30 / 44
第三十話「パーティー当日」
しおりを挟む
広大なパーティー会場。
数えるのも億劫になるテーブルの数とそこに並べられた料理の数々。
楽団の演奏と会場の喧騒が賑やかに入り混じる。
御伽噺の世界のような光景を目の前に、あたしはメイリーに選んでもらったドレスを着て立ちすくむ。
正直ここまで規模の大きいイベントに参加するのは初めてで、右も左も分からないあたしは立っていることしか出来ない。
「あ、サラちゃん!」
グラスを片手に固まっているあたしを見つけるや否や、メイリーが人混みをすり抜けて駆け寄ってくれた。
さながら親と合流出来た迷子の子供と同じような安心感だ。
明るい杏子色の髪はパーティー用にセットされ、普段から愛らしい美顔も化粧によってもはや国宝へと仕上がっていた。
落ち着いた色合いのベージュのドレスも、華やかなメイリーが着ることで統一感のある見た目に仕上がって、つまり何が言いたいかって言うと超絶綺麗!
「大丈夫?」
「え!? あ、うん。めっちゃ綺麗だな~と思って」
「もうサラちゃんったら。サラちゃんも似合ってるよ」
「あたしには超絶優秀なコーディネーターがついてるんで」
「まぁね~」
ドヤるメイリーも可愛い。
「それにしても大規模なパーティーになるとは聞いてたけど、こんなに大所帯だとは……。これダンス踊るスペースある?」
「まぁ時間になるとテーブルは幾つか撤収されるみたいだし、途中で帰る人もいるみたいだからダンスの頃には結構減ってるらしいよ」
「そうなんだ。あたしも変なしがらみが無かったら適当に帰るのに……」
「そんな綺麗な格好しているのにもったいないわよ」
思わず深い溜息を吐いたあたしに声をかけたのはクレアだった。
その声を聞いて、クレアのドレス姿はさぞ似合うのだろうと思っていると、クレアは普通にいつもの制服で参加していた。
左腕には風紀委員の腕章、強いて言えば少し祭典用の装飾が施されているくらい。
「クレアはドレスじゃないんだ」
「アタシは風紀委員の仕事があるから。これだけ大きい行事だとトラブルも多いのよ。だから残念だけど一緒に踊ったりは出来ないわね」
クレアはとても残念そうにしていた。ダンスが好きなのかな?
「じゃあまた別日にお疲れ様会しよう!」
「それってつまり二人で――――え?」
「みんな誘ってどこかで――――え?」
あたしとクレアの会話のタイミングが被って一瞬気まずい空気が流れる。
ここはあたしが譲ろう。
「あ、ごめん。今何て?」
「……何でもないわよ! 楽しむことね! じゃあ!!」
不機嫌そうにクレアさんは去って行った。
なんか気に障ったのかな?
「そういえば肝心のアリシアとリーナは?」
「アリシアさんならあそこにほら」
メイリーが指さした方向には、会場の人混みが特に密集している所があった。
その中心部に綺麗なブロンドの頭頂部が僅かに見える。
「これってアリシアの誕生パーティーかなんかだったっけ」
「アリシアさんは人気だからねー。自然と人が集まるんだよ」
あれじゃ近づこうにも近づけないな。
まぁ事情は既に話してるし、タイミングのある時に話しかけよう。
「じゃあリーナは?」
「そういえば見てないね。遅れてくるとは考えづらいし、アリシアさんの人混みの中じゃないかな?」
「彼女なら休みよ」
その声を聞いて、あたしの面倒事センサーはびんびんだ。
ド派手なドレス、浅葱色の髪はパーティー用にセットされて、あたしみたいな芋娘とは桁違いの気品を醸し出しているリリスが、この自分に都合の良い状況に笑顔を隠さずそこにいた。
ただそれよりも、
「リーナが休み……なんかあったの?」
「さあ? 受付に確認したら欠席って言ってたわ。まぁ珍しい事じゃないし、体調が悪いとかじゃない? 運は私に味方したようね」
体調不良なら仕方がないというよりも納得がいかないというのが本音だ。
あれだけ威勢よく宣戦布告しておいて、あれだけ負けず嫌いなくせして、あたしを巻き込むだけ巻き込んで、その結果がこれ?
