかてめぇら!!!!」
「おかわりー!」
「おかわりじゃねぇええ」
レイオークでも一二を争う大手ギルドと、友好的(たぶん)な関係を築くことができたミリカ達は、あくる夜。生徒会の面々を引き連れて挨拶という名目で遊びに訪れていた。
学園を離れられない教職員は除き、総勢10名の生徒が押しかけたにもかかわらずギルド【ブリランテ】は大歓迎。ちょっとした宴会のようなものが催され、ガチムチ熱血ギルドマスターが観衆のど真ん中で何故か脱いでいた。
「シェーネル! いちごジャムとスコーンの盛り合わせが好評です!」
「シェーネル殿! こっちでビール入れるのも手伝ってくれないか!」
「シェーネルちゃん、紅茶も好評だよ~!」
「あと胸も好評です!」
「最後のは誰? ツラ貸しなさい」
ブリランテには非常に多くのメンバーが所属していたが、その誰もがオープンに接してくれる。一人を除いて。
「何でてめぇらはそうやってウチに押しかけてきやがるんだ!」
「なんかこの事務所落ち着くんですよねー。それにほら、今日は先輩達も連れてきたんで挨拶ってことで。ねっ、先輩」
カウンターで飲んでいたカレンが振り返った。ジョルジュ達の席まで、喧騒をかき分け、行き交う人々にぶつからぬよう器用に歩いてくる。
「カレン・ウォルヴです。先日は、うちの一年生がご迷惑をお掛けしたようで」
「あー、いや、まぁ、おぅ」
差し出されたカレンの右手を、毒気を抜かれた様子のジョルジュが戸惑いながらも握り返した。その横では酔っぱらった男達にアルトとユーファスが絡まれており、少し離れた席ではエアートがギルドの者達と酒を酌み交わしている。
ブリランテはギルドというよりは、ほぼ酒場のような内装をしており、正規メンバーも客人も皆、このホール内に集まって情報収集や取引などを行っていた。
「ミリカは貴方の事を、オーガ達の群れに果敢に挑んでいった男気のある剣士だと」
思わぬ称賛に照れを隠すように目を泳がせていると、テーブルを挟んだ向かいの席ではミリカが満面の笑みを浮かべていた。
「ケッ、心にもねぇこと言うんじゃねぇ」
「そんな事ねぇですよ! ブリランテの皆さんが平原に来てくれた時、すごく嬉しかったんですから!」
「俺はギルドの方針に従ったまでだ」
「それでも、助けにきてくれた事には変わりありませんよね?」
やがてミリカのおかわりの声に応えて、パスタの大皿がテーブルに運ばれてきた。ありったけのミートボールにトマトソースがかかった超大盛だ。しかしそれはミリカが食べるのではなく、隣に座るユリナの為に先回りして頼んでおいたものだった。
見慣れた反応だが、ジョルジュはぽかんと口を開けたまま、その大皿料理と澄ましたユリナの顔とを見比べていた。
「ユリナ、美味しい?」
保護者のような問いかけにユリナは素直に頷く。我に返ったジョルジュは咳払いをした。
「それよりも、お前頭大丈夫か? いや、そういう意味じゃなくて、怪我の事な」
ゴブリン村で棍棒の打撃をダイレクトに貰って流血したことを言っているのだろう。
「あれくらい全然どうってことないですよ。なんか私って、頭ぶん殴られる事が多い気がするんですよねー、洞窟でもそうだったし」
「俺みたいなろくでなしを庇おうとするからだ。それ以上アホになったらどうする、気を付けやがれ」
不良、もしくは捻くれ剣士、という最初の印象からさほど変わっていないが、乱暴な言葉遣いの中にも、一粒のいたわりが光る。
いくら荒々しくとも、根っこのところは決して腐っていないと思えるところがミリカは好きだ。
「おいあんた、マスターに挨拶すんなら向こうだぜ。今近づいたらプロレスに無理やり参加させられるけどな」
カレンに話しかけながら、ジョルジュは広いホールの中央でごった返している観衆のほうを顎で示した。
「それは……遠慮したいな」
「えっ、プロレス!? あたしは参加したいな!」
別席でマリ達と喋っていたはずのセラカがひょっこり現れ、親しげに肩を組まれたジョルジュは、鬱陶しげにそれを振り払おうとする。
「ね、いいでしょ? 先輩」
「セラカが? あはっ、建物だけは壊すなよ」
「やったー! ジョルジュっちも行こうよ!」
