穀潰しの無能は家から出ていけ?いや、この家の収入は全て私が稼いでいるんですけど?


私の名前はサラ・ウィルキンソン。伯爵令嬢だ。
私には両親と二人の兄がいる。

家族四人の仲はとても良かった。
しかし四人とも、私のことを嫌っていた。

ある日のこと。

私はいつも通り部屋で用事をこなしていた。

すると突然、部屋の扉が開かれた。

そして家族四人がゾロゾロと部屋へ入ってくる。

「サラ、無能なお前を家から追放する」

「……は?」

私は何を言われたのか分からなかった。
何故私が追放されなければならないのだろう。

「お前のような穀潰しは家に置くだけでも気分が悪くなるからな。害虫駆除だ、さっさと出ていけ」

「……本当にいいんですね?」

 私はため息を吐きながら確認した。

「もちろん。お前なんかいても邪魔なだけだからな」

 ジェームズがその太った腹をさすりながら答える。

私はそこで、完全にこの家族を見捨てることにした。

「そうですか。それでは私は失礼します」

私は椅子から立ち上がり、颯爽と部屋から出ていった。
四人はあっさりとしたその様子に唖然としていた。

もしかして私が醜く「追い出さないで!」と懇願すると思ったのだろうか。

まさか。
そんなことをする訳がない。

なぜなら。

私はこの家の財産。
当主の座。
土地。
商会。

その全てを所有しているからだ。

「私を追い出すなら、覚悟しておいてくださいね?」
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