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4話
しおりを挟む「サラが、もう生徒会にこない……?」
ローレンスが呆然として呟く。
「そうだ。あいつはララを脅迫し手をあげたからな。婚約破棄しておいた。だからもう生徒会室には来ないぞ」
マイケルは正しいことしたと誇るように胸を張る。
「ありがとうございます!マイケル様!」
ララが笑顔でマイケルの腕へと抱きついた。
マイケルは鼻の下を伸ばしてまんざらでもない様子だった。
ローレンスは全てを悟った。
──恐らく、サラはララによって冤罪を被せられたのだ、と。
幼馴染として、ローレンスはサラの人となりを知っている。
彼女は優しく、たとえ格下の貴族や平民であったとしても脅したり、ましてや暴力を振るうような人間ではなかった。
「失礼ですが、何か証拠はあったのですか?」
ローレンスはマイケルに質問する。
「はぁ?お前は何を言っているんだ。ララがやられたと言ってるんだぞ?それだけで十分だろう」
「……」
ローレンスは閉口した。
まさか片方だけの証言で糾弾するなど正気の沙汰とは思えない。
「……婚約者であるサラの無実を信じようとは思わなかったのですか?」
「そんなの当然だろう。ララの方が信じられるからな。だいだい、前から俺にばかり小言を言ってきて鬱陶しかったんだ」
マイケルはララの肩に手を回す。
その表情は今まで目障りだった虫を退治したときのような晴れやかな表情だった。
しかしマイケルの言葉と行動を見てローレンスは失望していた。
「そうですか……」
ローレンスは長いため息を吐いた。
その様子をマイケルは怪訝な表情で見ていたが、次のローレンスの言葉ですぐに変わることになる。
「では、今日限りで生徒会を辞めさせていただきます」
「は?」
マイケルは俺に言われたことが理解できないのか呆けていた。
「言葉の通りです。もうこの生徒会で働こうとは思いませんので、今日をもって辞めさせていただきますね」
ローレンスは笑顔でマイケルへと説明する。
「おい!何を急にそんな……」
マイケルは怒りで顔を赤く染めてローレンスへと怒鳴った。
「私も辞めさせて下さい!」
「お、俺も!」
「なっ!?」
次々と生徒会役員たちも辞めることを宣言し始めた。
そして、最終的にマイケルを除く全員が生徒会を辞めると立ち上がった。
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