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11話
しおりを挟むマイケルの非難に対して国王は首を振る。
「これでも私は手心を加えてやったというのに、まだ理解していないのか……まあいい、どうせ公爵家の奴隷になるのは変わらん」
国王が最後にボソリと呟いた言葉をマイケルは聞き取ることはできなかった。
ちょうどその時、文官がやってきた。
「国王様、ゴーマン公爵様がお越しです」
「ふむ。そうか、今すぐに向かおう」
国王は頷いて椅子から立ち上がった。
マイケルは話と適当に切り上げられたと思い、国王を引き止める。
「父上待ってください!私の話はまだ終わっていません!」
「これ以上お前の話を聞いても無駄だ。国王である私の決定は覆ることはない。それよりも公爵との話し合いにお前も出席しろ」
「ちゃんと話を聞いてくれるまで私がここを動くと思ったら大間違いです!」
「私が今お願いしてると思っているのか?これは命令だ。ついてこい」
国王は今までにない目つきでマイケルを睨む。
国王としての威厳に満ちている声にマイケルは口を噤むしかなかった。
そして来客を迎える広間まで向かうと、すでに中にはサラの父であるアルバート・ゴーマンと、サラがいた。
アルバートはマイケルを鋭い目で睨みつける。
マイケルは息を飲み込んだ。
サラからも睨まれていたが、マイケルは全く謝るそぶりを見せなかった。
王族である自分が簡単に謝ることはできないと考えていたからだ。
その様子をアルバートと国王は見ていて、二人とも呆れ、更生の余地なし、と評価を下していたが、マイケルは気づいていなかった。
それから互いに挨拶を済ませて、本題に入った。
「公爵。私の息子が無礼をはたらき、本当にすまないと思っている」
「なっ!?」
国王は頭を下げた。
マイケルは国王である父が頭を下げたことに驚愕した。
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