男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました

高校編

いいなぁ【天羽side】

久しぶりの天羽くんです。忘れてた訳じゃないのよ………マジで……




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バスから降りて霧ヶ谷さん達と楽しそうにしている本条さんを見て、

「いいなぁ………」

と声が漏れる。

こんな時は自分の運の無さを恨む。いや、元から悪い方じゃないけど…
本条さんのほうをじっと見ていると、結城君と目が合った。

「あっ」

思わず小声が漏れてしまった。
結城君はそっと目をそらしたかと思ったら、さりげなく本条さんを隠すように移動した。

もしかして…結城君も本条さんのことを？
いや、そりゃ本条さんはすごくいい人だし、結城君が好きになるのも時間の問題だと思っていたけど…

問題は本条さんが明らかに結城君を意識してることだ。
本条さんは何かあるみたいだし………どうしよう………

「天羽！何ぼさっとしてんだよ。置いてくぞ？あ、北条さん見てたのか？良いよな～あっちの班！」

「よ、吉田くん。うん……羨ましいな」

「天羽は本条さん狙いだもんな～！俺は霧ヶ谷さん！」

「あ、そうなんだ……」

「やっぱ2人とも可愛いよな～他の女の子も可愛いけどさ。対応が違いすぎるもんな～。
知ってるか？うちのクラスってめちゃくちゃ他クラスから羨ましがられてるらしいぞ！」

「え…なんで？」

「なんでって……あ、お前もしかして本条さんと霧ヶ谷さんとしか話したことない？」

「うん……喋る機会も無いし……」

「なるほどな！それでか～
ここだけの話……っていうか、お前以外の男子はみんな知ってるけど、本条さんと霧ヶ谷さん以外の女の子ってめちゃくちゃ我儘なんだよ」

「えっ、そうなの？」

さっきまであんなに大声で喋っていた吉田くんがめちゃくちゃ小声で喋ってる……逆に怪しくないか？

「まぁ俺も霧ヶ谷さんたちに会うまでは女の子はそんなもんだと思ってたけどさ、霧ヶ谷さんに会っちゃったからな～」

「そっか……」

なるほど……それでうちのクラスは羨ましがられてるのか……

いや、ちょっと待てよ？
ってことは、他クラスの男子も本条さんを好きになる可能性が高いわけで………

もしかして、結城君ばっかり気にしてる場合じゃ無い？

うちの学校は基本的に成績順でクラスが決まるから、うちの1組は成績優秀者ばっかりだ。

今話してた吉田君だって、有名なお菓子メーカーの跡取りだし……

僕も結構勉強頑張ってるから1組にいれてるけど、これからはみんな必死で勉強してくるだろう。

「これは……本気ださなきゃな……」

また思わず声に出る。でもうかうかしてられない。


「おい、天羽何やってんだ。早く行くぞー！！！！」

「あ、うん！！！！」


本条さん……まつりちゃんは譲れないからさ。


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吉田家(バスの中でお菓子貢いだ子)の家業が行ったり来たりしております。
洋菓子店→お菓子メーカー
に変更させて下さい……



22/3/4【追記】
お気に入り登録が300を達成しました！
ありがとうございます！
200記念ssもまだなのに300とは………本当にありがとうございます！！！！！！！
頑張って書かせて頂きますm(_ _　)m