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3話
しおりを挟む「は?」
私が婚約解消を申し出ると、ロビンは一瞬何を言われたのか分からないようだった。
「な、何でそんなことを……」
「私が分不相応だと気づいたからです。ロビン様の言葉で目が覚めました。こんな人間がロビン様の婚約者ではいられませんので、婚約を解消させて下さい」
私は恭しく、ロビンに対して頭を下げる。
これはロビンと今すぐにでも婚約を解消するための方便だった。
私は全く反省などしていないので少し棒読みになったが、ロビンは騙されたようだ。
ロビンは焦り始めた。
「べ、別に婚約は解消しなくてもいいんじゃないか? ほら、君だってそれなりに頑張っているだろう?」
ロビンはあれだけ私を相応しくないと罵倒していたのに、手の平を返して婚約解消を引き留めようとしてきた。
さっきまでと、言っていることが無茶苦茶だ。
(やっぱり引き留めようとするのね……)
あれだけ私を否定して、人格まで否定して、それでもまだしがみついて来るロビンに、私は軽蔑した。
「君には妾の立場を用意している、それで満足だろう?」
妾という立場で、十分。
ロビンはついに、私へそう言い始めた。
その時、今まで私の中で必死に抑えてきた何かが、プツンと切れる音がした。
「分かりました」
私が肯定の言葉を述べるとロビンはホッとしたような表情になった。
「婚約解消が駄目なら、婚約破棄させていただきます」
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