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第二章
悪い子にはお仕置きを
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「おいおい、駄目だろぉ。子どもは寝る時間だ。」
赤鬼が言う。
「悪い子にはお仕置きが必要だなぁ。」
青鬼が続けて言った。
訳がわからず、怪訝そうな顔で立ち尽くしていると、赤鬼と青鬼が近づいてきた。
どうしてだろう。動けない。1つだけはわかることは、私の身に危険が迫っているということ。
赤い方が私の手を掴んだ。力が強い。振り解けない。
「やめてっ!離してっ!
助けてっ!リカ!アカネ!みんな!」
みんな毛布に包まったまま寝たふりをしている。
私の声など聞こえていないみたいに。
「おーこりゃあ生粋の悪い子だなぁ。」
青い方が嘲るように言う。
「悪い子だから仕方ないなぁ。」
赤い方が持っていた竹刀を振り上げた。
突如後頭部に鈍い痛みが走る。
身体の力が抜けて、視界がぼやける。鬼たちが私の体を支え、担ぎ上げる。私の身体を抱えて、扉の方に向かっていく鬼。
暗くなる視界の中で、リカと目が合った。リカは泣きそうな顔で私を見つめていた。
目が覚めた時、そこは保健室のベッドの上だった。体が動かない。頭がぼんやりする。
見覚えのある先生たちがニコニコしながらベットを囲んでいる。
「せんせい、、?」
反応がない。相変わらず貼り付けたような笑顔でベッドを見下ろしている。
「おー起きたか。悪い子だなぁ。悪い子にはお仕置きが必要だ。」
どこかで見覚えのある顔をした白髪の老人が私の顔を覗き込みながら言って、何かの機械を頭に被せた。
それはさながら倫理の教科書で見た、昔精神科で精神障害者に治療として使われていた頭に電磁波を流す機械のようだった。
「最初だから13歳ぐらいでいいだろう。」
老人が呟きながら、機械を操作する。なんだかとても嫌な予感がした。
「いや、、たすけて、、、」
擦れながらなんとか口にする。
「次は良い子になるんだよ。」
老人は優しい笑みを浮かべて機械のボタンを押した。
ビーッという音とともに頭に強い痛みを感じ、そのあと視界がまた真っ暗になった。
《『マヤ、こっちにおいで。』私の声がする。顔を上げると、中学生の私が手招きして私を呼んでいる。ここはなんだ。夢か。何も考えられない。私は引っ張られるように幼い私の元に行く。幼い私は私が前に来ると身体の中にスゥーと入っていった。》
赤鬼が言う。
「悪い子にはお仕置きが必要だなぁ。」
青鬼が続けて言った。
訳がわからず、怪訝そうな顔で立ち尽くしていると、赤鬼と青鬼が近づいてきた。
どうしてだろう。動けない。1つだけはわかることは、私の身に危険が迫っているということ。
赤い方が私の手を掴んだ。力が強い。振り解けない。
「やめてっ!離してっ!
助けてっ!リカ!アカネ!みんな!」
みんな毛布に包まったまま寝たふりをしている。
私の声など聞こえていないみたいに。
「おーこりゃあ生粋の悪い子だなぁ。」
青い方が嘲るように言う。
「悪い子だから仕方ないなぁ。」
赤い方が持っていた竹刀を振り上げた。
突如後頭部に鈍い痛みが走る。
身体の力が抜けて、視界がぼやける。鬼たちが私の体を支え、担ぎ上げる。私の身体を抱えて、扉の方に向かっていく鬼。
暗くなる視界の中で、リカと目が合った。リカは泣きそうな顔で私を見つめていた。
目が覚めた時、そこは保健室のベッドの上だった。体が動かない。頭がぼんやりする。
見覚えのある先生たちがニコニコしながらベットを囲んでいる。
「せんせい、、?」
反応がない。相変わらず貼り付けたような笑顔でベッドを見下ろしている。
「おー起きたか。悪い子だなぁ。悪い子にはお仕置きが必要だ。」
どこかで見覚えのある顔をした白髪の老人が私の顔を覗き込みながら言って、何かの機械を頭に被せた。
それはさながら倫理の教科書で見た、昔精神科で精神障害者に治療として使われていた頭に電磁波を流す機械のようだった。
「最初だから13歳ぐらいでいいだろう。」
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「いや、、たすけて、、、」
擦れながらなんとか口にする。
「次は良い子になるんだよ。」
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ビーッという音とともに頭に強い痛みを感じ、そのあと視界がまた真っ暗になった。
《『マヤ、こっちにおいで。』私の声がする。顔を上げると、中学生の私が手招きして私を呼んでいる。ここはなんだ。夢か。何も考えられない。私は引っ張られるように幼い私の元に行く。幼い私は私が前に来ると身体の中にスゥーと入っていった。》
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