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第3章 仲間たちと共に
走れ、勝つために!
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ついに虎太郎の特訓が本格的に始まった。
虎太郎はもちろんのこと、ジム、スライ、リン、全員が早朝に起床。
食事その他を済ませたらトレーニング・ウェアに着替え、校門に集合する。
リン指導のもとで準備体操、念入りにストレッチ。
それが終わったら4人全員でランニングを開始する。
リンが先頭を走り、虎太郎たち3人がその後を走る。
走りながらスライが文句を言う。
「なんで俺やジムまで走らなくちゃならないんだよ!」
リンが軽くキレる。
「うっさい! トラタローのついでよ、あんたたちも頑張んなさい!
いい機会だから言うけど、あんたたちだって頑張らなくちゃダメなのよ!
毎日ぼけ~っと過ごしてたら、2年生になったときに地獄を見るんだから!
今のうちから特訓、特訓、特訓あるのみ!」
「わーったよ、ったく……」
スライは文句を言う口を引っこめる。
虎太郎とジムは黙々と走る。全員の顔に汗が浮かんでいる。
それが終わった後は体育館内のシャワー・ルームで汗を流し、制服に着替える。
体育館の空き教室に集まって、今度は勉強。
袋入りの栄養ゼリーなどを飲みつつ、宿題や今日の授業の予習などを行う。
ジムがリンに質問する。
「もっと訓練しなくていいのか?」
「朝はこんなもんでいいでしょ。
学校の訓練だってあるんだから、ある程度は元気を残しとかないと。
それより勉強、あんたたち忘れてるけど、筆記試験だって大事なんだからね!」
「それはその通りだが……」
「ほらほら、口じゃなくて手を動かす!」
「……了解」
ジムは視線を机の問題集の上に落とし、シャープペンを動かし始める。
静かだが、熱の入った時間。
やがて午前の授業時間が訪れる。
いつものように課題をこなし、昼休みを迎える。
リンは自分の友だちと共に食事、それを終えた後はおしゃべり。
だが虎太郎たちは違う、食事を終えたらぐったり。
ついには居眠りを始める、そして、
午後の授業時間を予告するチャイムが鳴って目を覚ます。
ついに午後の授業終了、放課後になってからが本当の特訓の時間。
準備運動を終えたらもう一度ランニングを行う。
虎太郎がリンへ向かって叫ぶ。
「走ってばっかじゃねぇか!」
「当たり前でしょ! トレーニングの基本はランニングなんだから!
あんただって、しょっちゅうランニングしてるじゃない!
ほら、走る、走る! 勝利のために走るのよ!」
「ちくしょう、靴がすり切れるまで走ってやるよ!」
ランニング終了、今度は体育館へ移動。
軽くストレッチをして、今度はバランス感覚のトレーニングを開始する。
まずはバランス・ボードの上に乗って、片足を上げ、バランスを取り続ける。
リンがビシビシと叱り飛ばす。
「ほら、もっとリラックスして!
確かに、ヘリエンにはバランサー、機体のバランスを調整する機能がついてる。
でも、最終的にはパイロットのバランス感覚が物を言うのよ!
結局、人間の能力が勝負を決める。いつまでも機体の力に頼ってちゃダメ!」
虎太郎は集中して体を動かしている、リンにたずねる。「どうだ?」
「よし、いい感じいい感じ……。じゃあ、バランス・ボードはこれで終わり!
次は学校でやってるいつものあれ、片足立ち!」
全員がバランス・ボードから降りて、少し散開する。
片足を軸にして、体を地面から平行になるように折り曲げ、手足を伸ばす。
その体勢を何十秒かキープ、こうしてバランス感覚を養う。
他にも種々のバランス・トレーニングを行い、夕暮れが近づいたら終了。
全員が汗まみれになっている中、リンが締めくくりの言葉を述べる。
「まぁ、今日はこんなところでしょ。明日はまた別のトレーニングだからね!
