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2話
しおりを挟む「今、ここで靴を舐めろ。そうしたら不貞のことは許してやる」
「そんな……!」
「それとも、今ここで死ぬか?」
剣に力が込められ、首に刃が食い込む。
皮膚が切れて血が流れた。
「っ……!」
私は痛みに体を竦ませる。
そこに畳み掛けるようにクロードは私の頭を掴んでグラグラと揺さぶった。
「ハハハッ! 惨めだなノエル! 今まで散々俺のことを見下した罰だ!」
私をまるで玩具のように扱うクロードの理不尽に、ただじっと耐えることしか出来なかった。
そしてクロードはついに私の顔を自分の靴へと押し付けた。
「オラァッ! 早く舐めろこのクズが! 無様な姿を早く晒せ!」
「ぐっ……!」
もうそれしか道はないのか……!と、考えたその時だった。
「待ってください!」
声を上げたのは私の弟のローランだった。
クロードはローランを睨む。
「なんだ!」
「少し、お待ちくださいクロード王子」
ローランはクロードを制止する。
私はその行動が意外だった。
ローランはクロードと仲がよく、いつもつるんでいたため、クロードの行動を止めるとは思っていなかった。
私はローランは私の味方をしてくれるのか、と少しだけ嬉しい気持ちになった。
しかし違った。
ローランはこちらまで歩いてくると──私の顔を蹴り上げた。
「っ……!」
「この女には、もっと相応しい罰の与え方があります!」
ローランは私の頭を踏みつけた。
そしてローランは高笑いを上げた。
「ハハッ! 僕はこの時をずっと待っていた! 今まで姉さんと比べられてきた劣等感がわかるかい? 今こそこの恨みを晴らしてやる!」
そしてローランは私の頭を何度も踏みつけた。
ガン!ガン!と踏みつけられる度に私の頭は地面へと叩きつけられ、額から血が流れた。
「王子! このまま処刑なんて勿体無いです! 今この場で全ての身ぐるみを剥いで、その後公開処刑するべきです! なんたって国一番の悪女なんですからねぇ!」
ローランはクロードに語りかける。
クロードはローランの言葉に、口の端を吊り上げた。
「いいなぁ、それ!」
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