リーナのアリシアに対する思いはその程度なの?
「さ、例の勝負とやらはリーナの不戦敗。なら煌輝姫との間を取り持ってもらうのは問題なくなったわよね?」
「はぁ……分かった」
もうリーナのことはほっとこう。
それより問題は…………
「ただ、肝心のアリシアがあんな状態なんだけど……」
どうやってアリシアに近づこうか…………。
「煌輝姫のことだし、貴女が手振ったら気付くんじゃなくて?」
「んなまさか」
あたしは大振りで手を振ってみる。
あの人ごみの中、アリシアは速攻で気が付いたようで、適当に周りの人に断りを入れてこっちにくる。
「マジか……」
もしかしてアリシアってこの会場にいる全員の一挙手一投足を認識出来てるんじゃなかろうか。
「やあ、すまない。君がいることは分かっていたんだけど、なかなか抜け出す機会がなくてね。そろそろ人集りにも疲れた頃だったし、手を振ってくれて助かったよ」
アリシアの白い柔肌を覗かせる深紅のドレスは、パーティー会場の華々しさを一つの風景にしてしまうほどのインパクトだ。
そして、アリシアはほくそ笑んであたしを見た。
「似合っているよ、サラ」
「あ、うん……ありがと」
アリシアの誉め言葉にドキッとしてしまう。
まぁ多分、誰にでも言ってるんだろうけど。このたらしめ!
「あーそれより、アリシアに紹介したい人がいるの。こちらクラスメイトで友人のリリス。アリシアに会ってみたいって」
あたしは手筈通りリリスを紹介する。
もちろんアリシアにリリスの事は既に教えているし、経緯も知っている。
「私はアリシア、サラがお世話になっているようで、私からも感謝するよ」
いや、あんたはあたしの保護者か。
アリシアはあたしの密告がリリスに悟られないように、あくまで何も知らない体を装ってくれている。
「お初にお目にかかります。私はサラさんのクラスメイトのリリスと申します。姉が大国軍の大佐を務めており、偉大な姉を持つ者同士、惹かれ合うものがあるかと思いますわ」
「……あぁそうだね」
ほんの一瞬だけ、アリシアの表情が曇った気がした。
お姉さんいたんだ。あんまり関係が良くないのかな。
「これからもサラと仲良くしてくれると助かる。もちろん、私ともね」
アリシアとリリスは握手してその場は解散となった。
パーティー前に約束している人はいるけど、基本的にダンスの誘いは、曲が流れる三十分くらい前の準備時間に行うのが礼儀となっている。
アリシアにリリスとのダンスをお願いするまでだいたい一時間くらい猶予がある。
その間、あたしはめちゃくちゃ暇だ。
料理は十分楽しんだし、メイリーも他の生徒の顔合わせに行っちゃったし、約束がある以上それまで帰れないし、そろそろこの喧騒に酔ってきたし。
「はぁ~疲れた……」
あたしはパーティー会場を抜けて休憩室へと向かっていた。
会場から零れる騒ぎの音を背中で受けて、あたしは少し心の安らぎを得る。
エネミット王国で屋敷勤めしてた時にもパーティーは頻繁にあったけど、あたしは給仕係で裏で仕事してたからこんな気苦労しなかった。
いざゲストとして参加してみるとしんどいものだ。
「作戦通りね……」
「うん、これで……」
会場の音は聞こえつつも少し離れた、T字に分岐した廊下の先から聞いたことのある声。
バレないように角に隠れながら覗き見ると、そこにはリリスさんのトリマキコンビがいた。
名前は忘れたけどトリマキコンビで覚えてたら問題ないでしょ。
何やらコソコソと話してるけど、今こそ屋敷勤めでのゴシップ収集で培われた地獄耳を発揮する時!
