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第五章
感謝の気持ち ※※※
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少しの沈黙が流れたあと、溜め息まじりの声がする。
「……しょうがないな……」
「……!?」
「謝礼は先払いだ」
優しいエルファンス兄様の返事だった。
「お兄様……ありがとう」
感激して叫ぶと、突然身体を持ち上げられ、唇に熱いキスを落とされる。
「そうと決まれば、部屋へ戻ろう」
エルファンス兄様に耳元で甘くささやかれ、いつものパターン通り、私は横抱きにされて運ばれて行った。
部屋に戻り、眼鏡から解放されてようやく視界を取り戻した私は、初めて自分で服を脱いでからベッドに身を横たえた。
「何でもお兄様の好きなようにして」
「そんな可愛いことを言われると止まらなくなるぞ?」
なんてエルファンス兄様は口では言ったけど、いつもの容赦ない取立てと違い、今日の愛し方は特別に優しかった。
私の身体中を唇や手で柔らかく愛撫し、敏感な部分を甘く吸っては舐め溶かす。
あまりの気持ちよさに感高い声が口から漏れ続け、たまらずこぼれだした色んな液を、お兄様が唇で吸ったり舐め取ってくれた。
そうされているうちにあそこが熱くうずいて切なくなり、早くエルファンス兄様に入れて欲しくて、ねだるように足を大きく開いてみせた。
「フィー、愛してる……!」
「……ああっ……!?」
すぐに応えるようにお兄様が腰が埋めてきて、ついに硬くて太いものがゆっくり中に押し入ってきたとき、思わず迎え入れるようにお尻を浮かせてしまう。
「……あんっ、あんっ……」
「気持ちいいのかっ……? そんな甘い声を出して……可愛い過ぎておかしくなりそうだ」
挿入されたまま愛情をこめるように唇や胸を吸われながら、腰を回すように内壁を擦られると、もう気持ちよくて仕方がなかった。
そうしてエルファンス兄様の腕の中で、幾度も熱い快感の波に飲まれて悦びの声をあげながら――これでは支払っているのか支払われているのか分からないと思った――
行為が終わったあとも、脱力感と全身の痺れでだるかったけど、とにかく幸せだった。
「フィー、どうして泣いている……? きつかったのか?」
「……ううん、違うの……コーデリア姫はこんな風に、愛し合っている人と結ばれたりできないんだと思うと、悲しくなって……」
「お前は人のことで泣いてばかりだな……キルアスの時といい。
あんまり泣くとこの可愛い目玉が溶けてしまうぞ……」
お兄様の柔らかい舌が涙を舐め取り、腫れている目元を這いまわる。
大好きな人の温もりに包まれていると、幸せ過ぎて心臓が瞑れそうになる。
自分がいかに恵まれていて幸せなのか、私は改めて実感した。
しばらくそうしてベッドの中ででまったりしていると、扉をノックする音がして、続いてキルアスの声がした。
「エル、フィー、少し話がしたいんだが、いいか?」
「……しょうがないな……」
「……!?」
「謝礼は先払いだ」
優しいエルファンス兄様の返事だった。
「お兄様……ありがとう」
感激して叫ぶと、突然身体を持ち上げられ、唇に熱いキスを落とされる。
「そうと決まれば、部屋へ戻ろう」
エルファンス兄様に耳元で甘くささやかれ、いつものパターン通り、私は横抱きにされて運ばれて行った。
部屋に戻り、眼鏡から解放されてようやく視界を取り戻した私は、初めて自分で服を脱いでからベッドに身を横たえた。
「何でもお兄様の好きなようにして」
「そんな可愛いことを言われると止まらなくなるぞ?」
なんてエルファンス兄様は口では言ったけど、いつもの容赦ない取立てと違い、今日の愛し方は特別に優しかった。
私の身体中を唇や手で柔らかく愛撫し、敏感な部分を甘く吸っては舐め溶かす。
あまりの気持ちよさに感高い声が口から漏れ続け、たまらずこぼれだした色んな液を、お兄様が唇で吸ったり舐め取ってくれた。
そうされているうちにあそこが熱くうずいて切なくなり、早くエルファンス兄様に入れて欲しくて、ねだるように足を大きく開いてみせた。
「フィー、愛してる……!」
「……ああっ……!?」
すぐに応えるようにお兄様が腰が埋めてきて、ついに硬くて太いものがゆっくり中に押し入ってきたとき、思わず迎え入れるようにお尻を浮かせてしまう。
「……あんっ、あんっ……」
「気持ちいいのかっ……? そんな甘い声を出して……可愛い過ぎておかしくなりそうだ」
挿入されたまま愛情をこめるように唇や胸を吸われながら、腰を回すように内壁を擦られると、もう気持ちよくて仕方がなかった。
そうしてエルファンス兄様の腕の中で、幾度も熱い快感の波に飲まれて悦びの声をあげながら――これでは支払っているのか支払われているのか分からないと思った――
行為が終わったあとも、脱力感と全身の痺れでだるかったけど、とにかく幸せだった。
「フィー、どうして泣いている……? きつかったのか?」
「……ううん、違うの……コーデリア姫はこんな風に、愛し合っている人と結ばれたりできないんだと思うと、悲しくなって……」
「お前は人のことで泣いてばかりだな……キルアスの時といい。
あんまり泣くとこの可愛い目玉が溶けてしまうぞ……」
お兄様の柔らかい舌が涙を舐め取り、腫れている目元を這いまわる。
大好きな人の温もりに包まれていると、幸せ過ぎて心臓が瞑れそうになる。
自分がいかに恵まれていて幸せなのか、私は改めて実感した。
しばらくそうしてベッドの中ででまったりしていると、扉をノックする音がして、続いてキルアスの声がした。
「エル、フィー、少し話がしたいんだが、いいか?」
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