少し高い君。

陽炎

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愛を知らない女の子

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私には愛がわからなかった。

中学3年生になって周りには恋人ができていった。でも親からの愛情すらろくに受けずに育った私には何が愛なのかがわからなかった。いや逃げていたのかもしれない。だって愛を知っている人達は楽しそうだし苦しそうだった。私はこれ以上余計な感情がほしいわけじゃない。慎重に居ないといきていけないから。だから誰かに愛など求める必要がないと思っていた。でもそうじゃなかった。心の何処かでは愛されたくて仕方なかったのだ。そう気づいたのはあの人に出会ってからだった。
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