「でもちょっとやりすぎちゃったかな?」
「大丈夫よ。それに前々から鬱陶しかったし。しばらく不登校だったくせにいきなり煌輝姫のパートナーを名乗ろうとするだなんておこがましい」
もしかしてリーナのこと?
「あのサラって子、聞き分けが良くて良かったわね。もしごねてたらリーナと同じような目に合わせないといけなかったし」
「惨めよね。せっかく用意したドレスが当日になってボロ布になってたんですから」
つまりリーナが欠席の理由って……。
あたしはすぐに会場に向かった――――。
数えるのも億劫になるテーブルの数とそこに並べられた料理の数々。
楽団の演奏と会場の喧騒が賑やかに入り混じる。
御伽噺の世界のような光景を目の前に、あたしはメイリーに選んでもらったドレスを着て立ちすくむ。
正直ここまで規模の大きいイベントに参加するのは初めてで、右も左も分からないあたしは立っていることしか出来ない。
「あ、サラちゃん!」
グラスを片手に固まっているあたしを見つけるや否や、メイリーが人混みをすり抜けて駆け寄ってくれた。
さながら親と合流出来た迷子の子供と同じような安心感だ。
明るい杏子色の髪はパーティー用にセットされ、普段から愛らしい美顔も化粧によってもはや国宝へと仕上がっていた。
落ち着いた色合いのベージュのドレスも、華やかなメイリーが着ることで統一感のある見た目に仕上がって、つまり何が言いたいかって言うと超絶綺麗!
「大丈夫?」
「え!? あ、うん。めっちゃ綺麗だな~と思って」
「もうサラちゃんったら。サラちゃんも似合ってるよ」
「あたしには超絶優秀なコーディネーターがついてるんで」
「まぁね~」
ドヤるメイリーも可愛い。
「それにしても大規模なパーティーになるとは聞いてたけど、こんなに大所帯だとは……。これダンス踊るスペースある?」
「まぁ時間になるとテーブルは幾つか撤収されるみたいだし、途中で帰る人もいるみたいだからダンスの頃には結構減ってるらしいよ」
「そうなんだ。あたしも変なしがらみが無かったら適当に帰るのに……」
「そんな綺麗な格好しているのにもったいないわよ」
思わず深い溜息を吐いたあたしに声をかけたのはクレアだった。
その声を聞いて、クレアのドレス姿はさぞ似合うのだろうと思っていると、クレアは普通にいつもの制服で参加していた。
左腕には風紀委員の腕章、強いて言えば少し祭典用の装飾が施されているくらい。
「クレアはドレスじゃないんだ」
「アタシは風紀委員の仕事があるから。これだけ大きい行事だとトラブルも多いのよ。だから残念だけど一緒に踊ったりは出来ないわね」
クレアはとても残念そうにしていた。ダンスが好きなのかな?
「じゃあまた別日にお疲れ様会しよう!」
「それってつまり二人で――――え?」
「みんな誘ってどこかで――――え?」
あたしとクレアの会話のタイミングが被って一瞬気まずい空気が流れる。
ここはあたしが譲ろう。
「あ、ごめん。今何て?」
「……何でもないわよ! 楽しむことね! じゃあ!!」
不機嫌そうにクレアさんは去って行った。
なんか気に障ったのかな?
「そういえば肝心のアリシアとリーナは?」
「アリシアさんならあそこにほら」
メイリーが指さした方向には、会場の人混みが特に密集している所があった。
その中心部に綺麗なブロンドの頭頂部が僅かに見える。
「これってアリシアの誕生パーティーかなんかだったっけ」
「アリシアさんは人気だからねー。自然と人が集まるんだよ」
あれじゃ近づこうにも近づけないな。
まぁ事情は既に話してるし、タイミングのある時に話しかけよう。
「じゃあリーナは?」
「そういえば見てないね。遅れてくるとは考えづらいし、アリシアさんの人混みの中じゃないかな?」
「彼女なら休みよ」
その声を聞いて、あたしの面倒事センサーはびんびんだ。
ド派手なドレス、浅葱色の髪はパーティー用にセットされて、あたしみたいな芋娘とは桁違いの気品を醸し出しているリリスが、この自分に都合の良い状況に笑顔を隠さずそこにいた。
ただそれよりも、
「リーナが休み……なんかあったの?」
「さあ? 受付に確認したら欠席って言ってたわ。まぁ珍しい事じゃないし、体調が悪いとかじゃない? 運は私に味方したようね」
体調不良なら仕方がないというよりも納得がいかないというのが本音だ。
あれだけ威勢よく宣戦布告しておいて、あれだけ負けず嫌いなくせして、あたしを巻き込むだけ巻き込んで、その結果がこれ?
