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章1 異世界へ行くには、どうすればいいですか?

君の名は

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道場の壁に取り付けられていたインターフォンを通じて、父君へ紹介してもらうことになった。

了解を貰えたようだ。有線インターフォンが家の中にあるとかハイテックだな。


先生に連れられて、道場の奥にある東屋へ案内される。

そこで出迎えて頂いたのは彼の父親であり、師匠であった。

かなりの高齢であるようだが、背筋もシャンとして、B29を今にも叩き落しそうな雰囲気の御仁である。


若いころは大層モテていただろうな。モボめ!
(ちなみにモボはモダンボーイの略。対する女性はモガでモダンガールの略)


師匠へ先ほど先生に語った内容と同じことを説明した。

少年ケニアの話が出たあたりでは、大興奮で詰め寄ってきたほどだ。

無事に師匠となって貰えるとのこと。


現状の問題も相談した。

・身の回りの危険を察知してくれる頼れる聖犬(成犬)を仲間にしたい

・槍はイノシシに有効そうだが、銃刀法違反で引っ掛かりそうだ

・イノシシ以外にも危険生物に襲われる可能性のある場所へ行く予定である


元モダンボーイは本件に対し、以下の解決法を提示した。出来るモボは違うな。

・身の回りの危険を察知してくれる頼れる聖犬(成犬)を仲間にしたい
  ⇒うちの犬かしてやる

・槍はイノシシに有効そうだが、銃刀法違反で引っ掛かりそうだ
  ⇒棒の先に金属の棒を刺しなさい。庭の柵であると言い張れる

・イノシシ以外にも危険生物に襲われる可能性のある場所へ行く予定である
  ⇒うちの犬が。ハンパもんに負けると思うなよ?


ああっ、お犬様ぁ!!(号泣 アニメ化待ったなし)


師匠がその名を呼ぶ。
「フェン! ルリ!」


あん?


いまなんつった? フェンルリ? フェンリルじゃなくて?


二匹の聖犬が現われた。片方はお腹が大きいな。

二匹ともとても大きな体でガッチリマッチョである。秋田犬かな?

しかしなんというハイカラな名前だよ。どっちがフェンルリさんなんだろう。

「おなかの大きい方がフェンだ、こっちがルリ(瑠璃)」

ああ成程、フェンちゃんと、ルリくんだったのね。


ルリくんを貸してくれるらしい。

子供が生まれたら譲ってくれるとも仰っている。


ルリくん、いや、ルリ様よろしくお願いいたします。

こうして、俺は頼もしい猛獣を手に入れた。


家に現れたイノシシも討伐してくれる模様。

非常事態なので今からでも来てくれるらしい、山狩りだぁ!

こっちは聖犬様とB29も尻尾巻いて逃げる超戦士のゼガ様だぜ!

負ける要因が一つもないな。これは勝ったぜ!

今夜は猪肉パーティだ!


師匠の乗る車を連れて我が家へ向かう。

ほほう、師匠の車はジムニーかアレはいいものだ。


俺の車はセダンの特注でカタツムリタイプのものだ正直ダサい。

お犬様を譲っていただけるようなので、買い替えを考えねばな。


まってろよ おまえのいのちは きょうまでだ 


世紀末的なハイクで〆ておこう。
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