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16話
しおりを挟む「王族から追放されるってどういうことよ!?」
「え……?それは、サラとの婚約を破棄したから……」
「私は別に理由を聞いてるわけじゃないわよ!あんたが王族じゃなくなるって聞いて驚いてんのよ!」
ララの豹変ぶりに、マイケルは驚愕した。
昨日までは自分に気があるような素振りを見せていたのに、今は自分をまるで嫌っているような言動を見せている。
「ラ、ララ……?」
「名前で呼ばないでよ!気持ち悪い!」
ララはマイケルを拒絶した。
「あー、最悪よ!王族じゃなくなるなんて信じられない!今まで私は一体何のために……!」
ララは爪を噛みながらぶつぶつと呟く。
「ララ……冗談だよな?そんな、王族じゃなくなったからって、見捨てないよな?だって、王族でも関係ないって言ってただろ……」
「そんなわけないでしょ!」
マイケルが伸ばした手は、ララによって叩き落とされた。
ララはマイケルを睨みつけて罵声を浴びせる。
「あんたに近づいたのはあんたが王族だからよ!今までの言葉も全部あんたに媚びを売るためによ!あんたの価値なんて王族であること以外ないじゃない
!」
「そ、そんな……」
マイケルは絶望に打ちひしがれる。
今までララだけが理解者だと思っていた。
ようやく自分は真の愛を見つけたのだと思っていた。
なのに、たった今それは裏切られた。
「あんたは最低よ!私が今までどれだけ心にもない褒め言葉をかけてきたと思ってんの!王族のあんたがいるから公爵家にも喧嘩を売れたのよ!このままじゃ私が破滅しちゃうじゃない!」
ララは頭を抱えて悩み始めた。
そしてララは名案を思いついたらしく、マイケルに提案した。
「そうだ!あんたが全部命令したことにしなさいよ!」
「……」
マイケルは、もう言葉が出なかった。
信じていたララは自分のことをただの成り上がるための道具にしか考えておらず、今も最後まで使い潰そうとしている。
「あんたが罪を被れば、私は助かるかもしれないわ!とても良い考えね!最後くらい私の役に立ちなさい!」
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