リーナのアリシアに対する思いはその程度なの?
「さ、例の勝負とやらはリーナの不戦敗。なら煌輝姫との間を取り持ってもらうのは問題なくなったわよね?」
「はぁ……分かった」
もうリーナのことはほっとこう。
それより問題は…………
「ただ、肝心のアリシアがあんな状態なんだけど……」
どうやってアリシアに近づこうか…………。
「煌輝姫のことだし、貴女が手振ったら気付くんじゃなくて?」
「んなまさか」
あたしは大振りで手を振ってみる。
あの人ごみの中、アリシアは速攻で気が付いたようで、適当に周りの人に断りを入れてこっちにくる。
「マジか……」
もしかしてアリシアってこの会場にいる全員の一挙手一投足を認識出来てるんじゃなかろうか。
「やあ、すまない。君がいることは分かっていたんだけど、なかなか抜け出す機会がなくてね。そろそろ人集りにも疲れた頃だったし、手を振ってくれて助かったよ」
アリシアの白い柔肌を覗かせる深紅のドレスは、パーティー会場の華々しさを一つの風景にしてしまうほどのインパクトだ。
そして、アリシアはほくそ笑んであたしを見た。
「似合っているよ、サラ」
「あ、うん……ありがと」
アリシアの誉め言葉にドキッとしてしまう。
まぁ多分、誰にでも言ってるんだろうけど。このたらしめ!
「あーそれより、アリシアに紹介したい人がいるの。こちらクラスメイトで友人のリリス。アリシアに会ってみたいって」
あたしは手筈通りリリスを紹介する。
もちろんアリシアにリリスの事は既に教えているし、経緯も知っている。
「私はアリシア、サラがお世話になっているようで、私からも感謝するよ」
いや、あんたはあたしの保護者か。
アリシアはあたしの密告がリリスに悟られないように、あくまで何も知らない体を装ってくれている。
「お初にお目にかかります。私はサラさんのクラスメイトのリリスと申します。姉が大国軍の大佐を務めており、偉大な姉を持つ者同士、惹かれ合うものがあるかと思いますわ」
「……あぁそうだね」
ほんの一瞬だけ、アリシアの表情が曇った気がした。
お姉さんいたんだ。あんまり関係が良くないのかな。
「これからもサラと仲良くしてくれると助かる。もちろん、私ともね」
アリシアとリリスは握手してその場は解散となった。
パーティー前に約束している人はいるけど、基本的にダンスの誘いは、曲が流れる三十分くらい前の準備時間に行うのが礼儀となっている。
アリシアにリリスとのダンスをお願いするまでだいたい一時間くらい猶予がある。
その間、あたしはめちゃくちゃ暇だ。
料理は十分楽しんだし、メイリーも他の生徒の顔合わせに行っちゃったし、約束がある以上それまで帰れないし、そろそろこの喧騒に酔ってきたし。
「はぁ~疲れた……」
あたしはパーティー会場を抜けて休憩室へと向かっていた。
会場から零れる騒ぎの音を背中で受けて、あたしは少し心の安らぎを得る。
エネミット王国で屋敷勤めしてた時にもパーティーは頻繁にあったけど、あたしは給仕係で裏で仕事してたからこんな気苦労しなかった。
いざゲストとして参加してみるとしんどいものだ。
「作戦通りね……」
「うん、これで……」
会場の音は聞こえつつも少し離れた、T字に分岐した廊下の先から聞いたことのある声。
バレないように角に隠れながら覗き見ると、そこにはリリスさんのトリマキコンビがいた。
名前は忘れたけどトリマキコンビで覚えてたら問題ないでしょ。
何やらコソコソと話してるけど、今こそ屋敷勤めでのゴシップ収集で培われた地獄耳を発揮する時!