それじゃ、お疲れ様! 後は食事して休んで寝る、夜更かしは禁止よ!」
虎太郎たち3人がバテ気味の声で答える。「はい……!」
血と汗と涙を流した分だけ、人は勝利に近づく。
虎太郎はもちろんのこと、ジム、スライ、リン、全員が早朝に起床。
食事その他を済ませたらトレーニング・ウェアに着替え、校門に集合する。
リン指導のもとで準備体操、念入りにストレッチ。
それが終わったら4人全員でランニングを開始する。
リンが先頭を走り、虎太郎たち3人がその後を走る。
走りながらスライが文句を言う。
「なんで俺やジムまで走らなくちゃならないんだよ!」
リンが軽くキレる。
「うっさい! トラタローのついでよ、あんたたちも頑張んなさい!
いい機会だから言うけど、あんたたちだって頑張らなくちゃダメなのよ!
毎日ぼけ~っと過ごしてたら、2年生になったときに地獄を見るんだから!
今のうちから特訓、特訓、特訓あるのみ!」
「わーったよ、ったく……」
スライは文句を言う口を引っこめる。
虎太郎とジムは黙々と走る。全員の顔に汗が浮かんでいる。
それが終わった後は体育館内のシャワー・ルームで汗を流し、制服に着替える。
体育館の空き教室に集まって、今度は勉強。
袋入りの栄養ゼリーなどを飲みつつ、宿題や今日の授業の予習などを行う。
ジムがリンに質問する。
「もっと訓練しなくていいのか?」
「朝はこんなもんでいいでしょ。
学校の訓練だってあるんだから、ある程度は元気を残しとかないと。
それより勉強、あんたたち忘れてるけど、筆記試験だって大事なんだからね!」
「それはその通りだが……」
「ほらほら、口じゃなくて手を動かす!」
「……了解」
ジムは視線を机の問題集の上に落とし、シャープペンを動かし始める。
静かだが、熱の入った時間。
やがて午前の授業時間が訪れる。
いつものように課題をこなし、昼休みを迎える。
リンは自分の友だちと共に食事、それを終えた後はおしゃべり。
だが虎太郎たちは違う、食事を終えたらぐったり。
ついには居眠りを始める、そして、
午後の授業時間を予告するチャイムが鳴って目を覚ます。
ついに午後の授業終了、放課後になってからが本当の特訓の時間。
準備運動を終えたらもう一度ランニングを行う。
虎太郎がリンへ向かって叫ぶ。
「走ってばっかじゃねぇか!」
「当たり前でしょ! トレーニングの基本はランニングなんだから!
あんただって、しょっちゅうランニングしてるじゃない!
ほら、走る、走る! 勝利のために走るのよ!」
「ちくしょう、靴がすり切れるまで走ってやるよ!」
ランニング終了、今度は体育館へ移動。
軽くストレッチをして、今度はバランス感覚のトレーニングを開始する。
まずはバランス・ボードの上に乗って、片足を上げ、バランスを取り続ける。
リンがビシビシと叱り飛ばす。
「ほら、もっとリラックスして!
確かに、ヘリエンにはバランサー、機体のバランスを調整する機能がついてる。
でも、最終的にはパイロットのバランス感覚が物を言うのよ!
結局、人間の能力が勝負を決める。いつまでも機体の力に頼ってちゃダメ!」
虎太郎は集中して体を動かしている、リンにたずねる。「どうだ?」
「よし、いい感じいい感じ……。じゃあ、バランス・ボードはこれで終わり!
次は学校でやってるいつものあれ、片足立ち!」
全員がバランス・ボードから降りて、少し散開する。
片足を軸にして、体を地面から平行になるように折り曲げ、手足を伸ばす。
その体勢を何十秒かキープ、こうしてバランス感覚を養う。
他にも種々のバランス・トレーニングを行い、夕暮れが近づいたら終了。
全員が汗まみれになっている中、リンが締めくくりの言葉を述べる。
「まぁ、今日はこんなところでしょ。明日はまた別のトレーニングだからね!
それじゃ、お疲れ様! 後は食事して休んで寝る、夜更かしは禁止よ!」
虎太郎たち3人がバテ気味の声で答える。「はい……!」
血と汗と涙を流した分だけ、人は勝利に近づく。
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