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10話
しおりを挟む「決闘……!?」
「そうだ! シャーロットをお前から引き離すにはこれしかない! だから、俺が勝ったら二度とシャーロットに近づかないでもらおう!」
勝手にまくし立てるマーク王子をよそに、私達は呆然としている。
隣国の王子であるレノ王子に暴力をはたらいたコトだけでもかなりの問題なのに、これ以上問題を大きくしてどうするのだ。
しかも全て勘違いで。
マーク王子のしていることはこの国にとって有益どころか、損しかさせていない。
「……いいでしょう。その代わり、あなたが負けたなら、逆に今後二度とシャーロットに近づかないでください」
「いいだろう!」
レノ王子が決闘の申し込みを受け入れてしまった。
私はハッとして慌ててレノ王子を止めにかかる。
「……っ! そんな! レノ様! 危ないです!」
「大丈夫だよシャーロット。私に任せて。すぐに終わらせるから」
「でもっ……!」
「シャーロット、君は私が負けると思っているのかい?」
「いえ、そんなことは……」
「なら、信じてくれ。そうすれば勝つから」
「……分かりました」
マーク王子が舌打ちする。
「おい! シャーロットから離れろ!」
「まだ決闘前なのでそんなことを言われたくはありませんね。そして、離れるのもあなたの方です」
「キサマ、タダでは済まさないぞ……! 今から決闘だ! ついてこい!」
マーク王子はそう叫ぶと、扉をあけて部屋から出ていく。
そして周囲にいた人物に命令を飛ばした。
「剣を二本持ってこい! それで決闘を行う!」
「は!?」
私は叫んだ。
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