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8話

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 そしてリチャードが暴走していると、とある知らせが入った。
 リチャードの部屋に使用人が慌てて入ってくる。

「大変ですリチャード様! 我々と関係があった商会が次々と手を引いていってます!」
「何だと!? 何故だ!」
「それが……今回のリチャード様の頼んだ記事を見て撤退を決意した、とのことで……」
「なぜだ! あの記事を見てなぜ私が悪者になるのだ!」

 リチャードは憤慨する。
 まさかあの内容の記事で自分が世間から悪者扱いされるとは到底考えていなかったのだ。

「私には非はない! ミアは出来ていたんだ!」

 リチャードは何度も何度も自分にそう言い聞かせる。
 たとえ周囲は全て違う意見だったとしても自分が正しいのだと言い聞かせた。

「それと、他の貴族の家も『今後一切の関わりを持たないことにする』と宣言していまして……」
「馬鹿な!?」

 リチャードは驚愕するがこれは当然の流れだった。

 リチャードの暴挙が世間へと公表され、世論は激しくスコット家を非難し始めた。
 これを見た他家はスコット家を見捨て、逆に一緒にスコット家を非難し、世間からの評判を高めることことにしたのだ。

 加えて、数年前から自分の子供を小屋に監禁し虐待している、という噂や、リチャードが公爵家より下の身分の家に対して尊大な態度をとっていたことも追い風となった。

「くそ! くそ! くそ!」

 リチャードは頭を抱える。
 他家との繋がりが無くなったらいよいよスコット家は終わりだ。

「メアリだ! メアリを呼べ!」

 そこでリチャードはメアリを呼ぶことにした。
 複数の他家の男性と親しくしているメアリなら、スコット家と他家との繋がりを保持出来る、という判断だった。

 しかしそれは失敗に終わる。
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