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第1章 下流階級で低収入の俺が本気出したら無双してしまった

第24話 すまん、また無双するわ Onslaught

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 アンズさんが実に焦った調子で連絡を入れてくる。

(バーバリアンさん! 早く来て!)
(もうちょっとですから、持ちこたえて!)

 戦場が見えてくる。こりゃ確かにヤバい、敵の主力がうじゃうじゃ集まってやがる。だが!

「いくぜぇぇぇぇぇぇっ!」

 スケルトンを敵陣へ突っこませる。

「きゃぁあぁぁっ!」
「うわっ!?」
「なんだ、何が起きた!?」

 悲鳴が上がり、敵の誰かが怒号を飛ばす。

「あいつを撃て! 止めろ!」

 大量の弾丸がスケルトンの体を叩く。だが、稼働中のスケルトンは無敵だ。どれだけ撃たれようと倒れない。
 もっとも、被弾するたびに稼働可能時間が減るから、無理は禁物だがな。

 細かい理屈は後回し、とっとやっちまおう。4本の腕のうち、上の2本を起動。それらが握っているマシンガンをぶっ放す。

「くたばれ!」

 ギュオォォォオォォォォォッ! 電動ノコギリみたいな音がとどろき、呆れるほどたくさんの弾がバラまかれる。

「きゃーーーーっ!」
「うわあぁああぁぁぁ!?」
「逃げろ!」

 ばたばたと敵が倒れ、キル・カウントがどんどん増えていく。予想以上に最高だ!
 アンズさんから通信がくる。

(助かったよ~、バーバリアンさん! その調子で全滅させちゃって!)
(了解!)

 俺は土のう壁を踏みつぶして奥へと進む。敵はもう大半が死んだらしく、何の抵抗も受けない。
 だが画面隅のレーダーには、敵の反応を示す光点がまだいくつかある。それに、肝心のセブンを殺してない。どこにいる?

 いったんスケルトンの向きを変える。直後、背後から銃弾が飛んでくる。ついでにセブンの怒鳴り声も。

「てめぇ! やってくれたなぁ!」

 俺はゆっくりと振り向く。イングラムM10を構えた金髪のアホが立っている。

「よぉ、久しぶり」
「その声、バーバリアンか!」
「ご名答」
「クソが! そいつから降りろ!」
「お断り」
「降りろっつってんだろ! そんなん反則だ!」
「はぁ? なにをボケたこと言ってやがる? 攻撃側のクランはスケルトンを使っていい、それが公式ルールだろうが。
 もし俺がチートしてんなら、確かにやめるべきだろうよ。でもこれは、もう一度言うがな、ルールの範囲内だ。何の問題もない」
「ちくしょぉおぉおおぉぉぉ!」

 奴の銃が狂ったように弾丸を吐き出す。だがスケルトンの装甲に弾かれる。カンカンカンカンと金属音が響く、うるせぇなぁ。

「そんなもん効かねぇよ」
「死ね! クソ! 降りろ!」
「まったく……」

 ザコにはそろそろ退場していただこう。俺はスケルトンを動かしてセブンに近づき、下2本の腕を動かす。
 それぞれの手に握られたソードが宙を駆け、セブンを斬り刻んで死体に変える。奴は吠える。

「てめぇブッ殺す! ベースん中こいよ! タイマン張れや!」
「いいけど、その前にリスポーン地点に戻れば? そうやって死んでたら二回戦は出来ねぇ」
「クソが! 覚えてろ、クズ!」

 セブンの死体が消えていく。ふぅ、マジでうるせぇ男だぜ。

(やれやれ……)
(こちらアンズ。バーバリアンさん、どうしたの?)
(さっきセブンを倒したんですが、悪口言われましてね)
(え、倒したの!?)
(楽勝です)
(さっすがぁ!)
(レーダーを見る限り、敵はたいして残ってません。突撃してください)
(オーケー!)
(念のために言いますけど、これで終わりじゃありませんからね。
 まだベースの中での戦いが残ってる。☆を全て壊した瞬間、ようやく終わりが訪れるんです)

 そうだ、まだ終わりじゃない。気を緩めちゃだめだ。
 勝って兜の緒を締めよって言葉もあるし、今まで以上に気合い入れてかないとな。とはいえここはもう片づいたから、第二部隊に戻るとしよう。
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