「でもちょっとやりすぎちゃったかな?」
「大丈夫よ。それに前々から鬱陶しかったし。しばらく不登校だったくせにいきなり煌輝姫のパートナーを名乗ろうとするだなんておこがましい」
もしかしてリーナのこと?
「あのサラって子、聞き分けが良くて良かったわね。もしごねてたらリーナと同じような目に合わせないといけなかったし」
「惨めよね。せっかく用意したドレスが当日になってボロ布になってたんですから」
つまりリーナが欠席の理由って……。
あたしはすぐに会場に向かった――――。
1
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の場に相手がいなかった件について
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵令息であるアダルベルトは、とある夜会で婚約者の伯爵令嬢クラウディアとの婚約破棄を宣言する。しかし、その夜会にクラウディアの姿はなかった。
断罪イベントの夜会に婚約者を迎えに来ないというパターンがあるので、では行かなければいいと思って書いたら、人徳あふれるヒロイン(不在)が誕生しました。
カクヨムにも公開しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
婚約破棄?貴方程度がわたくしと結婚出来ると本気で思ったの?
三条桜子
恋愛
王都に久しぶりにやって来た。楽しみにしていた舞踏会で突如、婚約破棄を突きつけられた。腕に女性を抱いてる。ん?その子、誰?わたくしがいじめたですって?わたくしなら、そんな平民殺しちゃうわ。ふふふ。ねえ?本気で貴方程度がわたくしと結婚出来ると思っていたの?可笑しい! ◎短いお話。文字数も少なく読みやすいかと思います。全6話。
イラスト/ノーコピーライトガール
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
~~婚約破棄から始まる天才少女と占星王女の天聖革命~~ 最強無敵の冷徹令嬢は最愛の王女様を救うため、世界をやり直すようです
静内燕
ファンタジー
百合成分超強め。過去改変ファンタジー
王国の第一貴族の天才令嬢、ヘルムート=シャマシュは世界の終末「カリ・ユガ」を迎え、崩壊するローラシア王国の姿を見ていた。
そして国を守りながらも裏切り者のせいで後ろから刺され、虫の息だった最愛の女性。ミシェウの手を握って、その最期を見届ける。
ミシェウとの思い出。そして自分の無力さと足を引っ張ってきた奴らへの憎悪。そんな中シャマシュのもとにやってきた一人の少女アルル。
アルルは言った。
「もう一度、あなたに可能性を与えるわ」
復讐に燃えるシャマシュ。コクリとうなづいて過去へ戻って、もう一度この世界をやり直すこととなる。
戻ってきた場所は、彼女の運命を大きく変えた国王カイセド=コール=シュレイダーからの婚約破棄を突き付けられる場面だった。
そしてシャマシュは最も好きだった最愛の女性。ミシェウ=クリス=シュレイダーと結婚することを王国の貴族たちの前で告げる。
突然の、それも同性からのプロポーズに戸惑うミシェウ。そして世界を破滅から救うための復讐劇が始まった。
魔法に恵まれ、優秀ながらもその冷徹さ故に煙たがれていた冷徹令嬢。
魔法に恵まれず、占星術を研究する。明るくて誰からも好かれる少女。
そんな正反対の性質を持つ王女2人の、恋に落ちながらも、ミシェウを殺し王国を滅ぼそうとしている裏切り者たちを粛正していき、終末を乗り越えた平和な世界。通称ヘスペリデスの園を目指していく物語。
【作者が考える作品のセールスポイント】
1.主人公シャマシュの、最愛の人ミシェウのためにひたむきに復讐のために戦っていくシーン
2.ヒロインミシェウが、不遇な扱いを受けても前向きに明るく生き、復讐のために戦っていく描写
3.性格の違う2人が最初は違和感を覚えつつも、どんどん恋愛感情が芽生えていき互いの恋心に気づいていく過程
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる