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7話
しおりを挟む王宮へ呼び出されて、マックスは緊張していた。
しかし同時に、自分の方に正義があることを示すのだ、と息巻いていた。
国王に呼び出されたのは、学園でのマックスの婚約破棄騒動を聞いたからだろう。
逆に、初めて王宮に来てエリナは緊張しているセシルを落ち着かせていた。
「セシル。大丈夫よ」
「はい……」
エリナはセシルの背中をさする。
マックスはその時セシルの様子を見てエリナへと怒鳴った。
「エリナ! セシルに何をしたんだ!」
今までセシルの異変には気づかなかったくせに、エリナの行動には目敏い。
その時、謁見の間に国王が入ってきた。
そして椅子に座るなりマックスをぎろりと睨んだ。
「マックス、どういうことだ。説明しろ」
「はい! 父上!」
マックスは勢い良く立ち上がり、国王へと説明する。
「このエリナはこの男爵令嬢のセシルを虐めていました! これは公爵令嬢として、私の婚約者として相応しくない行動です。そのため婚約破棄しました!」
「エリナがその男爵令嬢を虐めていた、と?」
国王はマックスに質問する。
「はい! そうです! エリナはセシルを公爵令嬢の立場を利用して脅し、今もセシルを奴隷のように扱っているのです!」
エリナは「違う!」と叫びたかった。
ただ、すぐに自分の冤罪を晴らすチャンスが来ると我慢する。
「そうか。そうなのか? セシル」
国王はセシルへ質問した。
「え……」
「セシル。ここには俺達以外誰もいない。もし脅されているのなら心配しなくてもいい。外に情報が漏れることなく人質だって助けることができる。だから、恐れず真実を話してくれ」
マックスはセシルを励ました。
そして優しく微笑み真実を話すように促す。
マックスは完全にエリナが虐めたことを、セシルが話し始めると確信していた。
「私は……エリナ様にいじめらたことなど、一度もありません!」
しかし、セシルが言ったことは全くの逆だった。
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