振り払おうとしているのに、がっちりホールドされ身動きが取れないどころか、観衆の輪の中へ引き摺られていく。「やめろ!」と真っ青になって抗議するジョルジュは哀れにも、セラカのプロレス飛び入り参加への道連れにされてしまった。
「私は、白か黒かでしか物事を判断できない時があるみたい」
いかにも子供といった感じが否めないが、オレンジジュースの入った木製のマグに視線を落としながら、ミリカは切り出した。まだ年齢的に酒が飲めない。
「悪人には徹底的に制裁を加えなきゃと思ってたけど、マリちゃんを見て、自分は視野が狭すぎたんだって気付いたよ」
すっかりギルドの者達とも打ち解け、当のマリは楽しそうに雑談に興じている。その朗らかな人柄に惹かれない者などいないだろう。
酔っ払いから解放されたアルトとユーファスは2人で乾杯しており、エアートの席にはカレンが合流している。リオはどこかと見渡してみれば、いつの間にやらプロレスの観衆に加わって、ジョルジュに冷やかしの声援を送っていた。あの熱気を生み出す一人一人に人生があり、過去や事情もあり、もしかしたら前科のある者だっているのかもしれない。抱えるものは人それぞれだ。
「視野は狭かったかもしれないけれど、ミリカの考えも間違いじゃないと思うわ」
「そう?」
「背景にどんな過去があっても犯した罪が消えるわけじゃないし、被害者の傷が癒えるわけでもないから」
そう言って珈琲を口に含む彼女も、かつては祖国で壮絶な経験をした。その言葉は自分にも向けたものなのかもしれない。
「この問題には正解が無いと思ってる。ミリカの考えはそのままでいいんじゃないかしら。どんな境遇も、経験してみないと分からないから」
目の前に2つのジョッキが勢いよく置かれ、そのまま考え込みそうになっていたミリカは思わず仰け反った。忙しなく注文を聞いては酒を運んでいたはずの女性が腕を組んで2人を見下ろしている。
「こんなに盛り上がってる宴会でジュースに珈琲!? ダメダメ、あんたたちもホラ、飲みなさいな」
「私達はまだお酒飲めませんよ?」
「これはゼリーラガーだよ。国は仕事が遅いからね、これにはまだ制限がかかってないんだ。あたし達にとっちゃジュースみたいなもんだけど、学生が気分を上げるには丁度いいだろうさ」
「でもおばさん」
「お姉さんとお呼び。15にもなりゃ、楽しみたい時にちょっとハメを外すのもいいだろ?」
2人は顔を見合わせる。意外にも、先にゼリーラガーを持ったのはユリナだった。
「これも、白黒つけなきゃだめ?」
「ううん。今日はグレーでいい!」
ジョッキ同士がぶつかる涼やかな音が喧騒にこだました。
夜も更け、気付けばすっかり仕事の邪魔をしてしまった事を謝りつつも、礼を言ってブリランテを後にする。
連中は事あるごとに何かと理由をつけて騒ぎたいだけだから気にする事はないと言い、ギルドマスターは半裸姿のまま陽気に玄関先まで見送ってくれた。早く出ていけと言っていたジョルジュも、最後には「気を付けて帰れよ」と声を掛けてくれた。
「楽しかった~!」
口々にそう言っては、余韻に浸るかのようにあれこれと語りながら帰路につく。春先の夜の涼しい風が火照った肌に心地良かった。
「結局、プロレス女子の部は誰が優勝したの?」
「もちろん、あたしに決まってるじゃーん!」
セラカが背中に担いだ大きな袋を掲げて誇らしげにポーズを決めた。
「やっぱりその中身は景品だったんだね。おめでとう!」
「わ~、おめでとうセラカちゃん!」
前を歩いていた上級生組も振り返って拍手を送る。
その中身は小麦一年分。寮の貯蔵庫に置いてみんなで使おうと言いながら、セラカは少しも重そうなそぶりを見せることも無く、スキップしながら先へ行ってしまった。
待って、とマリが追いかけ、それに続いて一人、二人と、小走り気味にミリカを追い越して行く。
「みんな私を置いていかないでよー?」
ふと、路地裏から覗く闇に呼ばれたような気がした。振り返り、街灯に照らされた表通りから一歩外れれば、本来の夜らしさが戻ってくる。
夜でも明るいレイオークの街並み。人々は光を仰ぎ、影を見ようとしない。
ミリカはしばし、黒に塗り潰された路地を睨みつけていたが、やがてユリナ達が歩いていった方を向き直り、今度こそ、置いていかれないように駆けていった。
「おかわりー!」
「おかわりじゃねぇええ」
レイオークでも一二を争う大手ギルドと、友好的(たぶん)な関係を築くことができたミリカ達は、あくる夜。生徒会の面々を引き連れて挨拶という名目で遊びに訪れていた。
学園を離れられない教職員は除き、総勢10名の生徒が押しかけたにもかかわらずギルド【ブリランテ】は大歓迎。ちょっとした宴会のようなものが催され、ガチムチ熱血ギルドマスターが観衆のど真ん中で何故か脱いでいた。
「シェーネル! いちごジャムとスコーンの盛り合わせが好評です!」
「シェーネル殿! こっちでビール入れるのも手伝ってくれないか!」
「シェーネルちゃん、紅茶も好評だよ~!」
「あと胸も好評です!」
「最後のは誰? ツラ貸しなさい」
ブリランテには非常に多くのメンバーが所属していたが、その誰もがオープンに接してくれる。一人を除いて。
「何でてめぇらはそうやってウチに押しかけてきやがるんだ!」
「なんかこの事務所落ち着くんですよねー。それにほら、今日は先輩達も連れてきたんで挨拶ってことで。ねっ、先輩」
カウンターで飲んでいたカレンが振り返った。ジョルジュ達の席まで、喧騒をかき分け、行き交う人々にぶつからぬよう器用に歩いてくる。
「カレン・ウォルヴです。先日は、うちの一年生がご迷惑をお掛けしたようで」
「あー、いや、まぁ、おぅ」
差し出されたカレンの右手を、毒気を抜かれた様子のジョルジュが戸惑いながらも握り返した。その横では酔っぱらった男達にアルトとユーファスが絡まれており、少し離れた席ではエアートがギルドの者達と酒を酌み交わしている。
ブリランテはギルドというよりは、ほぼ酒場のような内装をしており、正規メンバーも客人も皆、このホール内に集まって情報収集や取引などを行っていた。
「ミリカは貴方の事を、オーガ達の群れに果敢に挑んでいった男気のある剣士だと」
思わぬ称賛に照れを隠すように目を泳がせていると、テーブルを挟んだ向かいの席ではミリカが満面の笑みを浮かべていた。
「ケッ、心にもねぇこと言うんじゃねぇ」
「そんな事ねぇですよ! ブリランテの皆さんが平原に来てくれた時、すごく嬉しかったんですから!」
「俺はギルドの方針に従ったまでだ」
「それでも、助けにきてくれた事には変わりありませんよね?」
やがてミリカのおかわりの声に応えて、パスタの大皿がテーブルに運ばれてきた。ありったけのミートボールにトマトソースがかかった超大盛だ。しかしそれはミリカが食べるのではなく、隣に座るユリナの為に先回りして頼んでおいたものだった。
見慣れた反応だが、ジョルジュはぽかんと口を開けたまま、その大皿料理と澄ましたユリナの顔とを見比べていた。
「ユリナ、美味しい?」
保護者のような問いかけにユリナは素直に頷く。我に返ったジョルジュは咳払いをした。
「それよりも、お前頭大丈夫か? いや、そういう意味じゃなくて、怪我の事な」
ゴブリン村で棍棒の打撃をダイレクトに貰って流血したことを言っているのだろう。
「あれくらい全然どうってことないですよ。なんか私って、頭ぶん殴られる事が多い気がするんですよねー、洞窟でもそうだったし」
「俺みたいなろくでなしを庇おうとするからだ。それ以上アホになったらどうする、気を付けやがれ」
不良、もしくは捻くれ剣士、という最初の印象からさほど変わっていないが、乱暴な言葉遣いの中にも、一粒のいたわりが光る。
いくら荒々しくとも、根っこのところは決して腐っていないと思えるところがミリカは好きだ。
「おいあんた、マスターに挨拶すんなら向こうだぜ。今近づいたらプロレスに無理やり参加させられるけどな」
カレンに話しかけながら、ジョルジュは広いホールの中央でごった返している観衆のほうを顎で示した。
「それは……遠慮したいな」
「えっ、プロレス!? あたしは参加したいな!」
別席でマリ達と喋っていたはずのセラカがひょっこり現れ、親しげに肩を組まれたジョルジュは、鬱陶しげにそれを振り払おうとする。
「ね、いいでしょ? 先輩」
「セラカが? あはっ、建物だけは壊すなよ」
「やったー! ジョルジュっちも行こうよ!」
振り払おうとしているのに、がっちりホールドされ身動きが取れないどころか、観衆の輪の中へ引き摺られていく。「やめろ!」と真っ青になって抗議するジョルジュは哀れにも、セラカのプロレス飛び入り参加への道連れにされてしまった。
「私は、白か黒かでしか物事を判断できない時があるみたい」
いかにも子供といった感じが否めないが、オレンジジュースの入った木製のマグに視線を落としながら、ミリカは切り出した。まだ年齢的に酒が飲めない。
「悪人には徹底的に制裁を加えなきゃと思ってたけど、マリちゃんを見て、自分は視野が狭すぎたんだって気付いたよ」
すっかりギルドの者達とも打ち解け、当のマリは楽しそうに雑談に興じている。その朗らかな人柄に惹かれない者などいないだろう。
酔っ払いから解放されたアルトとユーファスは2人で乾杯しており、エアートの席にはカレンが合流している。リオはどこかと見渡してみれば、いつの間にやらプロレスの観衆に加わって、ジョルジュに冷やかしの声援を送っていた。あの熱気を生み出す一人一人に人生があり、過去や事情もあり、もしかしたら前科のある者だっているのかもしれない。抱えるものは人それぞれだ。
「視野は狭かったかもしれないけれど、ミリカの考えも間違いじゃないと思うわ」
「そう?」
「背景にどんな過去があっても犯した罪が消えるわけじゃないし、被害者の傷が癒えるわけでもないから」
そう言って珈琲を口に含む彼女も、かつては祖国で壮絶な経験をした。その言葉は自分にも向けたものなのかもしれない。
「この問題には正解が無いと思ってる。ミリカの考えはそのままでいいんじゃないかしら。どんな境遇も、経験してみないと分からないから」
目の前に2つのジョッキが勢いよく置かれ、そのまま考え込みそうになっていたミリカは思わず仰け反った。忙しなく注文を聞いては酒を運んでいたはずの女性が腕を組んで2人を見下ろしている。
「こんなに盛り上がってる宴会でジュースに珈琲!? ダメダメ、あんたたちもホラ、飲みなさいな」
「私達はまだお酒飲めませんよ?」
「これはゼリーラガーだよ。国は仕事が遅いからね、これにはまだ制限がかかってないんだ。あたし達にとっちゃジュースみたいなもんだけど、学生が気分を上げるには丁度いいだろうさ」
「でもおばさん」
「お姉さんとお呼び。15にもなりゃ、楽しみたい時にちょっとハメを外すのもいいだろ?」
2人は顔を見合わせる。意外にも、先にゼリーラガーを持ったのはユリナだった。
「これも、白黒つけなきゃだめ?」
「ううん。今日はグレーでいい!」
ジョッキ同士がぶつかる涼やかな音が喧騒にこだました。
夜も更け、気付けばすっかり仕事の邪魔をしてしまった事を謝りつつも、礼を言ってブリランテを後にする。
連中は事あるごとに何かと理由をつけて騒ぎたいだけだから気にする事はないと言い、ギルドマスターは半裸姿のまま陽気に玄関先まで見送ってくれた。早く出ていけと言っていたジョルジュも、最後には「気を付けて帰れよ」と声を掛けてくれた。
「楽しかった~!」
口々にそう言っては、余韻に浸るかのようにあれこれと語りながら帰路につく。春先の夜の涼しい風が火照った肌に心地良かった。
「結局、プロレス女子の部は誰が優勝したの?」
「もちろん、あたしに決まってるじゃーん!」
セラカが背中に担いだ大きな袋を掲げて誇らしげにポーズを決めた。
「やっぱりその中身は景品だったんだね。おめでとう!」
「わ~、おめでとうセラカちゃん!」
前を歩いていた上級生組も振り返って拍手を送る。
その中身は小麦一年分。寮の貯蔵庫に置いてみんなで使おうと言いながら、セラカは少しも重そうなそぶりを見せることも無く、スキップしながら先へ行ってしまった。
待って、とマリが追いかけ、それに続いて一人、二人と、小走り気味にミリカを追い越して行く。
「みんな私を置いていかないでよー?」
ふと、路地裏から覗く闇に呼ばれたような気がした。振り返り、街灯に照らされた表通りから一歩外れれば、本来の夜らしさが戻ってくる。
夜でも明るいレイオークの街並み。人々は光を仰ぎ、影を見ようとしない。
ミリカはしばし、黒に塗り潰された路地を睨みつけていたが、やがてユリナ達が歩いていった方を向き直り、今度こそ、置いていかれないように駆けていった。
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