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3話
しおりを挟む俺、マックス・クロフトは機嫌が良かった。
というのも、ついさっきようやく憎きエリナと婚約破棄をすることができたからだ。
エリナはずっと俺にうるさい小言を言ってくる。
俺が友人と談笑していると「勉学に励んでください」と言ってきたり、パーティーで少しマナーを間違えただけで「しっかりとマナーを学んでください」、など言ってくる。
正直言って、迷惑だった。
挙げ句の果てには、俺がセシルと話していると「彼女に関わらないでください」と言ってきた。
それから少しするとセシルは俺に近づかなくなった。
俺は確信した。
『エリナがセシルを脅し、俺から遠ざけているのだ』と。
俺はエリナに怒りを覚えた。
「エリナッ! 俺の人間関係に口を出すな!」
そして俺はついにエリナを叱った。
エリナに俺の人間関係を制限する権利は無いからだ。
しかし、エリナは全く聞き入れる様子は無かった。
俺は呆れて声も出すことが出来なかった。
きっとエリナは嫉妬に狂って俺の人間関係を制限しようとしているのだ。
それに飽き足らず、セシルを脅して俺から遠ざけようとしている。
本当に醜い奴だ。
だから、エリナに罰を下すことにした。
それに、エリナは俺に相応しく無い。
「エリナ・ファインズ! お前をセシル・ブルースを虐めた罪で婚約破棄する!」
そう言った時のエリナの顔は最高だった。
悪者に罰を下して、俺はスカッとした気分になった。
教室の生徒もエリナを見ていた。
きっとエリナを軽蔑しているのだろう。
「もういい! お前との婚約は破棄する!」
そして醜く言い訳をするエリナに怒鳴りつけ、俺は教室を出た。
教室の外には沢山の生徒が立っており、俺に視線を注いでいた。
その中を取り巻きを連れながら俺は胸を張って歩く。
どうだ、見たか。
これが正義なのだ。
公爵家なんかに媚びへつらったりしない。
俺は王族なのだ。
「おい! 今から生徒会室へ行くぞ!」
俺は生徒会室へと向かうことにした。
生徒会長である俺は生徒会を動かす権限を持っている。
その力で、今からエリナにもっと苦しみを与えてやるのだ。
「エリナ……! 覚悟しろ! 俺を敵に回したことを後悔するといい……!」
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