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7話
しおりを挟む「ゴードンの奴め、昔からバカだとは思っていたが、まさかここまでとは……!」
「エミリア、大丈夫? あなたは悪くないわ。あなたに原因は一切ない。悪いのは全てウィリアムとゴードン。そしてゴードンを国王にしてしまった私達よ」
リチャードは憤慨し、ソフィアはエミリアを慰める。
二人ともウィリアムとゴードンに対して怒っていたが、それと同時に自分たちに怒ってもいた。
「やはり国王の座を退くべきではなかった! こうしてはおれん! 今すぐにゴードンのところへゆくぞ!」
「ええ! しっかりと罪を償わせないと!」
リチャードは勢い良く立ち上がり、それにソフィアも賛同して、二人合わせてゴードンのいる王宮へと歩き出した。
その勢いに若干押されつつもエミリアとアルバートは着いていく。
リチャードとソフィアは制止する使用人や、兵士を強引にどかせてゴードンの元へと向かう。
そして、ついにゴードンのいる部屋へと辿り着いた。
バン!と勢い良く扉を開けて中にはいると、ゴードンは驚いたようですビクリ!と肩を震わせて扉の方向を見た。
「な、何ですか……! 二人とも……!」
「お前! 話は全て聞いたぞ! 何をふざけたことをぬかしているんだ! 今すぐにウィリアムとエミリアの婚約を解消しろ!」
「そうよ! そして今すぐにエミリアに賠償を行うべきだわ! ウィリアムにもキチンと謝罪させます! もちろん、あなたもよ!」
まくしたてる二人にゴードンは慌てふためく。
「な、何ですかいきなり。 私が何をしたと──」
「黙れ! エミリアを蔑ろにしただろう! そのうえ暴言まで浴びせたそうだな!」
「私はエミリア自身にも問題がある、と言っただけでしょう?」
エミリアは怒りに震える。
どの口がそう言えるのだろうか。
あれだけ酷いことを言っていたくせに。
ゴードンの話した内容は全てリチャードにも伝えているため、ゴードンの欺瞞をリチャードはすぐに理解した。
「……そうか、お前はそこまで堕ちたのだな。──ならば、国王の座から下りろ、ゴードン」
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