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第二章 森を守れ
第13話-3 オペレーション・オラージュ発令!
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作戦会議が終わった後は、しばらく何の事件も起きないまま、時間が過ぎていった。その間、俺は自室でたっぷり眠り、本を読み、ケイトさんのことを空想したりして暇をつぶした。
やがて日が暮れ、夕食の時間となり、それから一時間ほど経過した頃。基地内で放送が流れ出した。
「緊急連絡、緊急連絡。ヘリエン部隊の隊員とサマナー部隊の隊員は、至急、第一会議室に集まってください。繰り返します、ヘリエン部隊の……」
出撃ではなく、会議室に集合? 俺は疑問に思ったが、呼ばれたら行くのが戦闘員の務め。さっさと身支度を整え、自室から出た。
現在、俺は会議室にいて、席に座っている。俺の左にはダーカー、右にはエイミーがいて、メイユー隊長は部屋前面にある将校用の席にいる。
その席にはアンバー隊長やトシロ隊長もいて、席の横にある大型液晶スクリーンの前にはハーヴェイ司令官が立っている。彼女は話を始める。
「みなさん、静かにしてください。これより、オペレーション・オラージュの説明を行います!」
室内が一瞬で静かになる。オペレーション・オラージュ? もしかして……。
「現在、我々は苦戦しており、このままでは敗北必至です。よって、巻き返しを図るため、サマナー部隊による山脈からの奇襲を行います!」
ダーカーが小声で俺に話しかけてくる。
「あれってお前が考えた作戦だよな?」
「まぁ……多分、な……」
司令の説明は続く。
「作戦の概要は以下の通りです。まず、選抜されたサマナー部隊が山を伝い、敵の拠点が見える目標地点へ移動します。目標到達までにかかると予想される時間は三日。その間、森の部隊と平原の部隊は防戦に徹し、時間を稼ぎます。
山の部隊は、目標に着いたら飛行可能な召喚生物を出し、敵拠点へ攻撃をかけます。そのタイミングと同時に全軍突撃。敵を挟み撃ちにしてせん滅します」
マジで俺の作戦が採用されたのか。誇らしいような、恥ずかしいような、何だか不思議な気分だぜ。会議に持ち込んでくださったメイユー隊長、ありがとうございます。やっぱ隊長はさすがだぜ。
エイミーが俺に言う。
「やっぱりクロベーすごい。尊敬する」
「なんだよ、お世辞か?」
「違う。素直な気持ち」
彼女の顔は真剣だ。ふーん……。前から思ってたけど、こいつはなぜ俺を高く評価するんだろうか? あれか? 最初に会った時、メタル・ラプターから守ったのが効いてるのか? そんなもん理由にされてもな……。まぁ悪い気はせんけどさ。
俺は意識をエイミーから戻し、再び司令の説明へと向ける。作戦を考え出した俺がいうのもなんだが、かなりのリスクを伴う案だ。話をよくきいて、手抜かりがないようにしないとな。
作戦実行は翌日からと決まった。とにかく山の部隊が必要とする三日の時間を稼がないとならない。山にサマナーを回した分、平原の部隊は召喚生物が少なくなるんだ。気合い入れてかないと戦線崩壊しちまう。
それと、先日の金ぴかヘリエンが気になる。あいつを暴れさせると大変なことになるだろう。どうにかして動きを封じ、できれば撃破したい。とはいえ、敵は明らかにエース・パイロット、うまくはいかないだろう。それでもやるしかない。
ふん、後は出たとこ勝負だ。
やがて日が暮れ、夕食の時間となり、それから一時間ほど経過した頃。基地内で放送が流れ出した。
「緊急連絡、緊急連絡。ヘリエン部隊の隊員とサマナー部隊の隊員は、至急、第一会議室に集まってください。繰り返します、ヘリエン部隊の……」
出撃ではなく、会議室に集合? 俺は疑問に思ったが、呼ばれたら行くのが戦闘員の務め。さっさと身支度を整え、自室から出た。
現在、俺は会議室にいて、席に座っている。俺の左にはダーカー、右にはエイミーがいて、メイユー隊長は部屋前面にある将校用の席にいる。
その席にはアンバー隊長やトシロ隊長もいて、席の横にある大型液晶スクリーンの前にはハーヴェイ司令官が立っている。彼女は話を始める。
「みなさん、静かにしてください。これより、オペレーション・オラージュの説明を行います!」
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「現在、我々は苦戦しており、このままでは敗北必至です。よって、巻き返しを図るため、サマナー部隊による山脈からの奇襲を行います!」
ダーカーが小声で俺に話しかけてくる。
「あれってお前が考えた作戦だよな?」
「まぁ……多分、な……」
司令の説明は続く。
「作戦の概要は以下の通りです。まず、選抜されたサマナー部隊が山を伝い、敵の拠点が見える目標地点へ移動します。目標到達までにかかると予想される時間は三日。その間、森の部隊と平原の部隊は防戦に徹し、時間を稼ぎます。
山の部隊は、目標に着いたら飛行可能な召喚生物を出し、敵拠点へ攻撃をかけます。そのタイミングと同時に全軍突撃。敵を挟み撃ちにしてせん滅します」
マジで俺の作戦が採用されたのか。誇らしいような、恥ずかしいような、何だか不思議な気分だぜ。会議に持ち込んでくださったメイユー隊長、ありがとうございます。やっぱ隊長はさすがだぜ。
エイミーが俺に言う。
「やっぱりクロベーすごい。尊敬する」
「なんだよ、お世辞か?」
「違う。素直な気持ち」
彼女の顔は真剣だ。ふーん……。前から思ってたけど、こいつはなぜ俺を高く評価するんだろうか? あれか? 最初に会った時、メタル・ラプターから守ったのが効いてるのか? そんなもん理由にされてもな……。まぁ悪い気はせんけどさ。
俺は意識をエイミーから戻し、再び司令の説明へと向ける。作戦を考え出した俺がいうのもなんだが、かなりのリスクを伴う案だ。話をよくきいて、手抜かりがないようにしないとな。
作戦実行は翌日からと決まった。とにかく山の部隊が必要とする三日の時間を稼がないとならない。山にサマナーを回した分、平原の部隊は召喚生物が少なくなるんだ。気合い入れてかないと戦線崩壊しちまう。
それと、先日の金ぴかヘリエンが気になる。あいつを暴れさせると大変なことになるだろう。どうにかして動きを封じ、できれば撃破したい。とはいえ、敵は明らかにエース・パイロット、うまくはいかないだろう。それでもやるしかない。
ふん、後は出たとこ勝負だ。
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