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第二話「あっ、このリアル・ゾンビゲーム、クソゲーだったわ!」
Chapter 2、早くも倦怠期・お悩み相談
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「え? 好きなわけないよ」
「デスヨネー」
ああ、致命的に、つまらないっ。
とにかく毎日刺激がなくて退屈にもほどがある。
基本的に黒は暇さえあれば家事や雑用をしていて、自然にわたしは青と二人きりでいる時間が長いんだけど――
「好きだよ晶」
毎回いちゃいちゃしているうちに青がその気になって、エッチに突入するというお決まりのパターン。
まあ、他にすることないからしかたがないんだけど……。
濃い睫毛のハーフのような美しい顔立ちや、筋肉がしっかりついていながら引きに締まった彫刻のような身体を上から見下ろしつつ、好きに動くのは最高に気持ちいいとはいえ……。
こう毎日暇さえあればヤッているんじゃ、さすがに飽きてくる。
これでわたしに特殊な性癖でもあれば別なんだろうけど、いたってノーマルなんで、ただ跨って自分の良いように動くだけの単純運動の繰り返しになる。
かといって、口を開けば「可愛い」だの「好き」だのしか言わない恋愛脳の青とは、エッチ以外の面ではまったく合わず、会話していても楽しくないし……。
ひょっとして、わたしは勘違いをしていたのかもしれない。
共感!
共感こそが愛を育てるなら。
ゾンビを撃ち殺すのが大好きな彼氏こそが、わたしの求めていたものではなかったか。
「なんだか晶さんずっとイライラしているけど、何か悩みでもあるんですか?
顔が暗いですよ?
俺で良ければ話ききますよ?」
内心の苦悩が顔に出ていたのか、夕食後、たまたま二人きりなったタイミングで黒が心配そうに尋ねてきた。
わたしはそれで正直に胸の内を明かしてみることにした。
「実はさいきんまでゾンビだらけのスリル満点のこの世界で、今日も生き残ってやったぜ! みたいなノリで毎日生きる充実感をおぼえていたんだけど……ここにきて急にね、あっ、このリアルゾンビゲーム、クソゲーだったわ!って気がついたというか、そう感じるようになったというか」
「え? この世界ゲームとかじゃないですよ?」
……うーん、どうもわたしの言いたいことが、いまいち伝わっていないようだ。
ここ数日は転生前にいつも感じていた、眠たいような倦怠感が全身を覆っていた。
明日で平屋生活六日目だなんて、もうわたしには耐えられない!
「デスヨネー」
ああ、致命的に、つまらないっ。
とにかく毎日刺激がなくて退屈にもほどがある。
基本的に黒は暇さえあれば家事や雑用をしていて、自然にわたしは青と二人きりでいる時間が長いんだけど――
「好きだよ晶」
毎回いちゃいちゃしているうちに青がその気になって、エッチに突入するというお決まりのパターン。
まあ、他にすることないからしかたがないんだけど……。
濃い睫毛のハーフのような美しい顔立ちや、筋肉がしっかりついていながら引きに締まった彫刻のような身体を上から見下ろしつつ、好きに動くのは最高に気持ちいいとはいえ……。
こう毎日暇さえあればヤッているんじゃ、さすがに飽きてくる。
これでわたしに特殊な性癖でもあれば別なんだろうけど、いたってノーマルなんで、ただ跨って自分の良いように動くだけの単純運動の繰り返しになる。
かといって、口を開けば「可愛い」だの「好き」だのしか言わない恋愛脳の青とは、エッチ以外の面ではまったく合わず、会話していても楽しくないし……。
ひょっとして、わたしは勘違いをしていたのかもしれない。
共感!
共感こそが愛を育てるなら。
ゾンビを撃ち殺すのが大好きな彼氏こそが、わたしの求めていたものではなかったか。
「なんだか晶さんずっとイライラしているけど、何か悩みでもあるんですか?
顔が暗いですよ?
俺で良ければ話ききますよ?」
内心の苦悩が顔に出ていたのか、夕食後、たまたま二人きりなったタイミングで黒が心配そうに尋ねてきた。
わたしはそれで正直に胸の内を明かしてみることにした。
「実はさいきんまでゾンビだらけのスリル満点のこの世界で、今日も生き残ってやったぜ! みたいなノリで毎日生きる充実感をおぼえていたんだけど……ここにきて急にね、あっ、このリアルゾンビゲーム、クソゲーだったわ!って気がついたというか、そう感じるようになったというか」
「え? この世界ゲームとかじゃないですよ?」
……うーん、どうもわたしの言いたいことが、いまいち伝わっていないようだ。
ここ数日は転生前にいつも感じていた、眠たいような倦怠感が全身を覆っていた。
明日で平屋生活六日目だなんて、もうわたしには耐えられない!
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